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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第22話 魔人遭遇

ランダムエンカウント 遭遇イベントです

 朝起きて、支度を整えた俺たちは改めてヒュギエイア様のところに来ている。


 挨拶も早々に、レベッカがいつもの調子で話し出した。


「ちょっとアンタに頼みがあるのよ。正直、私も今の状態だと厳しくてね。ちょっと力を分けてくれない?」


 そんな頼み方があるかよ。相手は女神さまだぞ。と内心冷や汗をかく。


 しかし、ヒュギエイア様はそんなことはまったく気にしない様子で、少し考えているような表情をしている。


『そうですね…、正直申しまして、(わたくし)自身も戦う力はそれほど強くありません。これはニャミニャミ様も同様ですが、ニャミニャミ様が守りの力に秀でているとしたら、(わたくし)は治癒の力ということになります。分けられるとしたら癒しの力になりますが、いかがでしょう?』


「あら、謙虚なうえに気前がいいわね。それで結構よ。ぜひともいただくわ。」


 レベッカは回復の術も使えるし、それがパワーアップするなら俺たちの継続戦闘能力は確実に上がることになる。とてもありがたい話だ。


 ヒュギエイア様から淡い緑色の光がレベッカに降り注ぎ、吸い込まれていく。


 気持ちよさそうに光を浴び、吸収したレベッカは満足そうな笑みを浮かべた。


「ありがと、お礼は言っておくわ。モーリュのことは任せなさい!」


 ヒュギエイア様や長崎院長に挨拶し、俺たちは滝山城跡へ向かう。ヒュギエイア様の領域を抜けるとアクマが襲ってくるから慎重に進まなければ。


 さすがに、駐屯地の鬼たちがここまで攻めてくることはないだろうが、初見のアクマも増えてきているし、油断は禁物だ。


 まずは多摩川を目指して北に向かう。遭遇するアクマは来る時と同様に、ちびドラのアイトワラスや一本だたら。


 こいつらの攻撃パターンはもう分かっているので、苦戦はしない。射程が広めなので、攻撃しづらく、倒すのには少し時間がかかるが、大きなけがもなく、多少ケガをしてもレベッカの回復ですぐに治してもらえるので、余裕がある戦いができた。


 多摩川が見えてきたので、道路を左折し、右手に川を見ながら進む。


 あともう少しで滝山城跡が見えてくるだろうという所で、見慣れないアクマが現れ始めた。


 赤紫の肌をした顔が3つほど合体した、気持ち悪い奴だ(アクマ・デバイスによればレギオン)。あるのは顔だけで首から下は全くない。顔だけが合体して浮いていた。


 3つある顔から「あー」とか「うぅ」とか言葉にならない声を上げていて、見た目も含めてかなり強い不快感がある。


 幸いにして、コッチーのイカヅチが通りやすく、直撃すればかなりのダメージを与えられるため、コッチーを主体にして立ち回れば苦戦はしなかった。


 だが、ヴォヴォルが最後に使ってきたような、嫌な感じがする黒いモヤを飛ばしてくることがあり、そこだけは危険だった。


 さすがにヴォヴォルが使ってきたものより弱いようで、プラーナを纏わせたバットで打つことで散らすことが出来たり、コッチーのイカヅチやレベッカの衝撃波でも相殺できていたので、誰も直撃を受けることなく倒すことが出来ていた。


 レギオンを倒しながら進んでいくと、左手に大学の校舎が見えてきた。どうやらレギオンはそこから出てきているようだ。


 数が多いので、倒しておかないと滝山城跡までついてきそうな感じがする。


「コッチー、レベッカ。数を減らしておいた方が良いような気がするけど、どうかな?」


「というか、あの建物からすっごい嫌な感じがするから、根元から絶たないと無限に出てくる可能性すらあるわよ。」


 コッチーもフーッと毛を逆立たせて不快感を表わしている。


 無限湧きとか絶対にまずい奴なので、レギオンを薙ぎ払いつつ敷地内に踏み込む。


 講堂のようなところが発生源のようだった。


 講堂の中に入ると、ステージ部分で、何やら瑠璃色の法衣を着たガイコツのようなアクマがお経のようなものを唱えつつ、レギオンを生み出していた。


 コッチーが今日一番の極太イカヅチで講堂の中央通路を薙ぎ払う。湧いてくるレギオンをはじけさせながら、ステージのアクマに直撃した。


 アクマは大きくのけぞり、お経がやむ。


『神聖な場を乱す増上慢よ!神たる我をあがめ浄財をささげるのだ!』


 よく分からないが、怒るくらいにはイカヅチが効いたらしい。俺も続いてフレイムバレットを撃ち出す。


 お、炎を嫌がっている!


 コッチーがイカヅチを牽制に切り替えて、アクマの注意を引くような戦い方をしてくれる。


 時々放ってくる、黒や緑、紫が混じった煙はレベッカが衝撃波で散らしてくれる。


 俺はフレイムバレットを放ちつつ、鬼がしていたように体にプラーナを纏うイメージを持ちながら骸骨に接近、バットでけん制しつつ、至近距離で顔めがけて火球をぶつけた。


『ぐおおおおおお!愚かな愚民よ!増上慢よ!!許すまじ!許すまじ!貴様らは儂に金を貢いでおれば良いのだ!!そうすれば救われるというのに!!それがわからぬか!!』


 なにやら最低なことを叫びだした。コイツ、妙に人間っぽいな。すごく俗っぽい。


 とどめを刺そうと更なる攻撃を重ねようとしたとき、骸骨から光の波動のようなものが発せられた。


「な、なにが!?」


 一瞬気を取られて、3人とも動きが止まる。


 しかし何かが起こったようには感じられなかった。


「破邪の光?邪悪な感じなのに破邪の力を使えるの?まぁ私たちには効かないけど。」


 レベッカが冷静に突っ込んだ。


 それを聞いた骸骨はさらに怒りを増したようで、今度は黒い霧のような邪悪な波動を全方位に発した。


 とっさに身体の前で腕をクロスさせて身を守ろうとしたが、俺たちに邪悪な波動が届く前に、ニャミニャミ様にもらったお守りが光を放ち、波動を相殺した。


『ば、馬鹿な…』


 今度は骸骨が唖然としている。このチャンスを逃すまいと、俺とコッチーは全力でフレイムバレットとイカヅチを骸骨に叩き込んだ。


『儂の…儂の野望は…ま…だ…』


 骸骨は最後の言葉を残し、他のアクマと同じように青白い光になって消えていった。


 ピコン!


 スマホを確認すると、アクマ・デバイスから通知が来ていた。


【Extra Encounter:大僧正 人魔結晶を手に入れました】


 あの骸骨は大僧正というのか。よく分からない人魔結晶とやらを手に入れたようだ。


 レベッカにも使い道などが分からないものらしいので、とりあえずアプリに入れておくことにした。

エンカウント:Lv19 レギオン / Lv30 だいそうじょう

今回の大僧正は積極的に攻撃をしてきません。状態異常攻撃がメインだったためLv差があっても勝利できています。


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