第50話 大阪突入
別視点が最後に入ります。
進行上の問題でそうなりましたが、今後も発生するかもしれません。
モール、病院、食料工場から戦闘部隊が集まってくる。モールから3チーム、病院と工場からそれぞれ2チーム。一チーム4人が7チームで28人が集まった。
俺たちを合わせて8チームで大阪に入る。
それぞれチームごとに車に乗り込み、東名阪高速を進む予定。
大阪府知事がリーダーになっている避難所は住吉大社にあるとのことで、堺市の方から侵入。対立中のトラータ解放戦線は住吉大社の北に位置する通天閣周辺を拠点にしているので、南側からの侵入で避難民と効率的に合流しようというルートになる。
モールからの部隊には宮城さんが付いて来ていて、ミコトが自分にも異名を付けてSNSで拡散してくれと頼んでいた。
福島さん、秋田さん、宮城さんはさっき行ったレベッカのアクマ合成について、情報交換をしているようだ。
俺がかかわってきた避難所では、基本的にアクマ合成は行わない方針のチームが多い。合成するにはアクマが2体以上必要なのだが、会話で仲魔にできた事例は日本では鹿児島と島根、北海道で一例ずつだけで、レベッカと合わせると、日本で判明しているのは4例のみ。他国での報告は一応あるらしいが、情報の量が不足していて、明確なことはわかっていない。
他方、弱らせたアクマを強制的にアクマデバイスに取り込み仲間にする方法はあるが、捕まえたアクマを呼び出してもあまり戦力にならないと言われている。
捕まえたアクマを合成して強いアクマにしていく方法はあるが、韓国で起きた、合成しすぎたアクマに殺されるという事件以降、積極的に合成を行っている情報は出ていない。
アクマとの信頼関係と合意というところがポイントになるのではないかと言う話が聞こえてきた。
そんな話を聞いているうちに、他のチームから準備が完了したと声がかかる。
俺達はそれぞれの車に乗り込み、大阪に向け出発した。
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~~Side:大阪:住吉大社避難民
「今日、東から救援がやってきますね。これでトラータ解放戦線におびえる日も終わるでしょうか。」
「そうだな、正直どうなるかは分からんが、確実に状況は動くだろう。時間を掛ければ掛けるほど相手の方が力を増していくんだ。ここでどうにかしないと、大阪だけの問題ではなくなってしまうだろう。」
「そうですね。しかし本当に奴らは何をどうしているのか。あのアクマ達の強さは異常です。それを本当にコントロールできているのでしょうか。」
「それはわからん。だが脅威であることには変わりない。名古屋には巨大な蛇の化け物もいたんだろう?我々には太刀打ちできない存在が多くいることには違いないな。」
「その蛇の化け物すら倒したという英雄が来てくれれば、未来が見えてきそうですね。」
府知事と県庁職員が話していると、通天閣方面を経過している監視員から、連絡が入った。
「通天閣方面からアクマが流れ込んできています!」
「なに!トラータ解放戦線か!?」
「いえ!低級のアクマが多数!トラータ解放戦線が操るダイモーンは確認できません!」
「どういうことだ?だが…考えている暇はないか。戦闘チームを結界の内側ギリギリに集合させろ!神の結界は破れんと思うが、念のために備えるんだ!」
その時、ガリガリ!ともビリビリ!とも言えない、何かがぶつかり合うような音が響き、バリリリィィン!!と高い音が響き渡った。
「け、結界が…、結界が破られたぞーーー!!」
絶望とも言える声が響き渡るのだった。
「あ、あ、あ…」
呆然と立ち尽くす人々。悪夢のような世界崩壊からようやく生活も何とかできるようになり、日本の各地で人間の生活圏が拡大しつつある。少しだけだが未来を考えることができそうな予感がしていた。
だが、それを守ってくれていた神の結界が破られた。
「戦えるものはアクマの大群を抑えるぞ!非戦闘員は神館まで下がるんだ!」
戦闘チームたちはそれでも絶望を踏み越え、流れ込んで切るアクマ達に向かっていく。
幸い、流れ込んでくるアクマはスライムやガキ、強くてもザントマン程度であるため、20人いる戦闘チームでなんとか捌けている。
しばらく戦うと、アクマたちは住吉大社を避けるように散り散りに逃げていった。
「なんだ?あのアクマ達は…何かに追い立てられてこちらになだれ込んできていただけか?」
消耗は激しかったが、戦闘不能なけがを負った者もおらず、回復術さえかけてもらえれば問題がない程度だった。
それぞれが、ふうっと息を吐いて気を緩めたとき、大量の火弾が彼らを襲った。
とっさに防御したものもいたが、それでも半数以上がどこかしらに火弾を受け、負傷していく。
「くそっ!トラータ解放戦線か!負傷者は回復部隊のところまで下がれ!軽傷のものは踏みとどまってで撤退を支援するぞ!」
「「「バレット!」」」
戦闘可能なものたちがバレットでけん制を仕掛ける。
しかし、相手のダイモーンはプラーナの盾のようなものでバレットを弾いていく。
「き、効かない…」
「貫通力重視で集中砲火だ!バレットを細くして回転させろ!俺が撃ったやつに集中だ!」
必死になって足止めを行う。いくつかの盾を破ることが出来、ダイモーン数体にダメージを与えることができた。
だが、相手は30体以上いて、火弾も継続的に飛んでくる。
このまま接近戦に入ったら蹂躙されることが誰の目にも明らかだった。
「くぅ、これ以上は…!」
「た、隊長!これ以上持ちません!!し、死にたくないぃぃ!!」
こちらの弾幕が徐々に減っていき、ダイモーンからの火弾が大量に飛んでくるのが見えた。
「こんな最後が…」
「大!岩山!壁!!」
若い男の叫び声と共に目の前に山が現れ、火弾を完全に防いでしまった。
「大丈夫ですか!ここは俺たちに任せて、いったん下がってください!
コッチーーーー!!」
ニ”ャーーーー!と力強い猫の鳴き声が聞こえたと思うと、山の向こう側に大量の雷が轟音と共に落ちるのが見えた。
「な?なに?何が、起きたんだ?」
「うーーん、派手ねぇ。ま、相手はとりあえずアクマっぽいから手加減は必要なさそうだけど。」
「あのケガした人たちを見たから、ホオリくん怒ってるのかも。」
「ま、そんなとこね。私はこっち側を回復しておこうかしら。」
不思議な髪色をした妖精は目をつぶり癒しの術を広い範囲で発動。殿を務めていた部隊の傷を次々に癒していく。
「アンタら、怪我は治っても消費したプラーナはすぐに戻らないわ。他の部隊も来るから、防衛はそいつらに任せて、いったん引きなさい。他の場所から攻めてくることも考えられるでしょうしね。」
「あ、ああ、わかった。ありがとう、助かった。神館まで下がる!ついてこい!」
「さーて!わたしたちもやるぞーー!」
撤退する部隊の背中から、そんな元気な女の子の声が聞こえてきた。
エンカウント:Lv1 スライム / Lv3 ガキ / Lv8 ザントマン / Lv 15~30 ダイモーン Lv?? ??
日本各地の戦闘メンバーはおおよそLv10~20くらいのイメージで書いています。主人公が多摩川にいたくらいのレベル感です。
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