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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第102話 我ら三貴衆

扉を開いた先は、かなりの広さがあるホールになっている。奥の方にはガラスのような透明な壁があり、更に奥に複数のディスプレイが壁に配置された管制室のようなものがある。妙に近代的な風景だ。エレベーターもなく10階分も会談で上がらせた建物?の内部とは思えない雰囲気がある。


『な、なんだか通路側とギャップがある部屋?…なのかな?』


「ク、クトゥルヒって科学文明を、き、築いていたのでしょうか?奥にあるのは、な、何かを統合、か、管理している部屋のようですがけれど…」


「ニンゲンの科学を組み合わせたやつがいるって事かしら…。こんなことが出来るなんて聞いたこともないけど…。今回の事件は邪神側の陣営が引き起こしたものじゃないのかしら?」


レベッカが戸惑っている。反応からして太古の戦いの時にはこういった機械っぽいものは無かったってことか。俺達が考察を始めているとやかましい声が聞こえてきた。


『おいおい、本当にここまで来やがったぜ。』


『フン、だから言ったでしょう。プラーナの量だけはそれなりにあると。』


『数に対して数で対抗しただけだろう。』


管制室のようなところから3体のクトゥルヒがやってきた。それぞれ手に剣と盾、杖を持っている。盾の奴は大きめの盾が2枚?武器は持っていないようだ。


「アンタらがここの管理人かしら?」


『お前は…Xitterで話題になっているプラーナの伝道師とか言われている虫か?』


おっと、随分と煽ってくるな。レベッカ、まだキレるなよ。あの程度の煽りで顔を真っ赤にしていたら舐められるぞ。というかXitterを知ってる?まさかこいつらも閲覧しているのか?


「なによー!あなたたちこそタコじゃない!しかも緑だからおいしくなさそう!」


ミコトさん、アレを食べようと思うのかい?何と言うか天然な返しだな。だが、聞いている俺達には少し余裕が生まれた。


「おいしくなさそうなタコさんにも名が知られているなんて光栄だわ。無名なタコさんは名乗った方が良いんじゃない?誰にも知られていないんだから。」


『んだと、ゴラァ!』


『フン、低俗な煽りですね。しかし我らのことを恐れぬ下郎には知らしめねばならないでしょう。』


『『『天断のヴォーワン! 地壁のヴォーツ! 万魔のヴォズーリ! 我らヴォルディア様配下の三貴衆!!』』』


背後で爆発が起きそうな決めポーズと名乗りだ。何と言うか面白枠って感じで警戒心が薄れるな。だが、纏うプラーナはこれまでのクトゥルヒとはケタが違う。油断させる作戦なのか本気なのか判断がつかない。そんなことを考えていると秋田さんが少し会話させてくれと耳打ちしてきた。俺は頷き、万一戦闘になったときに秋田さんを守れる位置に着く。


「さぞ、実力のある立ち位置にいる方々とお見受けしました。そんなあなた方がこのような場所で何を守っているのですか?」


『少しはわかっている人間がいるようだな。』


『人間は無知だなぁ!あぁ?ここがどれだけ重要な場所か分かっていねぇようだぜ!』


「な、なんと!ここがそこまで重要な場所だったのですか!」


『フン、これだから人間は…。ここはこの島で最もプラーナ・マルガに近い場所なのです!そこからプラーナを大量に引き出すために、偉大なる神の祖がお力をお貸しくださっているのですよ!』


こ、こいつら…あっさり情報を話してくれるな。自己顕示欲が強いタイプなのかな。それを秋田さんがあっさり見破って利用していると。秋田さんって本当に何者なんだ?普通のサラリーマンですとか言っていたけど、普通のサラリーマンって万能戦士か何かなのだろうか?


