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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第56話 魔王ベリアル

ボス戦開始

 少し向こうで、戦いの音が聞こえる。まだ秋田さんたちは戦闘中のようだ。


「祓いの陣は外から入るのは自由だって言ってたよね。このまま突入で良いのかな?ホオリくん。」


「レベッカ、空から状況は見えない?敵のボスの一番近いところから入った方がダイモーンとかに邪魔されずにすむかも。」


「オッケー!ちょっと見てくるわね!…どれどれ~…うげっ!

 ホオリ!マエダとか言うおっさん、祓いの陣を調べているみたい!早く行かないと陣が解除されるかもしれないわ!」


「マジか!仕方がないか。コッチー!進路状にいるダイモーンだけ狙い撃ちで落としてくれ!その間を一気に抜けるよ!」


「りょーかい!任せてホオリくん!」


 ニ”ャーーー!コッチーのイカヅチが幾束もほとばしり、ダイモーンを次々に霧散させていく。


「ホーリー!来たのか!」


「ダイモーンを使役していた信者さんは任せます!俺たちは前田のところに向かいます!」


「おう、任せろ!ボスは頼んだぞ!」


 モールから来たチームの人と走りながら会話して、真っすぐに前田のところに向かう。


「それ以上はさせないぞ!」俺はバレットを放ちながら祓いの陣を調べている様子の橋本に突撃した。


「フン!邪魔な真似を。年上を敬えと習わなかったのか。礼儀知らずめ!」


 俺のバレットを忌々しそうに片手で払いのけ、前田がこちらを向く。


「その動きすら油断ですよ!」


 前田がバレットを払いのけている間に、ミコトが一気に間合いを詰め格闘戦に入る。


 前田の意識がミコトに向いたのを確認した俺は、攻撃力増加の術を発動。


「今日はおまけでこれも追加よ!」


 レベッカから、風のようなプラーナがほとばしり、俺たちを包む。これは、機動力強化の術か!?いつの間にこんな術を。レベッカさんパネェっす!


「おおー!キタキター!今までのわたしじゃないよー!この速度についてこれる!?」


 ミコトは上昇した速度に戸惑うことなくラッシュをかける。


「グッ、ぬぬっ、儂が押されるとは!」


 前田がラッシュに耐えきれず後退。下がった足目がけてコッチーがイカヅチを放つ。


「ガッ!?ぐぅ…。やらせんぞ!!」


 前田の気合いと共にミコトの攻撃にあわせたカウンター気味の炎が噴き出した。


 ミコトはとっさに後ろに飛び下がりながら手甲をクロスし防御するが、少し火傷を負ったようだ。


 レベッカがすかさず回復術をかけ、外傷は癒していく。


 ミコトが下がった隙は、俺が前に出ることで埋める。相手は無手なので、俺が棍の間合いから攻めれば、たちまち前田は防戦一方になった。


 攻撃を捌くことに集中して動けない前田に対し、コッチーが直上からのイカヅチ、前田は障壁で防ぐが、その隙をついてコッチーは前田の背後に回り込み、雷爪で背中を切り裂く。


「ぎぃ!!獣風情が!!」


 再度、前田の身体から全方位に向けて炎が噴き出し、俺たちは距離を取る。


 かなり炎に長けた悪魔のようだ。


「ボスって言っても、この程度かしら。これならセーレの方が手ごわかったわよ。」


 レベッカが挑発する。まぁ弱体化しているし人間の姿のままだから比較はできないんだけどね。


 でもこのまま押し切れるならその方が良い。本気なんて出される前に倒せてしまえば被害は少なくて済む。


「止むを得ん。一つ手札を着るとしよう。」


 火弾を足元に投げつけ爆裂させ、俺たちの足を止めた前田は大きく後ろに飛び下がり、真っ黒なオーラのようなものが吹き出ると、その姿が変わっていった。


 身体は二回りは大きくなり、2m以上の体躯。肌は燃えるように赤く、蝙蝠のような羽が背中に生える。セーレなどとは違いねじれた角ではなく、鋭い真っすぐな角が頭頂部の左右から後ろに向かって2本生えてくる。


 そして、その手には漆黒の槍が握られている。何か文字のようなものがびっしり彫られているが、何の文字なのかも分からない。


『儂は魔王ベリアル。魔を統べる真なる魔王なり。貴様らは魂ごと喰らって、二度と生まれ落ちることが出来ぬようにしてやろう。』


 凄いプラーナの圧力だ。これで弱体化しているってのか!セーレも強大なプラーナを誇っていたが、こいつは完全に別格だ!


 シャーーとコッチーも強く威嚇している。ここまでコッチーが神経をとがらせている姿を見たことがない。


 尻尾に触った時よりシャーシャーしている。


 レベッカもミコトも無言で必死に目をそらさないようにしているようだ。レベッカですら軽口を叩けないレベルか!?


「ベリアルは槍を持っているから、俺が前衛で抑える!コッチーとミコトは遊撃で頼む!レベッカは全体のサポート頼むぞ!」


 俺は恐怖を塗りつぶすように声を張り勇気を奮い立たせる。相手がどれだけ強力だろうが負けるわけにはいかない。俺は俺にできることをやるんだ!


「重ね掛けよ!!」


 レベッカから攻撃力増加と機動力増加の術が更にかけられる。攻撃力増加まで使えるようになっているのかよ!流石は力の匠たるレベッカ様だ!


 力が上がっているとはいえ、真正面からベリアルの槍を受けられるほど力の差は小さくない。散々やってきた棍の基本の型である払いを丁寧に使いながら、ベリアルの意識をこちらにくぎ付けにする。


「榊鬼直伝の棍捌きを受けてみろ!」


 ベリアルの圧力に負けじと声を張り上げ気合を入れる。トウガの技を受けてみろってんだ!


『グッグッグ、儂と打ち合うとは少しはやるな、英雄小僧。だが儂の槍はこんなものではないぞ!

 喰らいつくせデモニックナイザー!』


 ベリアルが叫ぶと、奴の槍に書かれた文字が紫の光を放ち、周囲のプラーナを集め始めた。プラーナが吸収されるほど、槍の圧力が増し、棍で受ければ手がしびれ始める。


『カアァァッ!』


 ベリアルの方向と共に紫電が槍から放たれる。とっさにバックラーにプラーナを込め小さな障壁と共に盾で受ける。


 その圧力に踏ん張っていたはずの足が地から離れ俺は弾き飛ばされた。


「ホオリくん!!」


 ミコトがとっさに間合いを詰め連続蹴りでベリアルを攻撃、攻撃の隙間を埋めるようにコッチーがイカヅチを放つ。


 俺は建物の壁にぶち当たり強い衝撃を受けるが、盾の防御と操鬼闘法により大きなダメージはない。だが衝撃で一瞬意識が飛びかけた。


 レベッカが即座に回復術をかけてくれる。だが、距離が大きく離されてしまった。長柄が相手だとミコトやコッチーは接近戦で不利になる。急いで戻らないとまずい。


 だが、あの紫電は喰らう訳にはいかない。ならば!

エンカウント:Lv54 魔王 ベリアル(分霊)

ベリアル陛下の槍と言ったら〇ガバトル〇イザー。怪獣は呼び出せません。


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