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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第44話 英雄 日本武尊

 勢至菩薩様に名古屋を覆っている結界について相談する。


『そうですか…そのようなものが…。私も結界術自体は専門外ですが、私たち仏や隣人たる天之(あめの)御中主(みなかぬしの)(かみ)に連なりし神々は外敵から守るための結界は比較的利用することが多い神でしょう。私たちが施す結界で言うと、規模や出力、条件を高める場合は必ず力の依り代を複数個所に設置します。

 その黒き結界はレベッカ殿が相当な悪意を感じるということであれば、強力なものと考えれれます。であれば、必ず結界内にそれを支える依り代を設置しているでしょう。』


「しかし、中に入って依り代を破壊するというのは危険すぎませんか?入ったら壊すまで出られないのだから、もし破壊できなければ閉じ込められてしまうと言うことでもあります。」


 岡山博士の言うことももっともだ。リスクが高すぎると言えばそう。なにせ相手が誰なのかも分かっていないし、誰を恨んでの行為なのかも分からない。


『その土地に所縁のある神や邪なる存在、神器など、何か関連するものはありませんか?』


「確か、アメノムラクモのツルギがあるって言ってませんでした?」


「これも宮城氏の考察だが、アメノムラクモと言えば、スサノオかヤマトタケル、そしてヤマタノオロチあたりが有名どころらしいでござるが…」


『あぁ、かの龍神の…となれば、恐らく敵は八岐大蛇でしょう。ですが、龍神本体が復活しているとは思えません。軽く小山くらいの大きさがありますし、プラーナの量も甚大です。そんなものがこの時代に復活していれば、すでにこの国が滅んでいてもおかしくありませんから。ですので、その眷属か首一本というところと考えられますね。』


「小山くらいって…ゴジ…、あぁいや。仮に今回の原因がヤマタノオロチ関係だとして、結界を破るには中に入って、ということになりますか?」


『はい、この国由来のものでしょうし、怨念を力のもとにしているならば、必ず内部に依り代が4~8個はあるでしょう。そして、狙いはその神剣かと。』


「う~ん、やるしかないんだけど、中に入ると連絡もできなくなるのは痛いわね…」


「とりあえず、時間を決めて、いついつまでに連絡がなかったら、助けに来てもらうというのはどうかな?」


「そうねぇ、ミコトの言うことくらいしかやりようがないわね。」


 レベッカが言うには、俺たちの突入から24時間経過しても結界が破られなければ、増援部隊をいくつか突入させる。


 突入後に落ち合う場所を数か所決めておいて、そこで俺たちと落ち合うか、俺たちがいなければ部隊間で連携し橋頭保確保し更に援軍を待ち、現状の戦力総出で対処。


 俺たちも情報収集と生存を最優先し、無理な突撃は避けて行動する。


 ここで戦力を消耗すると大阪戦が厳しくなるが、名古屋を解放しないとそもそも大阪攻略自体が進められない。


 ここで閉じ込められている人がいる可能性が高いから、名古屋を無視して大阪に向かうわけにはいかないしね。


 岡山博士にリーダー会議で後詰の作戦について対応をお願いし、俺たちは結界の中に進むことにした。


 福島さんには残ってもらった方が良いのではと言う話もあったが、福島さん自身が一緒に行くと言うので、このまま突入することにした。


 結界を通り抜けると、その中は少しだけくらい程度で、特に毒があるとか体が重くなるとかそういった状況ではなかった。


「想像より全然マシな状況みたいね。でもプラーナの流れがあまり良くないから、むやみに消費しないように注意して。回復が遅くなるわ。」


「リョーカイだよ!レベッカ!」


 コッチーもにゃっ!と凛々しい声を出し、ミコトもびしっとポーズを決める。


 国道一号線の大きな通りを慎重に進んでいくと、下半身が蛇、上半身が鎧を着て盾を槍を持ったアクマが何体も熱田神宮の正門に向かって突撃していく姿が見えた。


 俺たちは見つからないように慎重に移動しつつ神宮を目指す。


 途中、建物の中に入ってレベッカが探知宝珠で状況を確認。本宮付近までアクマが大量に集まっており、本宮前で戦闘が行われているような状況に見える。


 敵は北側から進んでくるが、本宮を中心に守りの結界があるのか、南側にある正門まで回り込んでいるようだ。


「あの蛇戦士は、アクマ・デバイスによればナーガという名前でござるな。短槍と盾持ちだと防御能力が高そうでござるなぁ。ミコト殿は懐に入れないとかなり厳しいかもしれないでござるよ。」


