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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第18話 アクマデバイス

便利ツール登場

用法容量を守ってお使いください

 高尾駅に向かって3人で歩く。散発的にアクマとの戦闘はあるが、密集地帯は無いようで、集団に襲われたり連戦になることもないため、コッチーとの連携で特に問題なく進めている。


 根っこが子供くらいの人型で、頭に花を咲かせたアクマは、コッチーの使うイカヅチのような電撃を放ってくることもあったが、コッチーが完璧に相殺してくれる間に俺がフレイムバレットで倒すことが出来た。


 見た目通り火に弱いので苦戦はない。


 1時間ほど歩くと、大きな公園が見えてきた。小金井公園だろう。


 確か、総合体育館や銭湯などもあり、かなりの広さがあったと思う。もしかしたら人がいるかもしれないと思い、体育館を見に行ったが、人が避難している形跡はなかった。


 木や草が多いからか、以前、宮城さんたちと戦った木霊ばかりがうろついていた。公園の奥に行くと大量に居そうだったので、不可避な戦闘だけこなし、早々に西へ向かう道路に戻った。


 2時間くらいにしに歩けば自衛隊の駐屯地があったはず。自衛隊という、災害救助・戦闘のプロがいる場所ならばアクマにも対抗できているのではないか。


 そんな期待を胸にしばらく歩いていると、宮城さんからDMが来た。


「何かあったのかな?モールに何かあったら奈良さんから連絡が来ると思うから、アクマの写真を全然遅れていないことの催促かな?」


 そんなことを独り言ちながらDMを確認。


 そこには、テンション高めな文章が並んでいた。


『勝手にインストールされていた新しいアプリを見たかい!?こいつがまたヤバイやつなんだ。もしまだ見えていなかったらすぐに確認してくれ!』


(アプリ?勝手にインストールってどういうことだ?)


 不思議に思いないがらも、アプリの一覧を確認すると、見たことがない【アクマ・デバイス】というアプリがインストールされていた。


 いきなり開いても怖いので、設定画面からアプリの情報を確認。インストールされたのは、1時間ほど前だった。発行者は【AIAN】となっていて聞いたことがない。


「ちょっとホオリ、どうしたのよー」


 レベッカが声をかけてくるので、簡単に説明し、近くにあったファミレスに入り座って確認することにした。


 ファミレスは特に荒れた様子はなかったが、当然人は誰もいなかった。


 俺はとりあえずアプリを起動してみる。


 すると、長い白いひげを生やした老人が登場し、喋りだした。


『アクマ・デバイスにようこそ。待っておったぞ。ここでは遭遇したアクマの情報を見たり、アクマ同士を合成したり、プラーナを貯蓄することが出来るぞ。』


 その言葉の後に、メニューのようなものが表示された。


 ・アクマ合成

 ・アクマ図鑑

 ・プラーナ貯蔵

 ・使い方

 ・設定


 とりあえず、【使い方】をタップしてみた。それぞれの使い方はこのような感じだった。


・アクマ合成にはアクマが2体以上必要

 アクマは弱らせた状態でアプリに吸収させるか、会話によって力の結晶を得ることで確保できる

 生み出したアクマはあなたの思い通りに行動させることができるだろう

・遭遇したアクマは自動的にアプリに登録される。吸収したり結晶を得ることができれば、より多くの情報を得ることが出来る

・アクマを倒した際に自身で吸収しきれなかったプラーナの一部を自動的に貯めておくことが出来る

 貯めたプラーナの使い道は自分で探してみよう


「アクマを弱らせて吸収する?力の結晶を得る?何だか驚きの方が強いよ…。」


「これ、ヤバい雰囲気醸し出しているわねぇ。絶対にニンゲンが作ったものじゃないでしょ。

 でもプラーナの貯蓄は良いわね。アクマとの交渉材料になると思うわ。あと、ニャミニャミにもらった力の結晶はここに収納できるんじゃない?」


 バックパックに入れておいたニャミニャミ様の力の結晶をアプリに近づけてみる。


『収納しますか?』というメッセージが表示されたので、【はい】を選んでみた。すると、力の結晶はアプリにスッと吸い込まれていき、プラーナ貯蔵を開くと、

・水龍神の力の結晶×1

 という表記が追加されていた。


 プラーナの貯蔵量は0である。


「話の通じそうなアクマに出会ったら、話しかけてみてもいいかな?」


「まぁ物は試しだし、やってみましょ。」


 ナーとコッチーも鳴いて同意を示してくれた。


 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


 レストランを出て、10分ほど歩いたところで、スイカのような模様のブタ?イノシシ?のようなアクマに遭遇した。


 俺が話しかけてみようとしたところ…


「あーー!!アンタ!!よくも私を閉じ込めてくれたわね!!バッラバラにしてあげるわ!!」


 とレベッカが怒声を上げた。


 え?え?と戸惑っているうちに、スイカ柄のイノシシが怒りを表し突進してくる。


『チョトンダー!!』


「うっうわっ!」


 俺は慌てて右に転がり突進を回避。あれは喋ったといえるのか?鳴き声なのか?


 そんなことを考えているうちに、イノシシはこちらを向き直し再度突進の体制になる。


「ホオリ!コッチー!やっておしまいなさい!!」


(こらっ!勝手に喧嘩売るなよ!)


 と内心愚痴りながら戦闘態勢をとる。


 コッチーはさっそく先制のイカヅチを放っていた


『ンダーーーー!!』


 イノシシが妙な叫び声をあげる。もう倒すしかない!


 俺はプラーナを纏わせたバットでイノシシの足を殴打。いったん距離を取る間にコッチーのイカヅチが再度イノシシを襲う。俺は再度接近して、唐竹割の要領でイノシシの頭を強打した。


『チョト……ンダー……』


 間抜けな鳴き声をあげて、イノシシは青白い光となって霧散した。


「おい、レベッカ。お前が閉じ込められていたところとはかなり離れているだろ?別の個体じゃないのか?」


「そうかもね。でもあのブタの同族が私を閉じ込めたことに変わりはないわ。連帯責任よ!」


「相変わらず不条理なやつだなぁ。せっかく会話してみようと思ったのに。」


「あんなブタなんて要らないわ。もっと強そうなやつか便利そうなやつにしなさい。」


 内心ため息をつきつつ、レベッカに何を言っても無駄だろうと諦めて先に進むことにした。


 同じイノシシとは数回戦ったが、レベッカが必ず先生で怒りを向けるため、結局会話することは叶わなかった。


 さて、あと1時間も歩けば自衛隊駐屯地に着くはずだ。

エンカウント:Lv6 マンドレイク / Lv6 木霊 / Lv9 チョトンダ

チョトンダはマスコットキャラになれずでした。


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