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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第11話 進むべき道

ハイパーオーラ斬りだぁ!

 あくる朝、朝食を食べる人たちの顔は昨夜と変わらず暗いまま。それでも朝食を作ってくれるモールの店員さんたちには感謝しかない。奈良さんの人望だろうか。それとも何か役割がある方がまだ気が紛れるのかもしれない。


 コッチーにはいつものカリカリを食べてもらい、レベッカは奈良さんに報酬としてもらったチョコクランチを、缶ごと持って食べている。コイツ、朝っぱらからお菓子食べてるのか。


 朝食を食べ終え、食器を戻す。店員さんたちにお礼を言った後、今後のことを奈良さんに相談することにした。


「奈良さん、いつもすみません。今後のことを相談してもいいですか?」


 奈良さんだって世界が崩壊したとか言われて混乱しているだろうし、疲弊もしているはず。それでもつらい顔一つ見せずに変わらない分厚い胸板を張りながら、快く俺の訪問を受け入れてくれた。


「実は、ここを出て今の日本の、世界の状況を調べに行きたいなって思ってて…。」


「世界を、調べに…。」


「はい、昨日の話を聞いてみんな不安になったと思うんです。でもレベッカと話していて、不安なのって知らないから、わからないからだって気が付いて。だからいま世界がどうなっているのか、どうなっていこうとしているのか、こうなってしまった原因は何なのか、そういったことを知りに行きたいなって。」


「それは、確かにそうだね。SNSで情報が一部発信されているが、まだまだ分からないことだらけだ。この先どうやって人々が生きていけるかも分からない。知ることが出来れば、道を決めることもできるかもしれない。レベッカさんは良い教師だなぁ。」


 レベッカは、ふふん、とドヤ顔で胸をそっている。そーゆーところだぞ、本当に。


「それで、まずはこの前たどり着けなかった八幡小学校まで行ってみようと思います。レベッカの話だと、このモールって土地を守る力がアクマが出てくる場所より強いらしいんです。他にもそういった場所があるみたいで、そこに避難している人がいるんじゃないかと思うんですよね。」


「なるほど、確かにその可能性は高そうだ。どのくらいの人が生き残っているか分からないが、少しでも連携をして生き残るすべを見出していくべきかもしれん。では、避難所になっていそうなところを周っていくことを考えている、ということかな?

 であれば、もし避難所を見つけたら、そこの代表者と私をつないでもらえないだろうか。XitterはDMであれば今のところ制限なしでやり取りできるようなんだ。避難所の長同士がつながっていれば、連携も取りやすい。食料や生活必需品の問題もあるからね。」


「あ、そうですね。食料ってどうにかなりそうなんですか?」


「正直わからん。だが、15年前に高宮総理が食料自給率を上げるべく様々な取り組みをしてくださった。ナイン&Jモールも国と共同でモジュール型完全閉鎖型植物工場を作っていて、全国でかなりの量の食料を作っているんだ。また、直接契約の酪農農家も多数持っていて、農家の方々が生きていてくれれば、生産は何とかなるかもしれん。

 むしろ物流の方が懸念は多いかもしれないな。なにせアクマがいるから荷物を運ぶことが非常に困難だ。」


 奈良さんはやはりすごいな。人が生きていくのに必要なことを最優先に考えている。俺も自分だけでなく、生き残った人たちのためにできることもやっていきたい。


「俺にできることはありますか?」


奈良さんからの依頼はこんな感じだった

 1.避難所を探し、奈良さんと連絡が取れるようにする

 2.ナイン&Jモールの植物工場や契約農家の安否確認

 安否確認ができれば、可能な範囲で手助けしてやってほしい

 3.1週間に一回の生存確認連絡


「それで、いつ出発するかね?」


「荷造りをしてからになるので、早ければ明日か明後日を考えています。バックパックとか水筒とかいただいても良いですか?」


「ああもちろんだ。いくつか食料も持って行きたまえ。モバイルバッテリーや医薬品なども必要だろう。宮城と福島に声をかけておくよ。」


「助かります。宮城さんたちで思い出したのですが、レベッカに教わったプラーナの操作方法を二人と秋田さんにも教えましょうか?アクマを倒した時のプラーナの吸収量が上がるし、魔法っていうのか術っていうのかも使えるようになるかもしれません。あと石川先生なら回復の術を知っていてもらった方が良いかなと思いました。」