「俺の土槍で動きを止められないかな。下半身が蛇だから、槍が刺さったら二本足以上に動きづらいかなって。」


「少しでも動きを止めてくれれば、一気に懐に入って決めるよ。ホオリくんのサポートを期待してます!」


「コッチー殿は二属性の使い分けを忘れずにした方が良さそうでござるな。イカヅチが効かない相手はいままでほとんどいなかったでござるが、八岐大蛇の眷属だと属性攻撃自体が効きづらい可能性がありそうでござる。」


 にゃーっ!と勇ましい声をあげているので大丈夫だろう。


「あきらかに本宮を狙っていて、そこで足止め喰らっているってことは、誰か戦っている可能性が高いわ。早めに加勢した方が良いわよ、この状況。」


「じゃあ挟み撃ちにしようか。でも俺たちが突っ込んだ後ろからまたナーガが来ちゃうかな?」


「そうね、敵は物量攻撃に出ていることを考えるとまだまだ来るでしょうね。今集まっているナーガの背後をついて一気に突破、本宮になだれ込んだ方が良いかもしれないわ。これは作戦変更ねぇ、はぁ。本宮に入って情報を収集して、24時間に間に合わなそうなら、私が空から離脱して集合地点で後詰部隊に情報連携するわ。」


「「「了解」」」ニャー!


 俺たちは正門を抜け、本宮に向かって走る。ナーガたちが見えてきた。


「先制は俺の土槍でいく!動きが止まったらコッチーとミコトは突撃だ!」


 俺は地面に手を付けて土槍を発生させナーガたちを一気に串刺しにする。


 それを見てミコトがナーガの懐に入りキックやパンチで倒していく。


 だが、コッチーのイカヅチが弾かれた!ナーガは雷属性無効なのか!?コッチーはそれを見てすぐに尻尾から火弾を放って焼き払う。逆に炎は特攻なのか、炎におびえるナーガが多数いる。


 レベッカの衝撃波を受けた個体もはじけるように霧散していく。衝撃波も特攻なのかもしれない。


 俺は、駆け抜けるのに邪魔になる個体だけを棍で薙ぎ払いながら、福島さんをフォロー。


 福島さんも久しぶりにバールを2本両手に持って、プラーナを込めながら最低限の攻撃で進んでいく。


 本宮の入口が見えたとき、10段程度の低めの石階段の上で、一人の男が剣を振るってナーガを薙ぎ払っていた。


『何者ぞ!』


 太く大きな声で剣士が俺たちに尋ねる。


 ミコトが剣士に襲い掛かっているナーガを後ろから蹴り倒しながら、叫び返した。


「外から来た人間です!助太刀に来ました!」


 良く通る芯に響くような声だ。ミコトの声には力があるな、などと余計なことを考えていると、全員が剣士の目の前まで迫っていた。


 剣士の横を抜けて、入口の前で反転。入口を守るように俺たちは立つ。


 俺たちが抜けてきた道の狩り残したナーガたちが更に群がってくる。


「全員で攻撃しよう!フレイムバレット!!」


「「バレット!!」」ニ“ャーーー!!


 俺たちはバレットの散弾を、コッチーは火弾を連続発射、レベッカが衝撃波で隙間を埋める。


 迫ってきていた残りのナーガは全て霧散していった。


『まずは助力に感謝を。俺は日本武だ。そなたらは?』


「俺は高屋 穂織です。こっちが相棒のコッチー、ハイピクシーのレベッカ、ミコトと福島さんです。東京からずっとここまでいろんな人を助けながら来ました。」


『ふむ、大蛇の間者には見えぬな。完全に信じることはできぬが人間であることに間違いはなさそうだし、中で少し話そう。外の情報は他の皆も欲しがっている。』


 ヤマトタケルは持っていた剣を地面に刺すと、そこに青白く透き通った壁のようなものが出来た。


『一時的に結界を張った。大蛇の手のものはしばらく入ってこれん。』


 ヤマトタケルに続いて俺たちは熱田神宮の本宮に足を踏み入れた。

エンカウント:Lv27 ナーガ / Lv?? 英雄神 ヤマトタケルノミコト

スサノオだと強すぎるということで、ヤマトタケルを抜擢。ナーガが日本の妖怪ではないのですが、何となくレベル的にもちょうど良い感じで大量に登場いただきました。


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