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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第13話 ニャミニャミ様

にゃみにゃみ 猫っぽいが猫じゃない

 本日はついにナイン&Jモールを旅立つ日。世界が崩壊したあの日から、ちょうど一週間になる。あっという間の一週間だったと思う。


 奈良さんが避難者をまとめ上げてくれたおかげで、避難生活とは思えないほど快適な日々だったと思う。店員さんも家族が心配だっただろうに、事務仕事や炊き出しをしてくれた。


 宮城さん、福島さん、秋田さんとは戦友のような関係になれたと思う。


 福島さんといえば、いろいろと便利なものを作ってくれた。収納力抜群で対刃性に優れた素材を部分部分に張り付けられたバックパック、物を取り出しやすいポケットが複数付いたベスト。こちらにも対刃性が向上している。


 そして、宮城さんの命を救った金属盾。革や金属を張り合わせて、重さはさほど変わらずに防御力がアップしている。


 救急キットや保存食もバックパックに詰め込んだ。


 武器は手になじんだ金属バットを引き続き使う。宮城さんは大振りになって隙が大きくなっていたが、プラーナを取り込むことによって腕力が上がっている俺にとっては使いやすい武器になってきている。フルスイングした時の攻撃力も魅力だしね。


 準備も整ったので出発するとしよう。


 奈良さんをはじめ、宮城さんや福島さん、秋田さん、石川先生や受付のお姉さん、猫好きの店員さんなどお世話になった人たちに挨拶を終え、西側にある八幡小学校に向かう。


 奈良さんにはタイミングがあれば戻ってくるよう言われた。俺が使っていた宿泊スペースは残しておいてくれるとのこと。本当にありがたい。


 後ろ髪惹かれる思いはあるが、俺は前へ進みだす。まだまだ生き残っている人々がいるはず。そして、世界に何が起こっているのか調べてみよう。


 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


 レベッカが嫌な感じがするという川まで来ることができた。途中で、何度かアクマと戦闘にはなったが、レベッカの手を借りることなく、コッチーの牽制からの俺の一撃で危なげなく戦えている。スライムなんかは、よほど避けられない場合以外は走って逃げきれるので、戦うことすらしなかった。


 さて、この小川だが、「神社川」というらしい。そういえば、小学校の隣には神社があったと思う。神社とその名前を冠した河川、小学校、パワースポットっぽい感じがする。


「レベッカ、何が嫌な感じなのかわかりそう?」


「う~ん、何とも言えないのよね。この辺って確実に土地を守る力が残っているの。でも、この川には嫌な感じが混ざっているわ。神の力と邪の力がそれぞれうねっていて、とっても気分が悪くなる。何かがいるのは間違いないわね。」


 そんな話をしながら、川に近づいていく。するとコッチーが川の下流の方に向かって威嚇するような動きを見せた。


「コッチー、何か来るのか!?」


 シャッとコッチーが声を上げ細いイカヅチを放つ。川から何かが盛り上がりイカヅチをはじいた。


 水草なのか藻なのか、それとも長い毛のようなものなのか、深緑色の何かを纏ったような180cmほどの人型のアクマが川から上がってきた。よく見ると顔が逆さまについていて非常に気持ちが悪い。


「レベッカ!こいつらが嫌な感じの正体か!?」


「そうみたいね!相手はやる気よ!」


 コッチーが太いイカヅチを放つ!俺も同時に飛び出し、残りの2体に向かってバレットを数発発射し牽制しながら距離を詰める。デカイ相手に突っ込むのは勇気がいるが、コッチーのイカヅチも通りがそこまでよくない感じがするので俺が火力を出した方がよさそうだ。


 バレットを受けて態勢を崩した1体に向かって、プラーナを纏わせたバットを叩き込む。殴った感触から一撃では決まらないと思った俺は、細かに数打打ち込んだ。


 反撃に腕を振るってくるのを避け、距離を取ると同時に火球をぶつけてみた。


 グオオオ…と叫び声をあげて1体目が青白い光に変わる。水から出てきた割には火に弱いのか?


