表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/154

第20話 健康と衛生の女神

高校1年男子なんてよほどモテ男でもない限り女心は分からないと思うんです。

「何か二人とも機嫌悪くない?」


 コッチーはツーンと言わんばかりに俺の言葉を無視する。


 レベッカはジトーっとした目で俺を見るばかりだ。


「えっ、いや、本当に何なのさ?俺、何かした?」


 レベッカは、はーっと大きくため息をつく


「ホント、男って奴は…。ちょっと美人に愛想を振りまかれたからって鼻の下伸ばしちゃってさ。」


「えっ?何?どいうこと?」


「ホント鈍感ね。マーメイドにデレデレしてたでしょ。気持ち悪っ!」


 マーメイドへの対応が気に食わなかったみたいだ。確かに美人だったし、上半身も目のやり場に困るような感じだったし、ドキドキしたけどさ。男なんだから仕方がないじゃないか!


「気持ち悪いって…ひどいな…」


 コッチーのことを抱き上げようとしたが、スルリと逃げられてしまった。ご機嫌斜めの時は触らせてくれないんだよな…。


 女性を扱う経験なんてない俺には何もすることが出来ず、二人の怒りが収まるのを待つことにして、次の目的地である都立大キャンパスに向かう。


 多摩川を越えてからは、しっぽの先が炎になっている小さいドラゴン(アクマ・デバイスによればアイトワラス)や一本足の2mくらい背丈がある人型アクマ(アクマ・デバイスによれば一本だたら)と遭遇するようになった。


 こいつらは、炎に耐性があるらしく、フレイムバレットの効果が薄い。ちびドラゴンにいたっては完全に無効化されていた。


 幸いコッチーのイカヅチやバレットは普通にダメージが通るので、何とかなっているが特攻属性というわけではないので、倒すのに時間がかかる。


 ちびドラゴンは火の玉を飛ばしてくるし、一本足は手に持っている棍での薙ぎ払いは攻撃範囲が広く、さらにプラーナによる衝撃波も発生するので、立ち位置によっては全員が回避行動をとらざるを得なくなる。


 日に日に強力なアクマが増えているように感じた。


 ちびドラには炎が効かないので、プラーナを水に変化させてぶつけてみたが嫌がらせ程度にしかならなかった。


 ピアレイが吐き出してきた吹雪のような攻撃が出来れば効果はありそうだが、氷は作れても吹雪を作ることにイメージがつかめず有効な攻撃手段にはなっていない。


 レベッカも吹雪系の術は使えないそうなので、そのうち話を聞けるアクマがいたら教えてもらってもいいかもしれない。


 もしくは、どこかの避難所で特異な人がいるかもしれないし、今は焦って新たな攻撃手段を生み出すのはあきらめた。


 そうこうしている間に、ようやく都立大の近くまでやってきた。キャンパスまであと10分くらいのところまで来たとき、レベッカが何かを感じ取ったらしい。


「このまま真っすぐじゃなくて、右に行った方が良さそうね。強い力を感じるわ。」


「ん?キャンパスじゃなくて右側?病院の方かな?」


「ホオリは感じない?」


 レベッカに言われた方に意識を集中してみる。確かに何か、大きな力のようなものを感じる。


「これは…神の気配みたいね。」


「神というと、ニャミニャミ様みたいな?」


 レベッカは浅く頷き、病院の方を見つめていた。


 コッチーも病院の方に何かを感じるようなので、都立大キャンパスではなく病院の方に先に行ってみることにした。


 病院の入口近くには自衛隊の軽装甲車が停まっている。自衛隊駐屯地から来たものかもしれない。周囲の道路には車が沢山停められていて、バリケードのようになっていた。


 建物の窓からこちらをうかがっている視線を感じたので、上を見てみる。


 すると見張りなのだろうか、3階の窓からこちらをうかがっている人が見えた。


 俺は手を振りながら、おーいと叫んでみる。


 向こうも手を振り返してくれた。


「人間ですかーーー!?」


 見張りの人が声を張り上げるんので、こちらも返答する。


「はい!そうです!ここから東にある避難所から来ました!中に入れてもらうことはできますか!?」


 少し待つように言われたので、自動車のバリケードを越えずに待つことにした。


 待つついでに、少し早いが夕食をとってしまうことにする。コッチーにカリカリをあげ、レベッカにはチョコレートを渡す。


 俺は、コンビニからもらってきた真空パックのサラダチキンや固形食を食べる。


 さっと食べ終わるころに、病院から鉄パイプを持った男性が数人出てきて、声をかけてきた。


「君一人かい?どこからどうやってここまで来たんだ?」


「俺と、相棒のコッチー、協力してくれいているピクシーのレベッカの3人で来ました。武蔵野市にあるナイン&Jモールから、八幡小学校を経由してここまで来ました。」


 レベッカを見てざわつく男たち。


「あー、レベッカは人を襲いません。色んな事を教えてくれていますし、彼女がいなければ俺はとっくに死んでいました。いきなり信用しろとは言えませんが、話を聞いてもらえませんか?」


「分かった。だがこちらにもケガ人がいるんだ。病院の中にいきなり入れるわけにはいかない。向かいにある薬局の中でもいいか?」


「はい、もちろんです。よろしくお願いします。」


 俺たちは薬局に入り、待合用のベンチに座りながら、これまでのことや、高尾駅の方にある植物工場を確認しに向かっていることを説明。


 リーダーのようなことをしている人はXitterの通話機能が使えるはずなので、奈良さんや香川先生と通話して情報交換を行って欲しいことを伝えた。


 また、近くに神様がいないか聞いてみたところ、少し悩んだ様子で男性二人が顔を合わせ、どうしようかという顔をしている。


「正直判断がつかないので、院長に相談させて欲しい。ついでに病院の中に入れていいか確認してくるよ。」


 そういって、一人の男性が病院の中に戻っていった。


 残った一人は少し若い会社員という感じで、気さくに話しかけてきた。


「ここまで一人、おっと三人だったか。三人でアクマ達を倒してここまで来るなんて、どんな力を持っているんだい?自衛隊だってひどい目にあったってのに、信じられないよ。」


「コッチーがいなければ、最初に日にスライムに殺されていました。あとレベッカがプラーナの使い方を教えてくれたから、ここまで戦えるようなったんです。」


 そんな話をしていると、先ほど確認に行った男性が戻ってきて、病院の中に入っていいということになった。


 リーダーをしている長崎院長という人と話してほしいそうだ。


 男性に連れられ病院の中に入る。1Fのエントランスこそ人はいなかったが、奥の方や上の階にはたくさんの人が避難しているそうだ。


 エレベーターで4Fに上がり、そこで長崎院長と会う。簡単にあいさつした後、院長は屋上についてきて欲しいということで、みんなで階段を上がり屋上に向かった。


 屋上には、小さな鳥居と拝殿があり、その前で淡い緑色の光に包まれた美しい女性が座っていた。


 俺がうっかり見惚れていると、「チッ」という声が聞こえた気がした。

エンカウント:Lv17 アイトワラス / Lv17 イッポンダタラ / Lv?? 女神 ヒュギエイア

皆さんの女神さまのイメージはどんなでしょうか?

最近だと青髪の駄女神さまをイメージされる方が多いのかな?

筆者はオッサンなので、女神3姉妹が真っ先に浮かびます。


ぜひとも★評価・いいね・感想をお願いします!励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