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プラーナの導く先へ ~崩壊した世界でネコとピクシーを仲間に、俺は英雄として生きていく~  作者: よろず屋


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第97話 褒めて伸ばす

人はほめて伸ばそうという話

「そうそう、プラーナに方向性を付けて譲渡するイメージよ。あんた結構筋が良いわね。

 あ、そこそこ!もっと柔らかく。力を入れすぎると相手のプラーナにぶつかって効果が出ないわよ!」


 俺達はモールの探索部隊3つに対してレベリングを行うことになった。各部隊に俺とコッチーとミコトが一人ずつサポートで入る。回復メンバーは強化付与術をレベッカにならう。


 ちょうど今はクバンダが3体襲ってきたので、一体ずつ分断し、それぞれのチームで対応。危うい攻撃を受けそうになった時だけ俺達が防いだり、妨害したりする。強化術がたびたび飛んでくるが、上手く行ったりいかなかったりするので、戦闘メンバーは戦いづらそうだ。まぁ臨機応変さは身に着くのかもしれない。かな?


「はぁはぁ、こ!この!」


「くそっ!攻撃が通らない!?」


「慌てないで対処を!3人の連携を崩さないようにしてください!」


 ふむ、クバンダって結構強いんだよな。レンも1対1だと苦戦していたし、バフが上手くかかれば力負けはしないみたいだけど。あいつらは衝撃波の使い方も結構うまいし、あの蹄鉄の攻撃が結構厄介で、剣や槍のような分かりやすい武器じゃないからトリッキーな動きに翻弄されがちだ。


 プラーナの動きが見えていれば、結構隙があったり、攻撃に移るときの動作なんかも捕らえれらるんだけどね。戦いながら相手のプラーナを見るのってかなり難しいって秋田さんも言ってたしなぁ。


「よ、よし!ようやく倒せた!」


 秋田さんのチームが一番先か。やっぱり秋田さんの動きが凄くいいんだよな。絶対に踏み込みすぎないし、牽制だとか妨害だとか、相手の隙を突いたり攻撃の予備動作を妨害したり、確実に崩してからダメージを入れるようにしている。自分が大きなダメージを与えなくても、誰かが効果的な攻撃を入れればいいって割り切った動きだ。俺が俺がになりやすいもんだと思うんだけどね。さすがは年の功ってことなのだろうか。


「高屋君、今少し失礼なことを考えていたでしょう?」


「そ、そんなことないですよ!ははは、やだなぁ秋田さん。秋田さんは一人飛び抜けて動きが違うなって思ってたんですよ。」


「英雄ホーリーに褒められるとは光栄ですね。今や玉乃井さんにも大きく離されてしまいましたが…」


「ミコトの成長速度はおかしいですよ。俺だって今は格闘戦は敵わないかもしれないし。」


「はははっ、それは玉乃井さんに言わない方が良いですよ。高屋君は自分の実力を過小評価しがちですからねぇ。」


 そんなに卑屈になっているつもりはないんだけどな。実際、ミコトの近接戦闘はかなりヤバいと思う。カグツチ様にインファイトを仕掛けている時なんて、正直ちょっと怖いくらいだったし。よく炎と剣の神様をぶん殴ろうとするよ。イワナガヒメ様の手甲があったって、俺ならごめんだけどな。


「も、もうプラーナが…少し休憩を…」


「あらもうプラーナ切れ?ちょっと吸収量が少ない気がするわねぇ。」


『でも無理したって成長が早くなるわけじゃないし、どこかで休憩しましょう。』


 少しだけ西に行ったところで個人経営のフランス料理店があったので場所をお借りする。この辺は全く人がいないから少し寂しい感じだ。


「ここのワイン、全然割れないで残ってるんだな。」


「もらっていっても良いかな?」


「くぅ~、くたくたの体がアルコールを求めてるぅ!」


「こうやって物が残っている場所が沢山あるんですよね…」


「そうですね。我々もすべてを回収しきれているわけではないですし、こちら側は探索不可地域があったこともあり、あまり探索には来れていませんでしたから、余計に残置物が多いのでしょう。」


「レベッカ、アクマってあまり物は壊さないよね。何か意味があるの?」


「別に意味はないと思うけど、ニンゲンのように食事はしないアクマが多いからかしら。プラーナがあれば生きていけるし、物にはほとんどプラーナが宿らないから。」


 少しだけ休憩し、俺達が訓練者たちにプラーナを譲渡することで回復させる。総量が全然違う感じがするなぁ。そりゃ、アクマと戦っていたらプラーナも枯渇するよなってくらいの量しか譲渡できず、いっぱいになっていたようだ。もう少しレベルアップしてプラーナの総量も増やしてもらわないとね。


「こうやって実際にレベリングしていると、ロカ・プラーナってすっごくプラーナが濃かったんだね。わたし達、あそこで修業してたから、みんなとプラーナの総量が全然違う気がするよ。」


「そ、そうなんですね。ボ、ボクはともかく、他の皆さんは、モ、モールでは戦闘が多い分プラーナの量も多いはずなんですけど…。

 あと、ボ、ボクだけ一人で戦っているのは少し、む、無茶な気がしているんですが…」


「なーにしょっぱいこと言ってんのよ。レンは私たちについてくるんだから、秋田たちと同じレベルの修行じゃ何年かかるか分からないでしょう。大丈夫、この辺りの敵なら、レンが死にそうなダメージを受けても私の回復が間にあうから。」


「し、死ぬ気で戦えと…」


「レンさん!頑張って!大丈夫!できるよ!」


 ミコトさんや、その筋肉を見せつけるポーズで輝かしい笑顔を向けられると、レンにはむしろプレッシャーだと思います。


 レンの泣き言を無視してレベリングを再開。公園や学校のグラウンドなどのように開けた場所には少し多めのアクマが集まっていたりして、一チームで複数体を相手にしてもらうなど、休憩前よりかなりハードなレベリングになってきた。


 モーショボーの空からの攻撃や、ドアマースの煙に紛れての攻撃には、かなり苦戦している。ただ、レンだけは一度不意を突かれた経験があるからか、かなりの精度で上級や煙の中のアクマの位置を把握している気がする。かなり頭が良いという話だし、すでになにかコツをつかんでいるのだろうか。


「レンさん、かなり相手の位置の把握ができていますね。何かつかみました?」


「はっ!はいぃぃ!」


 え、何その反応…俺、なにかした?


「あ、あ、すみません。そ、そのびっくりして…。コツというかできるだけプラーナを見るようにしようと、お、思ってて…。目に頼っているとドアマースに煙を出されると、み、見えないし、煙の中を全部吹き飛ばせるほどの、か、火力は無いので…プラーナを見るしかないかなって…」


 うーむ、やはり頭がいい人って対策が早いのかな。でも人間ってどうしても目に頼って生きているから、目に頼るな!プラーナを見ろ!って言われてもすぐに実践できるのは、レンの長所なのかもしれない。


「レンさん凄いですよ。確かにプラーナを見られれば、煙の中も上空も察知はできます。でも簡単じゃないはずなのに、もうものにしているなんて!」


「え、えへへへ、ほ、本当ですか?」


「このまま気を抜かずにプラーナ探知を磨きましょう!絶対にレンさんの強みになりますよ!」


「うへへへへへへへへ~~」


 あ、褒めすぎたかな。ちょっとグネグネしてて気持ち悪い感じになっちゃった。

エンカウント:Lv38 モーショボー / Lv40 ドアマース / Lv41 鳩槃荼


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