 一瞬考えた隙に、残りの一体が雪交じりの風を吹きかけてきた。思わず盾で受ける。範囲が広いため、盾で防ぎきれなかった部分がとてつもなく冷たい!


 俺は右に転がって雪の息吹を避ける。牽制になればと思い手早く生成した火球を投げつける。威力も命中精度も度外視だ。


 何とか身体を起こして再度接近する。駄目だ、冷たさで足の動きが悪い!攻めきれない!


 次の瞬間、何本もの細いイカヅチがアクマに命中。コッチーの援護射撃だ!


 その隙をついて俺はバットで殴り倒した。ようやくアクマは青白い光になって霧散した。


 コッチーの方を見ると、どうやらコッチーが戦っていた1体はイカヅチで押し切ったらしく、すでに姿は見えない。コッチーがテッテッテとこちらに近づいてきた。


「コッチーありがとう。助かったよ。」


 コッチーを撫でまわす。本当に頼りになる相棒だ。


「あんまり気を抜きすぎないようにね。一応、追加は来ないみたいだけど、今度は上流から別の奴がお出ましよ。」


 レベッカに言われ、川の上流を見る。そこにはボンヤリとした光をまとった不思議なアクマが浮かんでいた。


 魚に蛇のような長い体がくっついているような不思議な外見をしている。体は下向きの三角錐のような形でとぐろを巻いている。つぶらな瞳をしているからか、キモカワなゆるキャラみたいな見た目のアクマだった。


『ニンゲンにしては強きプラーナを纏う子よ。ピアレイと戦えるそなたに頼みたいことがある。

 我は龍の末たる川の守り手。下流にはびこるピアレイどもを残らず倒してくれないか。』


「しゃ、喋った…。」


「私だって喋るんだから、喋るアクマがいるに決まっているじゃない。コッチーだってホオリの言葉を理解しているでしょ。

 で、龍神のアンタが自分でやればいいじゃないのよ。なんでわざわざ脆弱なニンゲンなんかに頼むワケ?」


『プラーナの匠たる妖精よ。我はこの先におる人の子らを守らねばならぬ。我がここを離れればピアレイどもだけでなく、地に這いし野槌ノヅチどもも暴れ始めるだろう。

 よって我はここを動けぬ。だがこのままでは、人の子らは外に出られぬ。食べる物がなくなれば弱い子らから死んでしまう。』


「わかりました。あなたが守ってくれている人たちに俺も会いに来たんです。あのアクマ達を退治してきます。」


『人の子よ、感謝する。これを持って行くがよい。必ずそなたを守ってくれるだろう』


 龍神から薄く光るお守りのようなものをもらった。ひもがついているので首から下げる。神からもらったお守りなら効果はありそうだ。


 龍神と別れ、下流に向かって歩き出す。


「レベッカ、龍神の話は本当だと思う?罠の可能性はあるかな?」


「アイツ、たぶんニャミニャミね。そこまで強い神じゃないけど、悪い奴じゃないわ。弱いものを守る真面目なやつだったはずよ。明らかにピアレイは邪悪な気配を発していたから罠の線はないと思う。問題はピアレイの数ね。コッチーもホオリも一撃で倒せない相手を十体以上同時には相手にできないわよ。それに群れているのも少し気になるわ。親玉がいると思っておいた方が良いかも。」


「マジか…。安請負だったかな…。」

エンカウント:Lv8 ピアレイ / Lv?? 龍神 ニャミニャミ

名前だけで登場が決まったニャミニャミ様 友好的な神様は便利


装備:対刃性増加バックパック、対刃性増加ベスト(登山用)、革グローブ(指ぬき)、対刃性増加ワークパンツ、安全靴仕様の軽量スニーカー、金属貼りバックラー


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