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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第103話 連携の脅威

『ククク、我らをたった5匹で相手をしようなどと。』


『どうせ子山羊に喰われる運命だぜ!』


『フン、少しは暇つぶしになればいいのですが。』


ニャ!


相変わらず喋るのが好きなやつらだ。そんな口上にはお構いなしとコッチーがイカヅチで先制攻撃を仕掛ける。さてどう出る。弾くか、躱すか、まさか跳ね返さないだろな?俺は攻撃の様子を見ながら全員に3種バフをかける。


イカヅチがクトゥルヒ3人衆に突き刺さったかという所で、ズン!と重い音を立てた。あの盾持ち、ヴォーツとか言ったか。コッチーのイカヅチに反応して味方を守る位置に移動しやがった。


『ぬるいな…。それで不意を突いたつもりか?この地壁、この程度では毛筋一つの傷も付かんわ。』


まったくダメージを負った様子がないヴォーツの後ろから炎の矢のようなものが複数飛来する。あれはヴォズーリの術か!

レベッカが即座に反応し、風弾で炎の矢を迎撃する。相手の術もなかなかやるが、レベッカの術の精度には敵わないだろう。


ミコトが接近戦を仕掛けるために突撃している。俺はレンにサポートに徹するよう視線で合図し、俺自身はミコトに続く。剣持ちのヴォーワンがミコトに斬りかかっている。俺はヴォーワンの攻撃を阻害するように棍を差し入れ、ミコトに攻撃の機会を作る。


俺の棍を避けたヴォーワンに対してミコトが蹴りを放とうとしたところに、ヴォーツが盾を持ったまま突っ込んできた。シールドバッシュか!


ミコトは蹴りをキャンセルし飛び退く。俺も身をひるがえし何とか回避。そこに再度炎の矢が飛んでくる。今度はコッチーのイカヅチが炎の矢を迎撃してくれた。


「くっ、やるな。」


「攻撃が繋げれられないよ…」


『へっへっへ、少しはやるじゃねぇか!』


『フン、私の術を撃ち落とすとは、悪くない精度ですね。』


あちらはまだ余裕がありそうだな。さてどう攻める。


「水穿破を使うよ!」


防御をブチ抜く作戦か。あの貫通力ならヴォーツの盾でも防げないだろう。ならば俺が前衛でヘイトを取らなければ。


「コッチー!レベッカ!フォロー頼む!」


俺は再度突撃、ヴォーツの盾目がけて突きを放つ。当然防がれるが想定通り。続けてヴォーワンに対しても攻撃を開始。後ろにいるヴォズーリの射線に入らないようヴォーワンを盾にするよう位置取る。


ヴォーワンが何度も斬りつけてくるがここは回避を重視。ミコトが水穿破を放つ時に剣を受けて動きを止めよう。コッチーやレベッカから、時々イカヅチや風弾が飛んでくる。ヴォズーリの術を撃ち落としたり、ヴォーツの足を止めるための牽制をしてくれている。


「行くよ!・・・水穿破!!」


来た!ヴォーワンが付いて来ていることを確認し、俺はヴォーツの盾を蹴って距離を取る。着地したところにヴォーワンが唐竹割のような上段斬りを放ってくる。


『もらったぜぇ!天断!!』


俺は棍にプラーナを込めて受け止める体制を取る。お前はここで足を止めていろ!


「!!ホオリ!受けちゃダメ!躱しなさい!!」


レベッカから怒声が飛んでくる。何が!?


俺はとっさに後ろに飛ぼうとするが、ヴォーワンの斬撃が速い!辛うじて床を転がりながら避けることが出来たが…。


「ホ、ホオリくん!!け、怪我が!それに、こ、棍も!!」


レンが駆け寄ってくる。


「レンさん、駄目だ!まだヴォーワンが来る!」


俺はバレットでけん制、さらに折れてしまった棍の一方を投げつける。ヴォーワンは笑いながら剣でバレットを弾き、棍をもバラバラに斬り裂いた。


そして、さらに驚愕の光景が目に入る。


「う、ウソ!?水穿破が!!」


ミコトの驚愕の声が響く。ダイヤモンドをも削るウォータージェットカッターだぞ。水穿破はヴォーツの盾に弾かれ周囲に水が飛び散っていた。盾には傷すらついていないように見える。


『悪いくない威力だったが、地壁はやぶれない。』


『こちらも進呈しましょう。』


こちらの攻撃を耐えきったヴォーワンとヴォーツの後ろからヴォズーリが強大なプラーナを込めた白色火球を放つ。俺は慌ててレンを伴って3人がいる場所に向かう。コッチーが負けじと白色火球を放っていたが、込めたプラーナが違いすぎる。少しでも着弾を遅らせようとしているのだろう。


「レベッカ!障壁を!!おおおおお!大!岩山壁!!」


レベッカの障壁の内側に岩の壁を出現させる。レベッカが苦い顔で歯を食いしばる。障壁が押されているのだ。俺の張った岩壁にも火球が到達し、その高熱で岩が赤く染まっていく。岩が溶けるなんて1,000℃以上の高熱か!?


「ホオリくん!空気を遮断してください!!」


レンの声に反応し、着弾点の岩を厚くしながら、さらに岩で火球を包む。その岩の塊を足に風を纏ったミコトが蹴りで叩き落した。地面に転がりながら、溶けた岩が散らばる。酸素を失った火球は消えていた。プラーナで作った火球も酸素を燃やしているのか?レンのファイインプレーだ。


『フン、あれを防ぐとは…人間ごときが…許せませんね。』


『オイオイ!防がれてんじゃねーかよ。万魔の二つ名は返上した方が良いじゃねぇか!あぁ!?』


『黙りなさいヴォーワン。あなただって相手の棒きれを斬っただけではないですか。』


トウガに作ってもらった棍は棒きれじゃない。一度だって欠けたことすらなかった特殊な棍だったのに。


「天断は全てを断つといわれる剣もしくは剣技よ。なんでアイツが持っているのかは知らないけど、防御不可と思っていた方が良いわね。」


「しかし、連携ってのは厄介だね。今まで戦ってきた相手も俺達の連携がどれほど脅威だったかよくわかったよ。」


「でもどうやって攻めるの?剣や杖を狙っても盾に防がれそうだよ。」


「盾が無いところから攻撃するのはどうでしょうか?」


「全方位攻撃のストームプリズンは?」


「可能性はあるけど、風の牢獄ごと天断で斬られそうな気がするわね。」


「コッチーさんの雷身で背後に移動して攻撃するというのは?」


ニャ!やってみるぞと言うように力強い返事だ。戦闘中は姉さんは喋られないんだよな。


「じゃあ俺達は面攻撃でヴォーワンとヴォーツを足止めか。ヴォーツが正面に集中して動けなくなったところでコッチーが雷身で移動。最大火力で狙ってくれ。いくぞ!」


俺とレンでバレットを、レベッカが風弾をばらまき、3体同時に攻撃を行う。ミコトは水穿破を使うためにプラーナを集中している。コッチーは体に電気を集め始めた。

エンカウント:Lv58 クトゥルヒ ヴォーワン・ヴォーツ・ヴォズーリ

PvPに近いイメージの戦闘。ドキドキハラハラの戦闘シーンを描ける作者さんは凄いなと思います。


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