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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第120話 二人

爆発しろ

「まさか奈良さんが一緒に行くなんて驚いたよ。」


「ふふっ。奈良さんらしいんじゃない?探索だって本当は自分がやりたいくらいだっていっつも言っていたしね。」


「そうなんだ。ミコトはしばらく秋田さんのチームにいたから奈良さんと話すことも多かった?」


 次は埼玉を占拠している炎の巨人と話し合うことになる。さすがに今すぐという訳にはいかないので、3日で準備を行って向かうことになった。あまり多数で行くと相手を刺激するかもしれないとのことで、俺達と奈良さんだけで行くべきと言う奈良さんの意見と、万一の時に奈良さんを守れる戦力で行くべきという秋田さん達の意見があり、話し合いをしている。レベッカが参加してくれているから、俺達は少し休んだらいいと言われ、ミコトとモールの周囲を散歩することにしたのだ。


「そう言えば、ホオリくんと二人でお散歩なんて初めてだね!」


「あぁ言われてみればそうだね。ずっとコッチーとレベッカと旅をしていたから、そもそも誰かと二人きりって言うのが久しぶりかも。」


「本当だったらわたし達は高校3年生で、受験だー勉強だーって忙しかったのかな?」


 そうか、春休みはとっくに終わっていたんだな。大学には行きたいと思っていたけど今勉強したってなぁ。


「受験なんて全然実感がわかないよ。学校がもう一度始まるのっていつになるんだろうね。」


「ねー。でもパパに聞いたんだけど、海外はもっとひどいんだって。日本はまだマシかもなんて言ってたよ。」


「この状況でマシなんだ…どうなってるんだよ世界は。」


 ミコトがお父さんに聞いた話だと、アメリカ・ヨーロッパ・アフリカなんかはXitterの発信も全く見られないらしい。比較的アジアは生存者の情報があるようだが、中国のように生き残った人間同士で争いが起こっているところもあるそうだ。今は人間同士で争っている場合じゃないんと思うんだけどな。


「やっぱり日本っていつでも一番平和なのかな。」


「まぁ世界のことまで考えている余裕はないけどね~。」


「ははっ、ミコトの言う通りだ。」


 ふと無言の時間が流れる…。何となく目の前にあった公園に入り、ベンチに並んで座る。ちゃんと話さないとな。


「ねぇミコト。」


「ひゃ!ひゃい!」


「あ、なんかごめん…。進化のこと、お父さんと話せた?」


「うん…大人としてはわたし達だけに負担をかけたくないって。でも…」


 俺は頷いてミコトの話を待つ。ずいぶん風が暖かくなったな。ふとそんなことを思った。


「父親としては、わたしのやりたいことを応援するって。もしも姿が変わっても、心が変わっても、どんな時でもわたしの味方だし、わたしの選択を信じてるって…」


「そっか…いいお父さんだね…」


 ミコトは涙を隠すようにうつむいたまま、頷いた。


 しばらくしてミコトは無き止むと、少し恥ずかしそうに俺を見てほほ笑んだ。胸がドキリと高鳴る。女の子を見てこんなことが本当に起きるんだな、なんてどこか冷静な自分がいる。でもそんなに見つめられるとさすがに照れるな。


「ありがと、ホオリくん」


「ははっ、いや何もしていないよ。」


「うん、一緒にいてくれて。ホオリくんは奈良さん達に話したの?」


「ああ、ミコトのことは言っていないから安心して。でも奈良さんも宮城さんも一人で抱えるなってさ。」


「やっぱり奈良さんは優しいね。」


「そうだね。」


「どうするか、決めた?」


「正直さ、まだ迷ってはいるよ。でも、クトゥルヒのボスってハリティー様が負けるほど強いんだって。大阪みたいなことがもしまたあったら…」


「うん。ホオリくんは無茶するでしょう?それにわたしも前みたいに見ているだけではいられないよ。」


「やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいかな?」


「フフッ、ホオリくんってそんなに前向きだった?」


「ポジティブなのはミコトの専売特許じゃないって事さ。」


「進化したら、二人だけが別の種族になっちゃうね。」


「俺はミコトとならそれでも良いかな。」


「!?」


 はっ!しまった。とっさに変なことを言ってしまった!なんだ今のセリフは!告白みたいじゃないか?ヤ、ヤバイ、ミコトの顔が見られない。深呼吸して落ち着こう。フーッハーッ


「わ、わたしもホオリくんと一緒なら大丈夫だ、だよ!」


「!?」


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


「はぁ青春ねぇ…」


『レベッカは何でそんな言葉知っているの?でもホオリちゃんとミコトちゃんかぁ。嬉しいけど姉としては複雑かなぁ。』


「ブラコンなの?」


『違うよ!でもずっと小さい子供だと思っていたから、びっくりしているって感じかな。』


「あんな図体のデカい子供はいないわ。まぁキズナのことを考えるとアレだけど、周りと種族すら違うって結構大変なんじゃないの?ニンゲンって群れる生き物でしょう?」


『世界がこんなになる前なら差別だって多かったし、進化なんて考えられなかったと思う。でもアクマも普通にいて、神様もたくさん現れて、そしてなによりこの星をどうにかしようとしている悪いやつもいるから…』


「まぁそもそも、あの二人が最初ってだけで、今後も進化するニンゲンがでないとは限らないのよ。」


『やっぱりそうなんだね。私みたいなのもいるくらいだし、そうかなって思う気持ちもあったよ。』


「そもそもキズナも次の進化辺りでニンゲンの姿に自由になれるようになるんじゃない?あまり猫のアクマに詳しくはないけれど、ネコショウグンがほぼ人型なわけだし、ある程度姿かたちは変えられるくらい高位の種族になりそうな気がする。」


『それはちょっと楽しみかも。』


「福島も喜ぶかもね。」


『ははっ、ホオリちゃんたちのこと言えないかな。』

歳のせいか若者のイチャラブを書くのは苦しいです。あまり仲が進展しなくてごめんよ、二人とも。


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