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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第99話 手加減スキルは特定のキャラしか覚えません

稽古回

「さて、参りましたね。あのクラスのアクマが出てくるとレベリングも難しいでしょうか?」


 急ぎモールまで撤退した俺達は、秋田さんらレベリング中の探索チームと今後について話し合うことにした。ミシャグジさまは槍捌きを少しと電撃以外の攻撃は判明していないので祟り神としての固有能力のようなものがあった場合、秋田さん達ではリスクが高い。マカープルは毒の鎌が危険すぎる。


「はい、仮にも神と祀られる存在や即死毒をもった相手にレベリングというのはリスクが高すぎると思います。また、仮に安定して倒せるようになったとして、また同じようにさらに強力なアクマを呼び寄せる結果になるかもしれません。」


「レベッカ、探索チームのプラーナ量はどのくらい増えたかな?探索不可地域に入れるレベルまで高まってるだろうか?」


 レベッカは少し考えるように腕を組み、難しそうな顔をする。探索チームの皆さんは少し緊張したような顔だ。テストの結果を告げられる学生のような心境なのかもしれない。数日間あれだけ必死に戦ったのだ、目標とする成果に届いていないと言われたらショックだろうな。


「そうねぇ。プラーナの量自体は相当増えたんじゃないかしら。自分でも感じるでしょう?レベリング前と後で明らかにプラーナの力強さも量も増えているって。」


 皆さんすごい勢いて頷いている。自分でも確かに感じる成長があったようだ。これはレベリングに付き合った俺達も嬉しいな。


「ただ問題は身に纏うプラーナの強さなのよ。あのエリアでプラーナを吸収されないくらいの強度が必要なんだけど、その強さを維持できるかは別問題なのよね。私たちみたいに寝てても常時プラーナを纏う癖をつけているならともかく、戦闘中しか維持していないでしょう。」


「正確には、戦闘中しか維持できる余裕がない。というのが正しいですね。今までのわたしたちのプラーナでは戦闘中以外に操鬼闘法を使うと、プラーナが枯渇したり心身ともに疲労が多くなってしまっていましたから。」


「何日か戦闘はしないで操鬼闘法を維持する訓練をした方が良いかな?」


「そうね。まずは一日中維持してみて、何とかなりそうなら探索不可地域で試してみましょう。とは言え、何もせずに維持するのもつまらないでしょうから、ホオリとミコトの攻撃を避けたり防いだりする訓練くらいはしても良いかもね。」


 ということで、午後からは操鬼闘法を維持しつつ、俺やミコトの攻撃を捌く訓練をすることになった。探索不可地域でも耐えられるくらいの強さで維持しながら動くのは初めての体験だろう。最初はきついと思うが乗り越えて欲しいものだ。


「では、皆さんが避けられる、もしくは防ぎきれるくらいの速度や威力で攻撃しますから、可能な限り避け、避けきれないものは受け流したり受け止めたりして捌いてください。反撃はしなくてOKです。」


「フフッ、倒してしまっても構わないのだろう?」


 福島さんみたいな人がいるな。ちょっと強めに叩いてみようか?そんなことを考えながら棍を振るう。最初は躱せるくらいの速度で始めよう。


「こちらが躱せるぎりぎりの速度で攻撃してくる!?」


「本当に高校生かよ!英雄こわっ!」


 何人かは無駄口が叩けるくらい余裕がありそうだ。さて、そろそろ防御してもらおうかな?10分ほど回避に専念してもらい様子を見る。3チーム12人プラスしてレンの13人全員にまんべんなく攻撃しているが、このくらいの動きで良いなら一人でも大丈夫か。もう少ししたらミコトにも手伝ってもらおう。


