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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第21話 女神の依頼

イベント発生回

人命がかかっているので、強くてニューゲームでもスキップしないでクエストクリアをお願いします

『私はヒュギエイア。この社に称えられしスクナヒコナ様のご厚意で、この場を守りしものです。勇ましき人の子よ。よくぞ参られました。』


 身を包んでくれるような柔らかく優しい穏やかな声。聞くだけでリラックスできるような不思議な声だった。


「お、俺は高屋 穂織です。お、お目にかかれて光栄です?」


『フフ、かしこまらなくて大丈夫ですよ。いつも通りに。』


 俺が緊張しながらも、応えようとするとレベッカにさえぎられた。


「それは良いけど、アンタがこの土地を守っているのよね。ちょっと協力して欲しいのよ。」


『力の匠たる妖精女王の末よ。人の子と共にあるとは稀なる(えにし)があろうこと。』


「いいからいいから、そーゆーのは。ここから東にニャミニャミが降りてるわ。アンタたちで協力して、道を作れない?アクマやら例の邪神の眷属やらのせいで、ニンゲンが安全に行き来でないのよ。」


『ニャミニャミ様もいらしているのですね。(わたくし)と同じく守るべき土地に守るべき人がいなくなってしまったのでしょうね。あなたの望みは、この地に集った人の子らの願いでもあります。しかし…』


 ヒュギエイア様は言い淀む。


 詳しく話を聞いてみると、俺たちも遭遇した鬼たちが原因で道をつなぐことが出来ないそうだ。


 奴らが八幡小学校と、ここ長崎病院の間に居座っているため、道をつなごうにも途切れてしまうらしい。


 迂回しようにも、自衛隊駐屯地を全滅させるほどの戦力であるため、道に押し寄せられると守り切れないとのこと。


「つまり、あの鬼たちを何とかしないといけないということなんですね…」


 コッチーもお手上げと言わんばかりに、フシューと妙な鳴き声をあげていた。


 あの数の鬼と対峙するには戦力が足りない。俺たちもまだ力不足だ。


 この病院に避難している人たちに戦闘に長けた人はいないらしい。自衛隊員が数名、駐屯地から脱出して、この病院までたどり着いたらしいが、酷い怪我でまだベッドから起きられないそうだ。


 自衛隊員ならプラーナの使い方さえ学んでくれれば、戦闘技術は高いはずなので心強い戦力になってくれると思うのだが…。


 そう考えていると、長崎院長から頼みたいことがあると話があった。


 自衛隊員の治療だが、現代医療での治療は行っているものの、プラーナの影響なのか、傷の治りが悪いらしい。


 ヒュギエイア様に相談したところ【モーリュ】と呼ばれる薬草があれば、ヒュギエイア様の力を宿した神薬が作れるらしく、日本では【ヘンルーダ】と呼ばれるミカン科の常緑小低木であるらしい。


 それが、多摩川沿いにある滝山城跡に植えられているらしいのだが、アクマがいるため採りに行けないのだそうだ。


 ここまで単独かつ徒歩で移動できる俺ならヘンルーダを採取し戻ってこれるのではないかと考えたらしい。


 こちらとしても鬼を退治するのに自衛隊員という戦力はぜひとも欲しいところなので、この依頼を受けることにした。


 今日はもう暗くなってきているので、病院に泊めてもらい、明日の朝から滝山城跡に向かうことにする。


 ここと連絡が取れるように、XitterでDMを交換し合う。すると、長崎院長は予想通り通話機能が使えるということなので、奈良さんと香川先生のXitterアカウントを伝えることにした。


 奈良さんと香川先生には事前に長崎院長のことを連絡しておき、明日にでもリーダー三者で情報を交換してもらうことになった。


 やはり、食料の問題は気にしているらしく、高尾駅方面にある植物工場の話をすると、希望が少しだけ見えてきたと大変喜んでいた。


 その前に立川駐屯地の鬼を何とかしないとね。


 空いているベッドを借りたので、今日は寝ようと思っていたら、レベッカが何やら悩んでいるような顔をしている。


「レベッカ、どうしたの?考え事?」


 まさか、俺がまた何かやらかしたか?と少し心配になる。


「あー、うん、まぁね。さすがに私も今のままだとちょっとね。」


「ん?何か問題があった?」


「戦力として微妙ってことよ。プラーナの量はそこそこ増えているけど、パワーの方は厳しいのよね。」


「レベッカは戦闘というより、色々アドバイスしてくれたり、交渉してくれたりしているだろう。それだと駄目なの?」


「まぁ、ホオリが頼りないから私の出番は多いんだけど、戦闘に関してはあまり役に立てないでしょ。鬼の大群と戦おうって時に、それじゃぁね。」


 なるほど、確かにレベッカは回復や衝撃の術を使うことはできるが、たくさんの敵を倒したりはできない。


 今までは、明確な戦力不足を感じたことがなかったため、気にならなかったが、確かにレベッカがコッチーと同じようなレベルで戦えると、より強力な敵が現れても対処できる幅が広がるだろう。


「どこかに風の精霊が集まるところがあればあれば良いんだけどね。ま、焦っても仕方がないから、とりあえず明日、あのデカ乳女神にたかってみるわ。」


 酷い言い草だ。ヒュギエイア様は確かにスーパーナイスバディだけど、その言い方はね。


 ちなみに気になっている人が多いかもしれないけど、レベッカの見た目はこんな感じ。


 身長は20cmくらいでの手のひらサイズ。髪は耳を隠すくらいのショートヘアで毛先は内向きにカールしている。髪の色は赤っぽい茶色。瞳はエメラルドグリーンできらめいている。


 少し釣り目気味かな?いつも何とも偉そうな表情と雰囲気を醸し出している。


 スタイルの方は、スレンダーだけどナイスバディという矛盾を当たり前のように体現していて、十分にご立派なものをお持ちだ。


 だが、いかんせん小さいので、あまりセクシーに感じたりはしない。


 バリバリの赤髪白人女性といった感じである。


 対して、ヒュギエイア様は豊穣の女神と言っても差し支えないような容姿だ。金髪で瞳は銀。穏やかな表情をいつもしていて、淡い緑色の光に包まれている。


 時々金色にきらめく白いローブのようなものを纏っている。手には蛇が絡みついたような杯を握られていた。


 医者というより、いわゆる白衣の天使的な感じがする。


 そんなヒュギエイア様と比べたら、ほとんどの女性が自信を無くすんじゃないかな。というか相手は女神さまだし。


 まぁ日本人男子は女神さまに特別なあこがれがあるから勘弁してほしいところだ。


 ともあれ、明日はヘンルーダを探しに行かなければ。俺はいつも通りコッチーに温められながら眠りについた。

エンカウント:Lv?? 女神 ヒュギエイア

容姿に言及するとルッキズムと批判を浴びそう


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