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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第105話 エマージェンシー

「何があったんですか!?」


「あ、あぁ、戻ったのか高屋君。秋田君も、みなもよく無事で戻った。情報がかなり込み入っているが、一つずつ整理していこう。」


 モールに戻る途中、秋田さんが奈良さんに無事、大樹のプラーナ吸収を止め、帰還するの旨の連絡を入れたところ、九州で緊急事態が発生したと返答があった。詳しいことはモールに帰還してから説明するとのことで、俺達は急ぎ奈良さんのもとに向かったのだ。


 会議室には奈良さん、秋田さん含む部隊長3名、そして俺達5人が残った。九州で何かが起こったということはカイトさんの身に何かあったのだろうか。鹿児島では彼が最強だったはず。大阪の悪魔との戦いや、その後の手合わせを考えても、そう簡単にやられる人には思えない。


「大樹の方は何か急ぎで報告してもらった方が良い事案があるかね?」


「いえ、こちらは任務完了なので、後ほどの報告で問題ないでしょう。色々と分かったこともありますから、リーダー会への共有も含めて整理する必要があると考えます。」


「わかった。では先ほど入ってきた緊急の内容から話すとしよう。」


 大阪決戦の後、鹿児島に戻ったカイトさんたちにより情報が共有され、リーダー会も東は東京武蔵野から西は九州鹿児島までの広さで形成さることになった。


 それぞれの地域で生産可能なものを融通し合い、生活の基盤を確固たるものにしていくと同時に、各地で探索部隊を組織し生存者の捜索や、生活圏を広げるための活動が続いている。


 九州では鹿児島が最も多くの人が生存しているようだが、カイトさんを中心に北に範囲を広げていった。特に九州で最大の人口を誇っていた福岡県はXitterでの情報発信が全くなく、最優先で確認を進めていったそうだ。


「福岡はひどい状況だったらしい。最短ルートで進行し、何とか福岡市まで到達し、博多や天神と言った中心街に進もうとしたらしいが、そこで問題が発生した。」


「問題…ですか?強力なアクマがいたとか、クトゥルヒの軍があったとか?」


 福岡市中心街にはむしろアクマは全くいなかったそうだ。しかし神が人間を守っていたわけではなく、そこにいたのは天使だったらしい。


「天使?あのトラータ教の聖典に出てくる天使ですか?」


「ああ、あの天使だ。」


「天使だったら人間の味方じゃないんですか?神様みたいなものですよね?」


 ミコトが疑問を口にする。確かにトラータ教の天使は人間を助けてくれる存在として描かれていることが多かったはず。日本でも性格のいい人を天使と言ったりする。決して悪いイメージではないと思うのだが何が問題だったのだろうか。


「君たちの疑問はわかる。私も最初は同じ気持ちだったからね。そうだな、正しく言えば天使の姿をしたアクマと言った方が良いのかもしれない。」


「人間を襲うということですか?」


「恐らくそうだと思われている。何とか天使に遭遇しないよう調査をしてくれたようだが、人間は全く確認できていない。そして、天使の領域以外にはいるアクマ達が全くいない。というより天使がアクマと戦っているところも遠目だが目撃されている。」


 つまり天使は人間とアクマの両方の敵ということだろうか。


「明確な敵対行動があったのでしょうか?」


 秋田さんが疑問を口にする。


「ニッショウ君たちが交戦した。そして敗北し撤退した。」


「カイトさんたちが!?怪我は?無事なんですか?」


「ああ、怪我はしただろうが命に別状はないそうだ。重傷者もおらず回復術で癒せる程度だったのだろう。だが、あのニッショウ君が撤退の判断をするほどの脅威ということだ。」


 天使たちは福岡中心街に近づくと襲ってくるらしく、自分たちの縄張りを主張しているかのようだ。そしてかなり数が多く、特殊な能力…歌のようなもので自身を強化、さらにはこちらを弱体化させて襲ってくるという。


