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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第100話 大樹攻略開始

100話目(サイドストーリーを除く)ですが特別なことがない回

「さて、行こうか。」


「少し、緊張するね…」


今日、俺達はクトゥルヒが守る大樹の攻略に向かう。ミコトのスパルタ訓練から追加で1日、操鬼闘法を切らさずに過ごしてもらった。もともと戦闘時には維持していたものなので、始めてみれば探索チームの皆さんは何とか維持自体はできるようになっている。


「まぁ、あのエリアに入って大丈夫かは試さないと分からないから、結局戻ってくるって可能性もあるけどね。」


「その場合は、西荻窪駅で待機し、高屋君たちが撤退してきたときに迎えに行くプランになりますね。できれば大樹まで行って君たちをサポートしたいところですが。」


「秋田さん達なら大丈夫ですよ!」


腕を折ったミコトに言われてもなぁという雰囲気を感じる。ミコトはポジティブなのが美点だからな。あれで良いのだ。相手が秋田さんだったから大事無かったし。


「せ、せっかく福島さんのところから武器が、お、送られてきたので活用、し、したいです。」


「攻撃力だけなら大幅に上がりましたからね。上田さんの打った刀はプラーナの通りが木刀とは比較になりませんし、物理的に斬ることもできます。これで失敗作とは…。」


「自分が振るうための納得のいく刀を打つために刀鍛冶になった方ですから。目指している高みがかなり高いんだと思います。」


大山祇神社で出会った上田さんは、ミコトとの約束通り何本かの刀を打って、モールに送ってくれていた。モールの探索チームは基本的に木刀とバックラーという装備なので、日本刀に交換しても立ち回りを変えずにすむ。まだ、部隊長とレンの分しかないが、ぜひ全員分欲しいと秋田さんがかなりの熱量で奈良さんにお願いしていた。あんな秋田さんは珍しい。


西荻窪駅までは車で移動。一昨日と違い、特にアクマとの遭遇は無い。ミシャグジさまに遭遇しなくてよかった。モーショボーやドアマースなんかもいないし、一時的に空白地帯になっているのだろうか。


「さて、ここから本番ですね。」


「皆さん、操鬼闘法を強く維持してください。気分が悪くなったらすぐに報告を。」


秋田さんの号令で全員が身に纏うプラーナを強化する。かなりいいレベルで維持できているようだ。これならば探索不可地域に入っても大丈夫だろう。問題は耐えられる時間か。大樹攻略まで持つと良いのだが。


五日市街道を超え、探索不可地域に足を踏み入れる。予想通りプラーナを吸収されて具合が悪くなる人はいない。


「よ、良かったぁ。い、今のところ、だ、大丈夫そうです。」


「鍛錬した甲斐があったわね。アンタももう私たちのチームなんだから最後まで頑張りなさい。」


レンも大丈夫そうだ。レベッカもああ言いながら結構レンのことを気にしてくれているようだ。口は悪いけど面倒見は良いからな。


『もうすぐ大樹だね。私がもう一度偵察してくるから皆はここで待っていて。』


「姉さん、気を付けて。」


ニャ!と心強い鳴き声で返事したコッチーはするすると塀を渡って消えていった。猫って本当に音もなく狭いところも難なく進めるよな。肉球のなせる業なのか。プニプニは正義なのだろう。


「全員の状態を確認します。この先は戦闘になりますが、操鬼闘法の維持に不安がある人は申し出てください。この先は容易に撤退はできません。」


秋田さんが各人の状態をチェックする。見た限りプラーナが揺らいでいる人はいない。ここ数日でかなり高レベルのアクマと戦い、操鬼闘法の維持も行った。それぞれの顔には自信が現れているように思う。今までは基本的に4人で戦ってきたから、頼もしく感じる。


『前と様子は変わっていないみたい。さすがに仲の様子は分からないけど、プラーナを探った感じだと結構の数の敵がいると思う。』


「全部クトゥルヒかな?そうだとしたら結構手強いかも?」


「クトゥルヒは邪神の眷属の中では一番数が多い雑兵って感じよ。この島にどの程度の戦力を持ってきているかは知らないけど、それなりの数は覚悟した方が良いでしょうね。」


「とは言え、強さはピンキリだから強敵ばかりかは分からないよ。」


「それでも最悪のケースを想定しましょう。呪殺は受け付けないはずですが、万一もあります。」


「よし、行こう。先制は?」


『任せるニャ!』


姉さん、というかコッチー?混ざってるよ。そんな突っ込みを心の中でしているうちに、コッチーから二つに分かれたイカヅチが放たれ、入口を守っていたクトゥルヒに直撃。ミコトが追撃に動いており、イカヅチを受けて大きな隙をさらしていたクトゥルヒの首に回し蹴りが入っていた。さらに返す動きでもう一体にも蹴りを放っている。


「一体は秋田さんたちに任せます!」


探索チームがクトゥルヒとどの程度戦えるか見ておく必要がある。俺の声と同時に秋田さん達がクトゥルヒに駆け寄りとどめの攻撃を放っている。ミコトは秋田さんたちの動きを見て、1体に確実にとどめを刺していた。


「このまま突入しよう!」


入口から大樹に侵入。左右に通路が伸びていて内側に向かって曲がっている。ドーナツ状に通路が通っているのだろうか。壁や床、天井は木のような素材でできているように見える。大樹そのままに中がくりぬかれているのか。また、天井は全体的にぼんやり光を放っているようで、内部はとても明るかった。特に窓のようなものは見当たらない。


「私とミコト、ホオリとコッチー、レンで別れましょう。秋田はホオリについて行って。残りの2隊はこっちよ。」


「つながってそうだね。」


「多分そうね。でも、そこまで広い通路じゃないから手分けした方が早いわ。ヤバいのがいたら引きなさいよ。」


「そっちこそ。」


俺達は二手に分かれて通路を進む。敵がいないことを(いぶか)しげに思いながら周囲のプラーナを探りながら進む。最後尾はコッチーに任せ、バックアタックに注意してもらう。俺達の心配をよそに、特に敵は現れずレベッカたちと合流、ちょうど入口の反対側くらいの位置に上に続く階段があった。


「そっちに敵はいた?」


「いなかったよ。このまま誰もいなかったりして?」


『プラーナは感じるから多分上にはいると思う。』


「そーゆーことね。気を抜いちゃだめよ、ミコト。」


俺達は順に階段を上る。二階にあがると、一階と同じように左右に通路が伸びている。恐らく同じような構造になってるのだろう。同じように二手に分かれて進むことにする。


「な、何もない、敵もいないだと、ぶ、不気味ですね。」


「いや、お出ましのようですよ。レンさん、あまり前に出ないように。」


通路の奥から黒い何かがぞろぞろとやってくるのが見えた。

エンカウント:Lv40 クトゥルヒ(守衛)


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