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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第26話 鬼の修練

修行回

アクマが沢山出てきます

 ピコン!


 レベッカのおふざけの後、アクマデバイスから通知が届いた。


【ピクシーはハイピクシーに進化しました】


「レベッカはハイピクシーになったの?」


「ま、そういうことね。妖精としての格が上がったって感じね。火力は相当上がったわよ!」


 無事、強化されたようで何よりだ。しかし、よく見れば顔立ちや、きつめの目じりは変わらないし、何とも言えない残念感は同じく感じる。


 変わったのは、髪の毛の色が赤茶から薄い水色(光が反射するとシルバーに見える)になったこと、髪の長さも少し伸び、内向きにカールしていた毛先は外ハネになっている。


 身長も10cmほど伸びて30cmくらいはありそうだ。瞳の色は変わらずエメラルドグリーンだった。


「少し大きくなったから胸ポケットには入りそうにないね。」


「あら、残念。楽だったのになー。ま、疲れたらホオリの肩に乗るから問題ないわ。」


 中身は全然変わってないな、本当に!


「さて、無事に進化したようだから、修練について説明しよう。」


 トウガが今後の予定を話してくれる。


 修練は今晩から開始。なんでも、夜になると日中には出てこないアクマが多数出現するので、修練には適しているらしい。


 今までは、夜に移動することはなかったから気付かなかった。危険度が増すなら、今後も可能な限り移動は日中にするようにしよう。


 まずは、プラーナを纏っている状態を当たり前の状態にするため、常にプラーナを纏い続けること。


 そして、その状態で戦う。最初はバレット中心の立ち回りで、術を放ってもプラーナが乱れないようにする。


 前衛はトウガが担ってくれるので、安心して術の発動に集中するようにとのことだった。


 次に近接戦闘を行い、同様にプラーナが乱れないようにする。最後に中・近距離戦を相手に合わせて変えながら、どのような状況であってもプラーナを切らさないようにする。


 これらが出来て、ようやく【操鬼闘法】の基礎を修めたことになるらしい。駐屯地にいた鬼たちと基礎レベルでは並ぶんだとか。


 というか、あの鬼たちそんなことをしていたのか。あの時、戦いを挑んでいたら確実に死んでいただろう。


 本気で止めてくれたコッチーとレベッカには感謝だな。


 トウガの見立てでは、風の精霊との戦闘を踏まえて、最初の想定通り3日あれば操鬼闘法の基礎までは行けるだろうということだった。


 長崎院長には、今日から3日間修練し、4日目には戻る予定であることを連絡しておいた。


 夜になるまでは身体を巡るプラーナの流れを感じる基礎トレーニングを行った。ナイン&Jモールでレベッカに教わったときと同じようなことなので、集中力さえ切らさなければ、俺もコッチーも問題ない。


 だが、プラーナの量が増えているためか、以前より力強い流れを自分の中に感じていた。


 夕方までプラーナの流れを感じるトレーニングを行ったが、コッチーも俺もトウガから及第点をもらうことが出来た。


 かなりの時間をプラーナに意識を割いていたから、かなり自然に流れを感じることが出来るようになったよ。


 さて、夕食をすませて、夜の山を歩いていく。街灯なんてものは無いので非常に暗い。


 レベッカがプラーナを光に変えて灯り代わりに照らしてくれる。真っ暗な山道なんて、絶対躓いて転ぶよね。


 家屋から少し離れたところで、トウガがプラーナを弱め、周囲へ放出しないようにすると、どこからともなくアクマ達が現れ、こちらに近づいてくる。


「まずは、飛び道具で戦うのだ。今晩はプラーナが空になるまでやるぞ。決してプラーナを纏うのを怠るでないぞ。」


 さあ、修練開始だ!


 夜は日中に出てこないアクマが多いというのは本当のようで、見たことがない奴らばかりだ。


 妙に背後に回ろうとしてくる、子供くらいの大きさだが頭が大きいアクマ(アクマ・デバイスによればオバリヨン)。少しイカヅチの通りが悪いように感じられるので、俺が主に対処することにする。


 160cmくらいの背丈があるが全身が緑色で頭が少し大きいアクマ(アクマ・デバイスによればモコイ)。こいつはブーメランを持っていて、時々投げて攻撃してくる。攻撃自体はトウガがはじいてくれるので、こちらまでは届かない。


 こいつもイカヅチが効きづらいので、俺がバレットで優先的に倒していく。


 青色の円盤に細い手足がついたアクマ(アクマ・デバイスによればスダマ)は、レベッカがピクシーの時に使っていた衝撃波を飛ばしてきたり、フワフワ移動してこちらの攻撃を回避してくる。


 こいつは、火に弱いみたいだが、コッチーのイカヅチの方が攻撃速度が速いので、コッチーにお任せだ。フワフワしていて狙いづらいんだよね。


 あとは、蝙蝠のような羽に先のとがった細い尻尾、とがった耳とまさに悪魔と言わんばかりの姿をしたアクマ(アクマ・デバイスによればインキュバス)もいた。


 こいつは電撃が弱点らしく、コッチーのイカヅチで簡単に散っていった。たまに針を飛ばしてきて、刺さると一瞬眠くなるという恐ろしい攻撃だったが、レベッカが頭を叩いてすぐに起こしてくれた。


 ちなみにレベッカは気が向いた時だけ、パワーアップした衝撃波でアクマを倒してくれるが、進化したためか、ここで遭遇するアクマでは物足りないようで、時々あくびをしていた。


 全部で数十体は倒しただろうか。俺とコッチーはひたすらバレットやフレイムバレット、イカヅチを打ち続けていたので、体に流れるプラーナがほとんどなくなってしまった。


 これ以上は無理そうだと思ったところで、トウガがここまでにしようと終了を告げた。


 トウガが自身のプラーナを威圧するように周囲に広げるとアクマ達は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。


 俺たちは家屋に戻って、お風呂に入った後、眠りについたのだった。


 翌朝、少しだけ遅く起きた俺たちは、朝の支度を整え、朝食をとった後、本日の修練を始めた。


 ご飯の時には、トウガが不思議な味わいのお茶をまた淹れてくれたよ。


 昨夜、プラーナを身に纏いながら攻撃を打ち続けたおかげか、プラーナを維持するのが楽になった気がする。


 夜にまたアクマ達と実践形式の修練を行うので、日中はプラーナを纏いながらランニングをしたり、筋トレをしたりする。


 コッチーはランニングの後、レベッカやトウガに手伝ってもらい、攻撃をかわす訓練をしている。


 トウガは時々、最初にあった場所で地面に突きを放って力の戻り具合を確認していた。


 俺たちの夜の修練の際に、倒したアクマからトウガもプラーナを吸収しているらしい。戦闘している4人全員に恩恵があるのはありがたい。


 さあ、今日も修練に励んで【操鬼闘法】に一歩でも近づこう。

エンカウント:Lv12 オバリヨン / Lv16 モコイ / Lv17 スダマ / Lv22 インキュバス

ゲームだと時間は関係なく出現しますが、神話や伝記、言い伝えなどだと夜に現れるアクマ達なので、当物語では夜限定で出現することにしています


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