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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第16話 八幡小学校

ようやく2つ目の避難所に到着

 八幡神社を横目に見ながら、小学校に到着。校門はスライド式の柵で閉まっている。


 手をかけて開けようとしたが、想像通り鍵がかかっているようだ。乗り越えようと思えば乗り越えられるが、あらぬ誤解を生むかもしれない。


「どうする?飛び越えていく?」


「いや、確かインターホンがあった気がするから、まずはそこで話ができるか確認してみるよ。」


 門にはカメラ付きのインターホンが設置されており、まだ機能していれば中の人と話ができるはず。


 俺はインターホンを鳴らし、カメラに自分が写るような位置に立って少し待つ。反応がない…。少し不安になりつつも、もう一度インターホンを鳴らす。


 待っているだけというのは、時間が長く感じるといわれるが、本当にそう思う。インターホンを押してから何分経ったか、30秒くらいしか経っていないのか。


「なによ、反応ないじゃない。イライラするわね!もう入っちゃいましょ!!」


 ニャーニャーと言いながらコッチーがジャンプしてレベッカを口にくわえる。待てと言っているようだ。


 見た目は大人の女性のレベッカより、コッチーの方が我慢強いってどうなの?


 レベッカがわーぎゃーと騒いでくれたおかげか、インターホンの奥から声が聞こえた。


『えっ、あのっ、人間ですか?』


「あ、はい。人間です。東側にあるナイン&Jモールから来ました。こちらに避難している人がいるんじゃないかと思って。」


『せ、先生どうしましょう!これ明けても大丈夫なんですか?あの怪物たちが化けてるとか、わ、わかんないです!!』


 インターホンの向こう側が騒がしい。まぁいきなり人が来たら怪しむよな。今まではニャミニャミ様のおかげでアクマも人間も近づけなかっただろうし。


「ニャミニャミ様はわかりますか?神社川にいて、この辺を守ってくれている神様なんですが?」


『ニャミニャミ様をご存じですか?話されましたか?』


「はい、ニャミニャミ様と話して川を渡らせてもらったんです。」


『わかりました。門の鍵を開けますので、開いたら中に入ってください。入ったら必ず門を閉じてくださいね。』


「ありがとうございます。」


 ウィーンと電子音が鳴り開錠される。まだ、やいのやいのやりあっているコッチーとレベッカに声をかけ、門をくぐる。門はちゃんと閉め直した。閉めた後に再度ウィーンと電子音が鳴り門がロックされた。


 いきなりレベッカを見たら混乱するかと思い、レベッカには胸ポケットに入ってもらった。


 昇降口の方に進むと、角材のようなものを持った数人の男性がこちらをうかがっている。


 敵意がないことを示すために、両手を上げて「こんにちはー」と声をかけながら近づいていく。


「入れてくれてありがとうございます。俺は「高屋 穂織」です。一緒にいるのは猫のコッチー。ナイン&Jモールから来ました。」


 待っていた男性の真ん中にいた年配の男性が声を発する。


「私は教頭の香川です。モールにも生きている人がいるのですか?詳しい話を聞きたいので、中にどうぞ。」


 教頭先生が校長室に案内してくれる。途中、各教室からこちらを覗く子供や大人の顔が見えた。そこそこ人が集まっているようだ。


 校長室で香川教頭先生と相対する。さて、何から話そうか。すると香川先生から質問をしてきてくれた。


・モールには何人くらいの人が避難しているのか。

・食料などは十分にあるのか

・ここまでどうやって来たのか

・ほかの場所がどうなっているか知っているか


 それぞれ、順に答えていく。


・モールには70人くらいが避難中

・食料はスーパーやフードコートの食材があるため、今は大丈夫であること

・ここまでは、アクマを倒しながら歩いてきたこと

・ほかの場所がどうなっているかは分からないが、近隣の住宅には人は全くいないであろうこと


 反対に、

・学校には何人くらいが避難しているか

・今後について、モールのリーダーである奈良さんと連絡を取ってほしいこと

 を話した。


 学校には40人ほどが避難しているが、食料は給食室に備蓄されていた冷凍食材と、ごく近い家にあったものをかき集めた分しかないため、非常に厳しいとのことだった。


 生活必需品や寝具もあまりないので、生活するには非常につらい環境らしい。


「とりあえず、神社川まではアクマは出ません。ニャミニャミ様が守ってくれていますから。希望者がいるなら、近くの住宅やコンビニなどから食料を集めてくるついでに、プラーナ使い方を教えますよ。」


 戦える人が増えれば移動範囲も広がるはず。当然、危険も増えるわけだが、モールとの間を行き来できれば生活も改善するだろう。


「あと、驚かないでほしいのですが、一人紹介したい人?がいます。」


 レベッカにポケットから出てもらう。


「こちらはピクシーのレベッカです。人間に協力してくれているんです。」


 香川先生は驚きつつも、深呼吸を数回したのち、レベッカに丁寧に名乗り、挨拶をしてくれた。


 奈良さんもそうだったが、リーダーをしている人は肝が据わっている。


 レベッカはいつもの女王様ムーブはせず、挨拶だけにとどめていた。珍しいな。ひざまづけとか言われても困るけどさ。


 その後、奈良さんとDMのやり取りをできるようにし、避難者たちに紹介してもらった。


 小学2年生くらいの男の子と女の子が話しかけてくる。


「ニャミニャミ様にあったの?ニャミニャミ様元気だった?」


「ああ、困っていたからお兄ちゃんが手伝ってあげたら元気になったよ。君たちのことを心配していたよ。」


 ニャミニャミ様のことを伝えると喜んで、明日にでも母親に頼んで会いに行くと言っていた。


 挨拶が済んだあと、簡単に昼食をとり、今後のことを数人の大人たちと話し合うことになった。

エンカウント:なし


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