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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第38話 大地の姉妹姫

もしかすると今までで一番有名な神様の登場回

「誰かいませんかー?食料や紙製品のやり取りについて相談に来ましたー!」


 引き続き声をかけてみる。


 すると、本殿から何人かの男性が恐る恐ると言った雰囲気で出てきた。


 真ん中には眼鏡をかけた角刈りの中年男性。若い時はスポーツをしていたであろう、ガッチリとした体つきをしている。


 回りには3人の男性が鉄パイプを握りしめて、こちらをうかがっていた。


「突然すみません。俺は高屋 穂織です。東京から来ました。八王子の方の食料工場の安全が確保できたので、今度はトイレットペーパーなどの消耗品を確保したくて、有名な静岡に来たんです。」


「これは丁寧にありがとう。私は藤野元製紙の代表をしている藤野です。詳しく話を聞かせてもらいたい。」


 真ん中の眼鏡スポーツマンが社長さんか。話はできそうな雰囲気で安心した。


 社長の左右にいる男性たちは、ホオリってあのホーリーか?とかこそこそ話している。


「そうです!この若者こそXitterで名をはせる、英雄ホーリーですぞ!なにやら大変なことがあったご様子。でも安心してください、ホーリーが助けてくれますぞ!」


「ちょ、ちょっと!福島さん、何言ってんすか!?それやめてって言ってるじゃないですか?」


「おお!そうでしたか!あなたが有名な英雄でしたか。いやはや、それならばぜひぜひ我々を助けていただきたい。サクヤ様のことも診て欲しいのです。」


 なんだか、急に信頼度が上がったような気がする…もう取り合えずいいや。流れに身を任せよう。


 俺は魂の抜けたような顔をしながら藤野社長に連れられ本殿の中に入っていった。


 簡単にコッチー達のことを紹介する。レベッカのことはやはり少し驚いていたが、Xitterで知れ渡っていることもあって、恐れられることはなかった。


 むしろ、若い女性からはプラーナの使い方を教えて欲しいなどといった声もあり、謎のファンクラブのようになっている。


 その辺の話は後でということで、とりあえずこの地に住まう神様のところへ向かう。


 神様はコノハナサクヤビメらしく、予想通りオオヤマツミ様の娘の神様のようだ。


 だが、俺たちがつく前に襲撃してきたバイクに乗った骸骨のアクマにこの神社も攻撃を受けたらしく、結界を破壊され、サクヤ様は消耗しているらしい。


「こちらだ…。サクヤ様、私たちを助けてくれる人たちがやってきました。」


『どうぞこちらに。初めまして、勇ましき人の子らよ。そして力の匠たる妖精女王に連なるものよ。私は不死の霊山を守りしコノハナサクヤ。サクヤとお呼びください。』


「ふーん、アンタずいぶん消耗してるわね。あの骸骨に結界割られたくらいでそこまでにならないでしょ?守地(もりち)の霊山に何かあったの?父親に相談したら?」


『すでに父と連絡ができないほどプラーナが尽きているのです。何者かが霊山に干渉してきていて、姉ともつながりが切れてしまっていて…。山にも戻れずこの有様です…』


 骸骨が来る前から富士山を押さえつけるような力が働いていて、危険を感じたサクヤ様はお姉さんと分担で対処することにした。


 お姉さんは富士山に残り、力に対して抵抗を、サクヤ様は街にある浅間神社の御神体を使って外部から力を阻害することになった。


 サクヤ様のお姉さんはイワナガヒメ様という女神様らしい。


 サクヤ様が山を下りたと同時に富士山が封じ込められ、戻れなくなってしまった。


 また、戻れないだけでなく、つながっていた山の力も断ち切られ、イワナガヒメ様ともつながりが切れてしまったという。


 残っている力を使って街の浅間神社の御神体をつなぐことはできたが、力を大きく消耗しているところに骸骨に襲撃され、プラーナが枯渇しているのだそうだ。


