Extra Story6 日本侵略
微妙なタイミングかつ内容もイマイチですが、どうしても挟んでおかなければならない回となります
~~Side ディープワン
・世界崩壊から4日目
『まだ落ちんか…』
『はっ、想像以上の強度でございます。ここまでの結界は先の大戦の時すらなかったやも知れませぬ。』
『そこまでか…、まあよい。この極東の島国のリーダーが生きていたところで、世界はすでに我らのものよ。他の奴らに大きい顔をさせるのは気に入らんが…
他の要衝はどうなっている?』
『この国およびアメリカの軍隊は全て壊滅し制圧しております。また、シュブ様のお種は全て開花し、全世界の芽と連動しております。
軍の制圧が終わったクトゥルヒ達を未だ土地の守りが強い場所へ向かわせております。』
『東京の状況は?』
『皇居の結界こそ突破できておりませんが、23区内の人間は全て捕獲、半分はプラーナに変換済みです。西東京方面は神奈川、千葉、埼玉の制圧と同様、クトゥルヒに命令済み。
皇居の周囲はインターネットを含むすべての通信を遮断するフィールドで覆っておりますので、皇居と外とで連携することはできません。』
『順調すぎてつまらんな。』
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~~Side Japanese government(日本政府)
「もう4日目ですか…」
「結界のおかげで敵の侵入は許していませんが、外に出ることもできませんね。」
「陛下、やはり我ら天子守護兵団が一当て参りましょう。このままでは状況が何も変わりません!」
「しかし…万一、あなたたちの身に何かあれば…」
「陛下、我らは皇族の皆様のための兵でございます。自衛隊での近代戦術だけでなく、古くから伝わる陰陽道の研鑽もかかすことなく行い、神仏にも通ずる力を持っております!」
(さすがにそれは言いすぎだと思うけれど、状況が膠着しているのも事実。少しでもいいから外の情報が欲しい)
「陛下、恐れながら、天子守護の言うことも一理あるかと存じます。戦い、勝利することを目的とせず、情報を集めることを重視し、必ず命を守ると約せばいかがでしょうか?」
「うん…そうですね、高宮総理の言うこともその通りだと思います。隊長、絶対に命を捨てるようなことはしないでください。全員が生きて戻ることを最も重視してくださいね。」
「ははっ、その命、つかまつりました。」
結果的に天子守護兵団は2名の死者を出したが、タコの頭がついた怪物たちは謎の言語を話すが、日本語は通じるらしく、日本語を話すこともできること。銃器はほとんど通じず、陰陽師の術も役に立たなかったこと。タコ怪人は水を操る魔術のようなものを使ったり、首に着いたタコ足で攻撃してきたりしたこと。皇居の結界の外をさらに何かの膜のようなもので覆われていることなどの情報を持ち帰った。
解決の糸口はまだ見えなかった…
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・世界崩壊から13日目
『人間と神が力を合わせて我らに抵抗していると?』
『はっ、西東京で活動中のクトゥルヒから連絡が途絶えました。特に1体は自衛隊の駐屯地を押さえていた者なので、人間程度では太刀打ちできないはずです。
また、埼玉ですが、ムスペルヘイムの巨人たちに占拠されました。』
『ムスペルヘイム?なぜ日本にやつらがいる?今の地球では北欧が奴らの拠点だろう。スルトは確認されているのか?』
『スルト王は確認されておりません。またレーヴァテインも同様です。
また、なぜ炎の巨人たちが日本に現れているのかは不明ですが、他にも日本を拠点にしていないはずの神が日本で顕現しているとの情報も入っています。』
『北欧の制圧状況はどうなっている?』
『ほぼ全域の制圧が完了しているとの情報が共有されております。トラータ教ではない土着の教義を守るごく一部の地域で抵抗が続いているそうです。それ以外のヨーロッパは全域で制圧が完了しております。』
『トラータ教の支配権は楽でいいな。人間を守る神もおらず、外神も去った。外神が作り出した虚栄は人間を守る力を持たぬ。』
『はい、おっしゃる通りです。反対にこの国は異常です。トラータ教がほとんど信仰されておらず、だからといって特定の神を信じる風潮もない。そのくせ世界中の神がさまざまな媒体で知られ、一つの文化体系を作っている。もしかすると、そのせいで守るべき人間がいなくなった地の神がこの島に集まっている可能性があるかもしれません。』
『くそ、とんだ貧乏くじだ。この小さい島は信仰心が薄いので制圧するのに戦力はいらんという話だったではないか。それが、国の政の中心には破壊できぬ結界があり、他の地域の勢力が支配権を持ったり、人間どもが神の力を借りて我らに歯向かう。チャイナに一番戦力が必要だと評価したのはいったい誰だ!』
『トラータ教圏でない国で人口が多く、軍事力があり、多数の神が信仰されているのがチャイナだったのです。その次がインドです。日本など、無宗教の国と言われておりましたから…』
『そのチャイナは人間同士が争っていて我らが何もしなくても崩壊の道を進んでいると言うではないか。どこで計算を間違えたというのだ…』
『ずいぶん困ってそうだねぇ。』
『貴様!ニ『おっと名前は呼ばないでおくれよ。僕は今回メインじゃないからね』
『ググッ、一体どこに行っていた!?我らに協力すると言いながら姿を消しておって!』
『まぁまぁそう怒らないの。何だかお困りの様子だから良いこと教えてあげようと思ってさ。人間が使っているXitterを見てみなよ。せっかくコミュニケーションツールを制限して、こちらが監視しやすいようにインフラを整えているんだから、使わないともったいないよ。じゃぁね~、また来るから安心してね~。』
『クソッ、あの風来坊め…』
『しかし、あのお方の仰ることは盲点でした。たかが人間の道具と侮っておりましたが、あの方が積極的にこうせよと仰って構築したインフラです。監視する部隊を作り情報を集めます。』
『チッ、我らが神と同格だからと…我はあやつが気に入らん!』
『仰ることはわかりますが…シュブ様のお種をお持ちくださったのもあの方ですし…』
『まぁ良い。このまま状況を改善できなければ我らの沽券にかかわる。良く対処せよ!』
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