「おいおい、なんだね。たった一日でそんなに色々と身に着けたのかい?君がいなくても安全を確保できるようになる必要があるから、ぜひとも頼むよ。」


 奈良さんと別れ、まずは石川先生に回復術を教えるため、2Fのイシカワ ペットクリニックに向かう。相変わらず貼り紙が貼ってあるが、ケガ人は増えていないはずなので、先生や受付のお姉さんも疲弊していないだろう。


 受付で来院の理由を伝えると、私も知りたいというので一緒にレクチャーすることになった。だが、ここで問題が発生。石川先生も受付のお姉さんもアクマを倒していないので、プラーナの絶対量が非常に少なかった。


 レベッカ曰く、アクマを倒した時に近くにいればプラーナを吸収できるはずとのことなので、秋田さんに俺から伝えておいて、そのうちレベリングに参加してもらうことになった。


 回復術はレベッカしか使えないので、レベッカを改めて紹介し、レクチャーを任せる。俺は、宮城さんたちにプラーナの使い方を教えに行くことにした。


 宮城さんたちは奈良さんから話を聞いていたらしく、呉服店で合流して、レベッカに教わったようにプラーナを感じるところから始める。福島さんの呑み込みが異常に早く、操作だけで言ったら俺より上手いかもしれない。


 エクスカリバールにプラーナを流したら、ハイパープラーナ斬がどうとかブツブツ言っている。え?物にプラーナって流せるの?


「ちょ、ちょっと福島さん、プラーナをその工具に流せるんですか?どういうことです?」


「キミは何を言っているんだ。プラーナというのはエネルギーだろ?エネルギーとはすなわちオーラであり、気、であり魔力だ。であれば、武器に纏わせて必殺の一撃を繰り出すのは常識でござるよ。とは言え、拙者のプラーナはまだまだ弱すぎて、この聖剣エクスカリバールに纏わせるには足りないらしい。流すこと自体はできるが、芯が通らない感じがするんだ。明日は拙者らのレベリングに付き合ってくれまいか?」


「え、あっ、ハイ。」


 レベリングには秋田さんも賛成のようで、自分もついていきたいと言ってきた。どうやら、俺がここを出ていくことを奈良さんから聞いているようで、安全圏拡大のための戦力をまとめたいそうだ。


 ついでに石川先生のレベリングについてもお願いをしておく。回復術の話をしたところ、普段穏やかな秋田さんにしては感情を大きく表に出して喜んでいた。先頭には向かない性格の人たちに回復術を覚えてもらって、サポートをしてもらうことを奈良さんに提案するそうだ。


 確かに、バックアップ部隊がいるかいないかで生存可能性は大きく変わると思う。俺も玉ねぎ頭と戦った時、レベッカに回復してもらわなければ腕が使えなくなっていたかもしれない。


 秋田さんと話していると、宮城さんが玉ねぎ頭のことを聞いてきた。詳しく見た目や火の玉を飛ばしてくることを伝えると、それは陰摩羅鬼オンモラキという怪鳥かもしれないとのこと。中国や日本に伝承が残っていて、鳥の体にともし火のような目をもっていて、火の玉を操るという記述も少しだけ見られるらしい。


 宮城さんはアクマ博士を目指しているのかもしれない。色んなアクマが見たいと、ちょっと不謹慎なことを言っていた。旅で見かけたアクマは無理のない範囲で写真を撮って、宮城さんにDMを送る約束を、半ば強引に取り付けられた。


 大人って押しが強いなとため息をつく俺の横で、コッチーがヤレヤレと言わんばかりにフニャーと鳴いていた。

石川先生&受付お姉さん→ヒーラー

宮城さん→ポ〇モン博士

福島さん→発明家

にクラスチェンジした!!


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