「ホーリー、アクマデバイスにプラーナは貯蓄されているか?それをサクヤ様に与えることができれば、元気になるかもしれんぞ?」


「あ、そんなことが出来るんですか?そう言えばマーメイドのお姉さんにあげたことがあったっけ?」


「なぬっ!?マーメイドとな!?どこにいたんだ?美人だったか?その上着は服は…ブフッ!」


 興奮し始めた福島さんはミコトの回し蹴りを受けて本殿の入口に向かって転がっていった。


「セクハラ!禁止!」


 大きく両手で×を作ったミコトが福島さんにダメ出しをしていた。


 俺は気を取り直してアクマデバイスを確認。


 まったく使っていなかったプラーナ貯蓄は20万になっていた。まぁ覚えてすらいなかったしね。


 スマホをサクヤ様に向けると、


【貯蓄プラーナをコノハナサクヤビメに譲渡しますか?】


 と表示されるので、Yesをタップ。


 スマホからサクヤ様に向かって優しい光が伸びていく。そして光はサクヤ様に吸い込まれていった。


 しばらくすると、光の流れが止まり消えていった。


 スマホの画面には【プラーナを50,000譲渡しました】と表示されている。


 神様を癒したのにずいぶんと残っているな。アクマとずっと戦ってきたから相当ため込んでいたようだ。


『ありがとう、ホオリ。力が少し戻りました。これで霊山を囲う力を除くことが出来るはずです。お姉様とつながりさえすればこの状況を動かせるでしょう。』


 サクヤ様は目をつぶり両手を広げる。四方から力の波がやってきてつながったような感覚を受ける。


 そして、周囲の空気が清浄化されたように感じた。


「「おお!」」藤野さんをはじめとした製紙工場の人々から歓声が上がる。この感覚は感動するよね。


『恐らく、かの魔人は明日には力を取り戻し、ここにやってくるでしょう。皆で力を合わせ打ち破らねばなりません。』


「魔人というのは?バイクに乗った骸骨のことですか?」


『はい、強き思い故にねじれ、変じてしまったのでしょう。プラーナ・マルガに還してやらねば不憫です。』


「サクヤ様、そう簡単に倒せるのでしょうか?工場のバリケードは一撃で吹き飛ばされ、見張り用に建てたプレハブ小屋も一回の突撃で崩れ落ちました。この神社の結界も破壊されてしまったではないですか?」


 藤野社長が不安そうに声を上げる。


「神の結界を破壊するって、あの骸骨どんだけパワーがあるのよ…。無策だとまずいわね。」


『ホオリよ、お姉様の力を借りてきてくれませんか?私は樹木、お姉様は岩を司ります。お姉様の力なら岩を突き出して馬防柵のような陣を作ることもできましょう。

 いかにかの魔人が強い突破力を持っていようとも、地に足を付けて移動することに変わりありません。足さえ止めてしまえば戦いようはあるのではないでしょうか?』


「将を射んとする者はまず馬を射よ。だね、ホオリくん!」


「確かにバイクで突進してきたからバリケードやプレハブ小屋は破壊されてしまったが、バイクを降りて同じことが出来るとは思えないな。

 ホオリくん、すまないが我々はそこまで戦闘に長けていない。お願いできないだろうか?」


「はい、もちろん俺たちが何とかします。これまでも鬼やらタコやら倒してきましたから!」


『ホオリよ、霊山を押さえつける力は私と御神体の力ではね退けつつあります。霊山ふもとの浅間神社まで行けばお姉様と交信できるはずです。』


「わかりました!みんな、行こう!福島さん、運転お願いします!」


「まかセロリ!」


 いつの間にか戻ってきていた福島さんがナイスガイポーズで応えた。

エンカウント:Lv?? 女神 木花之佐久夜毘売

喋り方だけでキャラ分けするのはとても大変。というか女子高生の喋り方が不明すぎる。

サクヤ様は神話でも美人設定です。


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