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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第143話 魔神襲来

コッチーのイカヅチによりクレーター状に陥没した地面の中心に倒れるヴォルディア。だがホオリ達はその内から発せられるプラーナがあまり減っていないことに気付いていた。


『おい、こんな程度で終わるような奴じゃないことは分かっているんだ。さっさと起きてこい。それとも追撃がお望みか?』


「プラーナが減ってないことは分かってんのよ。油断を誘おうなんてケチなことしてんじゃないわよ。」


ホオリとレベッカの声を聞いてなのか、ゆっくりと体を起こすヴォルディア。その目にはいまだに余裕が残っているようだった。


『忌々しい人間どもめ。まさかここまでやるとはな。あの愉快犯が妙に気にかけている国だと思えば…。だが儂は倒せん。お前たちはここで死ね。』


ヴォルディアは両手で空をつかむように伸ばし、何かブツブツと唱え始めた。すると、まだ戦っていたクトゥルヒやアクマ達が霧のように霧散し、ヴォルディアに吸収されていく。倒され地面にシミとなっていた部分からも何かが流れているようだ。


『そげにやらせるほど甘いこたぁないでよ!』


ニャニャニャ!


ヤチホとコッチーが力を集めているだろうヴォルディアに対し攻撃を仕掛ける。しかし、何か強い力場のようなものが発生しているのか、コッチーのイカヅチは逸らされ、ヤチホの爪撃は弾かれる。


「アイツ…マルガからも力を引き出しているわ!どうにかしないと!」


『水穿破!』


レベッカの焦りを帯びた忠告を聞き、ミコトが水穿破を放つ。水流レーザーが力場を押し込むが貫ききれない。


『くっ、断つイメージが…』


ホオリは棍を握りしめながら、大切断で力場を斬り裂こうと意識を集中するも、断てるイメージがわかずに仕掛けられずにいる。


「集めているのも、防いでいるのもプラーナなら・・・・・・崩魔!!」


しかし何も起こらず、ミコトの水穿破も力場を破れぬまま尽きてしまった。


「くぅ、私の制御じゃまだ使いこなせないって言うの…」


悔しそうに、羽を震わせるレベッカ。誰もが何もできずに見守るしかない中、ヴォルディアが空に伸ばしていた両腕を下ろす。そして震え始めた。


『グゥオオオオオオガアアッァァァァッッ!!!!』


恐ろしいまでに巨大な咆哮と共に突風を巻き起こし、ホオリ達を襲う。何とか踏みとどまったホオリ達であったが、遠くにいたはずの都心攻略部隊の面々は吹き飛ばされたものもおり、周囲にはホオリ達しか残っていなかった。


そして、目を開けるとそこには10mほどまでに巨大化したヴォルディアが立っていた。


『なんじゃ…デカく…バケモンど…』


みな唖然とヴォルディアを見上げる中、カイトのつぶやきが風に乗って消えていった。


ヴォルディアはニヤッと笑うと、ホオリを踏みつぶそうと足を上げる。その振り下ろされる足をとっさに転がりながら回避するホオリ。単純な質量差だけも大きなダメージを受けるであろうことが分かる。


『みんな!止まっていたらダメだ!動き回って狙いを付けられないように!』


それぞれがホオリの声に反応して動き始める。コッチーがイカヅチを、レベッカが爆裂風弾を放ちながら戦場を駆け、飛ぶ。


それを薙ぎ払うように残った触手を振り回すヴォルディア。広範囲を攻撃する薙ぎ払いによりかき消される攻撃。触手をすり抜けて本体に着弾する攻撃もわずかな傷をつけるのみで、その傷もあっという間にふさがってしまう。


『さ、再生の能力…なのか?』


「プラーナの質量がけた違いすぎるわ!この程度の攻撃じゃ牽制にもならない!!」


『でもプラーナを溜める余裕もないよ!』


さすがのミコトも弱音を吐く。だが、体が大きいということはそれだけで強いということにもなる。巨大な敵を倒す常套手段として口から体内に入って攻撃するというのが物語のセオリーだが、職種によって口がどこにあるのかよく分からない。そもそも再生する敵の体内に入って無事に出られるとは思えない。


ヤチホが膝や膝裏を集中的に攻撃し始める。痛打は与えていないようだが、ヴォルディアは嫌がっているようでヤチホに攻撃を集中し始めた。ホオリはその隙に両手を地面につき、ヴォルディアの下半身を覆わんばかりの土槍を発生させる。表皮を貫く槍もあったが、あまり深くは刺さらない。だが、そこから更に木の根を伸ばし体内へ深く差し込もうとする。刺さらなかった土槍も硬化させてヴォルディアの動きを封じるようとする。


土槍で稼いだ少しの時間でミコトは両手を合わせて水穿破を放ち、触手を1本貫き切り離す。すかさずコッチーが白熱火球で切り口を焼く。だが、デミ=ヒュドラと違い、完全に再生を阻害できるわけではないようで、焼かれた傷口も少しずつ盛り上がり再生しようとしているように見える。


痛みもあってか暴れまわるヴォルディアを拘束できず、土槍は全て砕かれ木縛もすべて抜けてしまった。自由になったヴォルディアは人の頭ほどもある水弾の雨を降らせ始める。


『みんな集まれ!!・・・大!岩山!壁!!』


大きな傘のような岩を発生させて水弾を防ぐ。レベッカも障壁を展開し岩壁を補強する。だが、あまりの水弾の量と重みで障壁と岩壁が押される。


『コッチー手伝って!』


ミコトがコッチーと協力して、ただの水に戻った水弾を蒸発させ霧を作り、操る。ヴォルディアの視界を遮り、その隙に全員が水弾の攻撃範囲から離れることに成功した。


『あんげな化け物どげんしたらよかやっど!?』


カイトが焦り吠える。


『一点集中攻撃でもやってみますか』


ヤチホの提案にうなずく面々。コッチーが背後から雷身&雷爪で横腹付近を斬り裂く。更に振り向きながらイカヅチで同じ場所を攻撃。イカヅチが着弾すると同時に人の背丈ほどもある風が渦巻く槍をレベッカが放つ。追いかけるようにホオリ・ミコト・カイトのバレットが飛ぶ。すべてが着弾しヴォルディアの横腹が大きくえぐられると、そこに向かって両手を合わせて爪を穂先のようにしたヤチホが体を回転させながら突っ込んだ。手首までめり込み、ヴォルディアの肉をミキサーにかけたように破ったが、急速な肉の再生に阻まれて飛び退く。


『再生が早すぎる!』


「まだまだ連続で行くわよ!!」


レベッカとコッチーが更なる追撃を行うが、ヴォルディアが両手を強く叩き合わせ衝撃波を生み出し、攻撃ごと吹き飛ばされた。


『コッチー!!レベッカ!!』

エンカウント:Lv99 魔神ヴォルディア


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