「神の祖…いえ力を貸しているだけなら本体は別のところに?情報が少なすぎる…」


レベッカが何かをブツブツ言っているな。ああなった時は何を言っても答えてくれないから今は放っておくか。秋田さんの名演技に集中しよう。


「な、なんと、そんなことが!しかし、そこまで大きなプラーナを必要とするとは。あなた方が強くなるため、なのでしょうか?」


『はっはっはっ!やはり人間は無知だぜぇ!』


『何も知らんというのは愚かしさを通り越して、道化だな。』


『フン、我らはすでにヴォルディア様に次ぐ強さを持っています。この膨大なプラーナは偉大なる神の復活に使っているに決まっているでしょう!世界中にこのデミ=ニグラスが根を下ろし神の復活に貢献しているのです!』


「デミ…一部ってことかしら…ニグラス…神の名の響きが…邪神の祖…ニグラス…世界の中心たるアザ…その子らたるシュ…プラーナの意…代弁…ニャ…全ての…アーカーシャ…どこに向かう…調べていた…いまどこ…ドーヴェは…」


レベッカさん…ものすごく深い思考にはまっている気が…大丈夫かな…。おっと秋田さんはまだまだ情報を引き出す気らしい。


「な、なんと!そのような恐ろしいことが!!ですが、デミ=ニグラス様と言えどそのようなことが容易にできるのですか?」


『だぁから、機械とやらを組み合わせて制御してるんじゃねぇか!』


こいつらマジでお喋りだな。上司に怒られないのか?敵ながら心配になる。レベッカは完全にあきれ顔だな。いや、話している内容自体はかなり重要で危険な内容ではある。これをどうにかしないと、いずれ邪神が復活してしまうかもしれない。問題は俺達で止められるか、だな。


「と、ということは、私たち人間の技術を取り入れられたのですか。敵の技術をも取り込むとは、なんと器の広いことでしょうか。」


『人間ごときの技術など、我らからすると児戯にも等しい。誰にでも操作できる点はほめてもよいかもしれん。』


あ、誰でも操作できるんだ。クトゥルヒにしか操作できないのだったら、こいつらを単純に倒すことが出来なくなるし、厄介な転換だったが、これなら全力で倒してしまっていいということだ。秋田さんナイスです!


「しかし、ここまで重要な場所を守られている皆さんのことをヴォルディア様はどのように評価されているのですか?遠くにいらっしゃれば、なかなか皆さんの活躍を目にすることが出来ないように思うのですが。」


『あぁ?ヴォルディア様を悪く言おうってのか!?』


『吠えるなヴォーワン。ヴォルディア様がこの国の王都を攻めている以上、我らの尽力をあまり目にされていないのは事実。』


『クソッ!あの無駄にかてぇ結界のせいで攻めきれないのがイラつくぜ!』


『古代神の結界ですからねぇ。あれには流石のヴォルディア様も苦戦されている。中の人間は少ないようですが、他の国にはない堅牢さだとか。』


王都って皇居とかのことかな。東京23区の中心は謎の結界で通信もできないって聞いたけど、それとは別に皇居を守る結界があって、天皇陛下などはそこでまだ生きているのかも。これはリーダー会に大きな土産が出来たかもしれない。


『フム、来たようですね。』


『ケッ!俺は全員相手にしたって良かったんだがなぁ!』


「ホ、ホオリさん!部屋の外に、く、黒いアクマ達が集まってきています!」


マジか。まさかアイツらは時間稼ぎをしていたのか?話していた内容は嘘が混ざっているかも知れない?


「高屋君、情報は本当である可能性が高いです。確かに時間稼ぎをしていたようですが、それは私達を確実に倒すため。倒せるなら情報は外に漏れないと高をくくっている様子でした。」


「な、なるほど。」


「後ろの黒いアクマは私達が引き受けます。クトゥルヒは頼みますよ。」


「任せてください!」

エンカウント:Lv58 クトゥルヒ ヴォーワン・ヴォーツ・ヴォズーリ

設定を説明してくれるとても貴重なやつら


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