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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第55話 祓いの陣(後編)

複数視点で進めます

~~Side 前田(トラータ解放戦線代表)


 儂らが交差点に入ったあたりで特殊なフィールドが発生したことに気付いた。この感覚は住吉三神の何かしらの結界術だろう。


 身体が若干重い感じがするので、恐らく儂らの力を抑え込む力を有しているようだ。


 だが、この程度の重しで何とかできると思われては気に入らん。


「橋本代表、なにか、閉じ込められようで…」


「気にすることはありません、少し力が弱まるでしょうが、私たちが高めた力には及びません。恐れずにダイモーンを召喚し準備するのです。私の力をまずは見せましょう。」


「はっ、ははっ!」


 さて、敵は大きく二手に分かれているのか。あれはデカラビアとダンタリアンを相手するためか?儂にはあの英雄小僧を当ててくるのだろう。


 巨大な火球を二発放つ。しかし、敵が全員で構築した障壁を破壊するだけで火球は霧散してしまった。


 なかなか厄介なフィールドのようだ。力弱くとも神のなせる術か。であれば破壊してしまえばいい。


「林、儂はこのフィールドを破壊するため後方に下がる。橋本と共に敵の部隊をせん滅せよ。英雄小僧が出てきたら儂が相手をする。」


「かしこまりました、王よ。ダイモーンの被害はある程度許容いただけますか?」


「かまわん、住吉さえ落とせば大阪は我らのものだ。その後は日本全土を支配するための力を蓄える時間もあろう。」


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


~~Side 秋田さん


「トラータ解放戦線幹部の橋本殿とお見受けいたします。今からでも降伏いただくことはできませんか?」


「面白いことを言う人間だな。我らの下で働くなら命は助けてやってもいいのだぞ?」


「残念ですが、悪魔の部下になる気はありません。それに私たちを甘く見てらっしゃるのでしょうか。力は抑え込まれ、部下のダイモーンと切り離され、8対1の状況です。」


『フフフ、小賢しいニンゲンよ。我の真なる姿を見て、いつまで大口を叩いていられるかな?』


 そう言う橋本から真っ黒なオーラのようなものが噴き出す。そして、橋本の体を覆うと、肉体がビキビキと音を立てて変化していく。


 黒いオーラから現れたのは、2mほどもある巨大なヒトデのような星形のアクマだった。


 星型の中心には一つ目が大きく開かれている。ふわふわ浮いてはいるが飛んでいるとより、地面から少し浮いているだけんなので、接近戦も仕掛けやすそうには見えた。


「先の二人の幹部とは大きく形状が異なりますね…」


『英雄の小僧をこの我に当てなかったことを後悔するがいい。』


「高屋君のことまで知っているとは。ここで何としてでも倒す必要が出てきましたね。

 皆さん、橋本だった悪魔を包囲しつつ、全方位からの接近戦を仕掛けます!」


『我は魔の侯爵デカラビア。死を授けるこの瞳の前に息絶えるがいい。』


 なるほど、体の中心にある大きな瞳には注意した方が良さそうだ。


 前衛は私ともう一チームの隊長とで担う。回復役に中衛が一人、もう一人は私とスイッチして前衛を入れ替えながら戦う。


 常に二人以上が接近戦を、隙が出来たら中衛がバレットで攻撃、デカラビアの体当たりや火球でダメージを受けても回復役がすぐに回復する。


 祓いの陣で弱体化している影響かデカラビアの動きは決して良くはなく、体も大きいため被弾も多い。


 そろそろ焦れて大技を出してくるだろうと考えていると、デカラビアの体の中心にある瞳から黒いモヤのようなものが現れ、触手を伸ばすように私たちを包もうとする。


 しかし、モヤは途中で糸が切れたように力を失い霧散した。


 デカラビアは苦虫をつぶしたような忌々し気な雰囲気を出したが、すぐに切り替えたようで、今度は白いモヤのようなものを全方位に放った。


 とっさにバックラーを使って防御したが特にダメージはない。


「いったい何が…か、体が重い??」


「クク、死の魔眼はこのフィールドの効果でかき消されるがデバフは威力こそ弱まるものの放つことはできるようだな。」


 デバフ?相手の能力を下げるような術か?確かに体が重くなって動きが制限されている。


 これは被弾が増え、回復を飽和させる戦法か。


 ならばと私は木刀は腰に戻し、今まで以上に前に出て、バックラーをメインとした立ち回りに変更する。相手の動きを阻害するように盾を押し付けたり、攻撃を踏ん張って耐える。


 攻撃は私が全部受けるように動き、回復は私にだけ集中させる。


 攻撃を受け止めることが出来たときはデカラビアの動きは必然的に止まるため、中衛や、もう一チームの攻撃が通りやすくなる。


『この!忌々しい人間め!!』


 苛立ちを隠せないデカラビアだが、魔眼を使おうにも、少しの溜めも許さない私たちの攻撃になすすべなく、ダメージを蓄積させていく。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


~~Side 高屋 穂織(時間は少しさかのぼる)


「宮司さん、住吉の神様たちに相談があるのですが、会うことはできますか?」


「これは、高屋さん、お話は聞いています。こちらへどうぞ。」


 宮司さんに連れられて住吉三神のもとに行く。三神は変わらず淡い青、水のような印象を受ける光に包まれている。


「住吉の神様、これから戦いが始まりますが、相談があって参りました。」


『回復か…』


「そうよ。話が早そうで助かるわ。さっき、敵の幹部とかいう魔王を倒したんだけど、あのクラスと戦うと消耗が激しいの。もっと強い奴がいるって話だから、あなたたちの力でパッと回復とかできない?」


「だからレベッカ、言い方が…」


『良いのだ、ホオリよ。我らに残された力は少ないが…』


『ソコツツノヲ、我らはここから動けぬ。結界を張り直せぬ以上、ここで決着を付けねば守るべき民も守れぬようになろう。』


『ウワツツノヲ、そなたの言う通りやも知れぬな…』


『では、我らの最後の力を使って、英雄たちのプラーナを回復させよう。コウタケよ、我らは少し眠らねばならぬ。必ず戻るが、数日はそなたにこの社の守りを任せる。』


「かしこみかしこみ申す…必ずお帰りを…」


 三神から薄い緑色の光が俺たちに注がれる。す、すごい、こんなに大量のプラーナを直接感じたのは初めてだ。これならまた戦える!


「ありがとうございます、神さま!わたしたちが必ずこの街を守りますね!」


 ミコトの力強い声に、三神も満足そうに頷くと、徐々に姿がぼんやりしていき、消えていった。


「よし、ここまでしてもらったからには負けられない。みんなのところに急ごう!」


 ニャーー!とコッチーも力強い声で鳴いた。

エンカウント:Lv 43 デカラビア(分霊)

即死攻撃って実際にあったら防げないなと思います。物語の進行上どうやって無効化するかで悩みます。


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