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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第29話 駐屯地攻略準備

準備回

複数パーティ用イベント開始です

「ふー!終わったー!」


 大きく伸びをして、地面に寝転ぶ。


「気を抜いてもプラーナは抜くなよ。」


 トウガから指摘が飛んでくる。おっと、そうだった寝ている時ですらプラーナを纏い続けろが教えだった。操鬼闘法の道は遠いな。


「さて、夜も遅いし風呂に入って寝よう。明日からは雷神様や鬼たちを救いに行くしね!」


 ぐったりと寝転んでいるコッチーを抱きかかえて、俺たちは家屋に戻るのだった。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


 翌朝、長崎院長に修練が終わったこと、これから戻ることをDMして下山を開始。


 トウガのことは簡単に説明しているが、実際に会ったときにどんな反応があるか分からない。何せ鬼にしては小柄とは言え、身長2mの(のう)灰色(かいしょく)の鬼の姿だ。表情は穏やかだが、角と牙が生えた鬼の顔だし、筋肉もパワードスーツを着ているとばかりの大きさ。


 しかも、自衛隊駐屯地を破壊したのも鬼なのだから、恐怖を感じない方がおかしいだろう。


 特に自衛隊員の生き残りたちは拒絶反応が強いかもしれない。


 人目のつかないところで、長崎院長はじめ、病院の主要メンバーには詳しく話しておきたいと思う。


 できればヒュギエイア様から執り成してくれないかな。


 そんなことを考えながら、来るとき同様、途中のスーパーやコンビニで食料を回収し病院に戻った。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


 病院の近くまで来た俺たちは、トウガに少し待っていてもらうようお願いし、病院の入口に向かう。


 3階から周囲を見張っている人に声をかけて戻ったことを伝える。向こうからもお帰りーと元気な声が返ってきて、少しした後に若い会社員風の男性が出てきた。


 確か、最初に薬局で少し話した男性だ。徳島さんだったと思う。


「徳島さん、無事修練を終えて戻りました。」


「高屋君、お帰りなさい。色々と話したいことも聞きたいこともある。とりあえず院長のところに言ってもらえるかい?」


 徳島さんと軽く会話をして院内に入る。トウガのことを相談したいので急ぎ院長のもとへと足を運んだ。


「やあ、高屋君。待っていたよ。ヒュギエイア様のところで話そう。」


 院長に連れ立って屋上のヒュギエイア様の元へ向かう。相変わらずヒュギエイア様の近くは空気が澄んでいて気持ちがいい。


 少しだけレベッカから苛立ちを感じたような気がしたが、気にしないことにする。


『勇ましき人の子よ、あなたが運んでくれたモーリュの葉のおかげで3人の命が救われました。改めて感謝を。』


 改まって女神さまにお礼を言われると照れるが、同時に誇らしい気持ちになる。


 今後の鬼退治に向けて話し合うことは沢山あるが、まずはトウガを受け入れてもらう必要があるため、ヒュギエイア様と長崎院長にお願いしてみる。


 長崎院長は戦力の増加は嬉しいが、避難民たちに説明が難しいとうなっている。


 するとヒュギエイア様が提案してくれた。


(わたくし)が院内に人の気持ちを落ち着かせる場を形成します。極力人目につかないよう、避難民には部屋に入ってもらうなどして、人払いした上で、こちらに来ていただきましょう。』


 なるべく人目につかないようにしつつ、もし見られてもヒュギエイア様のフィールドの効果でパニックを起こす人が出ないようにすることが出来るらしい。


 長崎院長はさっそく避難民にしばらく部屋に戻るよう伝えてくれるとのことだ。


 俺は急ぎトウガのところに戻ることにした。


 院外で待っていてくれるトウガにヒュギエイア様の厚意などを伝えた上で、トウガを連れ院内に戻る。


 好奇心が強い何人かの人は、こちらを覗いていたが、特にパニックは起きなかったようだ。


 屋上で今後の作戦会議をすることにする。


 参加者は、

 ヒュギエイア様、長崎院長、俺、コッチー、レベッカ、トウガ、そして俺達がプラーナ操作を教えた病院防衛隊の隊長である徳島さん、自衛隊の三重さん。


 徳島さんは持ち前の覚えの良さとリーダーシップで、プラーナ操作を学んだ人の中では比較的若いが、この数日間、隊長としてアクマ狩りを行っていたらしい。


 三重さんは自衛隊の生存者三名のうち最も階級が高い二等陸尉。比較的冷静な人で、鬼に仲魔を殺されたがトウガに対しては忌避感は薄いらしい。


 暴走されても困るから、冷静な人が上官なのは助かるな。


 こちらの戦力は、俺たちのチームと徳島さんのチーム4名、自衛隊3名+徳島さんと一緒に修行した女性1名のチームの計3チーム。


 相手は100体の鬼とそれを操るクトゥルヒと思われる存在。正直かなり厳しいような気がするが、トウガによるとヒュギエイア様の加護があればなんとかなる可能性が高いらしい。


 鬼たちは操られているが故に、操鬼闘法の本来の力を引き出せず、力押しで襲ってくるようで、攻撃も直線的で読みやすい。


 回避さえできれば問題ないため、俺たち以外のチームは1体ずつ確実にチームで倒していけばいい。


 俺たちはそれぞれ1対1でもそれなりの速度で倒していけると言う。


 徳島さんたちに大量に鬼が行かないようにだけ気を配って戦えとのこと。


 とは言え、俺たちがかなり頑張る必要があるのは間違いない。


 特にボスと思われるクトゥルヒは俺達で倒さなければならない。


 どのタイミングで出てくるか分からないが、恐らく最後に戦うであろうことを考えると、クトゥルヒと戦う前にいかに鬼たちを減らせるかが、他2チームの生存に大きくかかわるだろう。


 今日は最終準備を行って、明日の夜明け前に出発、夜が明けた直後に強襲をかけることになった。


 ヒュギエイア様が今日の夜までには参加者全員にお守りを作ってくれるというのでお願いし、俺たちは参加者全員と顔合わせをすることになった。


 トウガに驚いたり、自衛隊の二人は少しだけ敵意のようなものを向けていたが、一緒に戦う仲間として顔を覚えることが出来た。


 武器は都立大や高校などにあったバットや鉄パイプ、角材、木刀、サバイバルナイフなどだが、人間メンバーは全員が最低限バレットは使える。


 自衛隊チームに入る女性と、徳島さんのチームにいる中年男性が回復術を使えるので、継戦能力もある程度ある。


 防具は剣道の防具やアメフトのプロテクターを改造してそれぞれに渡されていた。


 水やカロリー補充用のチョコバーなどを必要な分だけ持ち、明日に備えることになった。

エンカウント:なし


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