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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第23話 榊鬼

師匠兼パーティメンバー登場

 大学内で大僧正を倒すと、レギオンたちもいなくなっていた。


 無限湧きポイントをつぶすことができたので、一安心といったところ。気を取り直して滝山城跡へ歩を進める。


 少し歩くと右手に滝山城跡と書かれた石碑と滝山公園の案内図があるT字路にたどり着いた。


 ここを右折して山林の方に向かっていけば滝山城跡があるのだろう。


「うう~ん、何とも言えない感じが…。何て言うか、面倒くさそうな感じというか…。」


「何だよそれ。でも、この辺ってアクマが全然いないね。神様がいるのかな?」


 コッチーはフンフンフーンと言わんばかりにご機嫌だ。空気が澄んでいるから気持ちが良いのかな。


 そんなこんなで、山を登ってくとドーンと大きな音とともに地面が揺れた感じがした。


「じ、地震?」


「違うみたいよ。左の林を抜けた方に何かいるわね。」


 俺たちは、山道を逸れて林の中を分け入っていく。すると少し開けた場所に出た。


 その場所には半径3mほどのクレーターが出来ていて、その中心には肌が濃い灰色の鬼が、拳を地面に打ち付けていた。


「そこにおるのは、人か(あやかし)か…」


 シャベッタァァァァァァ!!


「あ、突然お邪魔してすみません。俺、高屋 穂織っていいます。人間です。」


「ほぅ、げに珍しきものよ。こんなところに人間が来るとは。しかも我を恐れず返答するとはな。面白い。

 儂はヤマ様が配下、榊鬼サカキオニが一人、刀牙トウガじゃ。」


「さか、きおに?えーと、トウガさんですね。こんなところで何をされていたんですか?」


 刀牙は失われてしまった力と捕まってしまった友人を助けるために一人で山にこもり修行をしているとのことだった。


 俺たちはケガをした人たちを治療するために【ヘンルーダ】と呼ばれるミカン科の常緑小低木を探していることを伝える。


「恐らく、この先に生えている木のことだろう。だが、今は花を咲かせておらぬぞ?」


「はい、夏に花が咲くことは聞いています。ヒュギエイア様から霊水をもらってきていて、それをかけると花が咲くそうです。」


「ほう、ヒュギエイアか。名から察するに西の女神だな。この近くに降臨されておるのか?」


「少し南東に行ったところにある病院の社に居られますよ。スクナヒコナ様だったかな、に借りているとかなんとか。」


 そんな話をしながら、ヘンルーダの木があるところまで歩いてくる。


「その木の香りは猫が嫌がると聞いているが、その(ほう)は何ともないのだな。」


 コッチーはウニャ?と首をかしげている。コッチーって普通の猫じゃないから大丈夫なのかな?


 ヘンルーダの木に霊水をかけようとした時、刀牙が待ったをかけた。


「ホオリよ。少し待て。おぬしはその葉と華を手に入れ、怪我人を救った後どうするのだ?」


「怪我が治った人たちと協力して、自衛隊駐屯地を占領している鬼たちを倒します。」


「やはりそうか。そんな気がしておった。儂を最初に見たとき若干の恐怖と怒りの感情が現れていたからな。」


 そんなこと分かるものなのか。この鬼は結構すごい人なんだろうか。


「で、それだったら何かあるわけ?やつらがアンタらの眷属とでもいうのかしら?」


「力の匠たる妖精よ、そうであるとも言えるし、そうでないとも言える。」


「かー!面倒くさい言い草ね。だからアンタらみたいな爺は好きじゃないのよ。もっとシンプルに喋りなさいよ!」


「そなたはもう少し落ち着いた方が良さそうだな。」


「チッ。で、何なのよ。眷属なの?どうなの?回答次第によっちゃあアンタは敵ってことでしょ!」


「そうだな。話さねばなるまい。そしてその上で儂の相談に乗ってくれ。」


 トウガは語り始めた。


・トウガとライキはアッシャーの異変を感じ、ライキの配下と共に調査に来た

・駐屯地にいた鬼100体はトウガの友人のライキの部下

・笠取山という多摩川の源流がある山に降り立った後、下山中に何者かに襲われた

・ライキの配下は襲撃者に操られ、ライキは大けがをしたまま捕らえられた

・トウガはその力の大半を失い、その場で気を失った

・意識が戻った後、ライキの気配を辿って多摩川沿いに進んできたが、今のまま敵に相対しても再度敗北するため、ライキの気配が感じられる距離で修練していた

・ライキの気配はかなり弱まっているがまだ死んではいない

・襲撃者のリーダーと思しき強力な存在の気配は感じない

・一人ではライキを助けられないため、手を貸してほしい


「そんなことがあったんですね…。あの鬼たちは操られているのか…。」


「ああ、だが彼らのことは気にしなくていい。我らが倒せばプラーナ・マルガに還り、また必要になればヤマ様のもとに参じるだろう。」


「ライキさんはそうならないんですか?」


「ああ、ライキはあの邪悪な存在にやられた故、存在が消滅する可能性がある。もしくは正しくプラーナ・マルガに還れず、その魂が悪用されるやもしれん。」


「分かりました。俺たちもあの鬼たちを何とかしないといけませんし、トウガさんが一緒に戦ってくれれば心強いです。コッチーとレベッカはどうかな?」


 コッチーは、ナーと鳴いて賛成のようだ。


「手伝うのはいいけれど、今のままで勝てるかしら?」


 レベッカは慎重な姿勢を見せる。


「そうだな、レベッカ殿の言う通り、今の儂らでは勝てないだろう。儂らを倒した敵はいないだろうが、その配下が鬼たちを指揮している可能性が高いしな。」


「その落ち着きよう、何か考えがあるって言うの?」


 ここで、私にいい考えがある。とか言い出したら失敗フラグっぽいな。


「策というほどではないが、当たり前のことをするしかあるまい。」


 トウガの策、そう、それは修行だ!


 トウガが言うには、俺のプラーナ制御はまだまだ甘く、だからこそ伸びしろがあるらしい。


 駐屯地にいた鬼たちのように、プラーナを常に体に纏えるようになれば、肉体の強度は大きく向上し、攻防速すべてがレベルアップする。


 まずは、自然体でもプラーナを纏えるようトウガがレクチャーしてくれるとのこと。コッチーも一緒に修練し、コッチーもプラーナを纏えるようにする。


 レベッカは少し考えた後、風の精霊が集まっているところがないかを聞いていた。


「そうだなぁ。そこまで多くはないがもう少し先に小さな社が建っておって、そこで祈願すれば精霊たちを集めることが出来るやもしれん。」


 風の精霊探しも当てができたのはありがたい。修練の前に探しに行ってみよう。


 なお、プラーナを纏えるようになるには早くても3日はかかるだろうとのことだったので、中の丸跡に建っている建物で数日過ごすことになる。


 幸いにして、布団などはあるそうなので、山籠もりはできそうだった。


 だがまずは人命ということで、ヘンルーダをヒュギエイア様のもとに届けた方が良いだろう。


 話し合いの結果、順番にやっていくことにする。


1.一度戻ってヘンルーダを届ける

2.病院のメンバーにプラーナの扱い方を教える

(自衛隊員が回復したら彼らにも伝えてもらう)

3.滝山城跡に戻ってきて風の精霊探し

4.トウガの修練を受ける


 暗くなる前に、病院に戻ろう。

エンカウント:Lv?? 榊鬼 トウガ

榊鬼は愛知県の村のお祭りに出てくるそうです


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