「カイトさんも実力を発揮しきれずに敗北したってことでしょうか。」


「詳細はまだ分かっていないが、恐らくその可能性が高いだろう。現在分かっている人員の戦闘力で考えると、高屋君たちを除くと彼らが最強だと言われている。鹿児島のニッショウ君、出雲のセンゲ君がね。それが撤退するほどとなると、歌というのがかなり問題なのだと考えられるな。」


 歌か…プラーナを使ったデバフか何かしらの阻害攻撃なのだろうか。プラーナ吸収地域を攻略した時のようにプラーナの守りを強化したら防げる可能性があるのだろうか。


「レベッカ、天使の使う歌に何か思い当たることはある?」


「そもそも天使って何よ?」


 レベッカから発せられた言葉に全員が止まる。一瞬レベッカが何を言っているのか分からなかった。天使って何?とはどういうことだ?


「天使は天使だよー。羽があって頭の上に光る輪っかが浮いている。天使ってそんなイメージだよね?」


 うん、ミコトの言う通りまごうことなき天使の姿だ。子供だったり中性的な大人だったり、人によってイメージは違うだろうが、羽と輪っかは共通だろう。


「羽と光輪?うーん、アフラ・マズダーっていう神がいたけど、そんな感じなのかしらねぇ。正義と秩序とか、かたっ苦しい奴だった気がするけど、そこまで詳しくは知らないわねぇ。でも私が知らないってことは天使ってやつは古代神ではないってことね。」


「そりゃあ天使は神じゃなくて、神の使いだからじゃない?神様はトラータって言う、唯一無二の絶対神って言われている神様だよ。」


「あっはっはっはっ、唯一無二?絶対神?面白いこと言う神もいるのね。人間って想像力が豊かよね、ホント。プラーナを知覚できなかったんだから仕方ないのかしら。」


 うむ、信者に聞かれたらかなりヤバ気な発言だな。しかしレベッカは知らないか。大阪で戦った悪魔たちのことも知らなかったし、レベッカたちがいた時代以降に生まれた神様というか人間以上の存在というかなのかな。少なくとも今回は実際に現れているわけだし。


「あ、そう言えば、結局援軍が欲しいって話なんでしたっけ?」


「おお、そうだな。高屋君の言う通りだ。鹿児島の戦力だけでは攻略しようがないので、英雄ホーリーの力を借りたいと鹿児島のリーダーに要請されている。」


「分かりました!秋田さん達も行きますか?」


「いや、援軍は高屋君たちだけだ。正直、戦力がはかりかねていてね。高屋君たちならばもっと詳しいことが分かるだろう。そもそも天使たちを倒す必要があるかも分からないんだ。」


 なるほど、天使の領域に入れば攻撃されるが、こちらに進行してくる様子はないのかな。アクマとも戦っているらしいし、下手に藪をつつくより、放置した方が良いという判断もあるのかもしれない。埼玉の炎の巨人と同じか。


「わかりました。まずは鹿児島で話を聞いて、様子を探ってきます。」


「追加の戦力が必要であれば連絡をしてくれ。全国のどこからどれだけ派遣するかをリーダー会で判断しよう。」


「あっ!鹿児島に行く途中で、な、名古屋に寄りたいのですが、寄り道せずに、い、急いだほうが良いのでしょうか?」


 レンは名古屋に用があるのか?飛行機も新幹線もないから一日かけて車で移動するしかない。名古屋で1日休んでいく方が無理はないかもしれないが、どんな用事だろう。


「いや、名古屋経由でも大丈夫なはずだ。何か用があるのかい?」


「じ、実はホオリ君の武器が壊れてしまったので、ふ、福島さんが代わりの武器を作ってくれて、い、いるんです。それを受け取りたい、な、と。」


 いつの間にそんな連絡をしてくれていたんだ。トウガにもらった棍を斬られてしまったからな。その辺のバットや木刀だと使いづらいし、代わりがもらえるなら助かるぞ!

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