「ホ、ホオリくん、す、凄い人だとは思っていたけれど、10人以上相手にこちらが余裕がないくらいの、こ、攻撃ができるって、すごすぎぃ…」


「ほらほら、レンさんも弱音を吐いている余裕はないですよ。どんどん行きますからしっかり捌いてください!」


「ひぃぃぃぃ!」


 30分ほど続けたところで、全体的につらそうになってきたので休憩を入れる。探索チームとは言え、これまでアクマがいる地域を探索して回っていただけあり、戦闘技術はそれなりに高いと思った。秋田さんが鍛えているからかな。あの人、もともとは普通の会社員とか言っていたけど、本当は特殊部隊か何かの出身なんじゃ…。


「ほらほらー、操鬼闘法を解いちゃだめよ!休憩中だって維持するのが一番重要な訓練なんだから!」


 レベッカから叱咤が飛ぶ。レベッカ教官は厳しいからな、みんな震えあがっていることだろう。さて、この後からはミコトと分担しよう。人数が半分になれば攻撃の密度も上げられるし、更に厳しい訓練が出来そうだ。


「じゃ、この後からはミコトも手伝ってね。半分ずつ分けてやろう。あまり早すぎたり強すぎたりすると捌ききれないから注意してね。」


「オッケー!任せてよ。こう見えてもわたし、結構器用だと思うよ!」


「さぁ再開しましょう!」


 うぇーい、とちょっと気の抜けた返事がチラホラ。そんな状態でも操鬼闘法は解除せずに維持できているし、後半も大丈夫だろう。


 先ほどよりは密度を上げて攻撃を開始。回避も受け流しもできず、受け止める人が増えてきたが、まぁ仕方がない。どんな状況でも操鬼闘法さえ切らさなければOKの訓練だ。


 ドゴーーン!


「え?何今の音?」


「キャーー!秋田さーーん!だだだ大丈夫ですかーーーー!?」


「ミコト!あんた何やってるのよーーー!!」


 大きな音とミコトの叫び声、レベッカの怒声が聞こえた方を見る。数メートル程度吹き飛んで倒れている秋田さんのもとにレベッカが飛んでいくところだった。何が起きたんだ?


「あ、あー、皆さん操鬼闘法は切らないように!なにがあったんですかー?」


 ミコトが担当していた面々に声を掛ける。


「ミコトちゃんの蹴りを受けた秋田さんが吹き飛んで行っちゃった…。」


「え?手加減は…」


「私たちだったら死んでたんじゃないの?アレ…」


 マジかよ…。自信満々に手加減するって言ってなかったか?ミコトは自分がどれだけ強くなったか把握できていなかったのだろうか。とりあえず俺も秋田さんの様子を見に行こう。


「レベッカ、どうなの?秋田さん大丈夫?」


「ははは、私は大丈夫です。レベッカさんが癒してくれたので。」


「笑っている場合じゃないわよ。防御に使った腕は折れているし、上手く力を逃せたみたいだけど、もう少し深く入ってたら死んでたわよ。」


 確かに腕が変な方向に曲がっているし、防御に使ったと思われる木刀もバックラーも砕けてしまっている。どんな威力の蹴りを放ったんだよ。


「うううう、秋田さんごめんなさいぃぃ!」


「玉乃井さん、私は大丈夫です。腕は折れましたが、レベッカさんが癒してくれていますし。この通り、命に別状はありません。操鬼闘法も切らしていませんよ。」


「はぁ、アンタどんだけ聖人なのよ。怒っていいところよ、ここは!」


「ミコト、手加減してって言ったじゃない。どんな威力で蹴ったのさ。」


「ちゃんと手加減したよ!秋田さんなら防げると思ったんだもん。」


「あんたねぇ、自分がどれだけ強くなったか分かってないの?私たちはロカ・プラーナで修行していたのよ。オオヤマツミに言われたでしょう。ニンゲンの限界は超えちゃっているのよ。」


「手加減してて、バックラー破壊した上に秋田さんの腕折るとか、英雄チームぱねぇな…」


 そんなつぶやきが聞こえた。

てかげん:自分より技量の低い相手にとどめを刺さずHPを10だけ残す

人間のHPが10だけ残っている状態って瀕死なのでミコトはちゃんと手加減できている( ー`дー´)キリッ


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