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1話 新天地

「改めまして。今日から担任になる天波万(あまなみ よろず)だよ!よろしく〜」

「えっ?えっ?」

洋介は理解が追いつかなかった

「だ〜か〜ら〜 君は今日から京都にある”祓戸神社”で[紋術]の訓練をする」

「それって頭剃らないとじゃないですか!行きたくないですよ。」

洋介は自分の育て上げてきた髪を剃ることが嫌だった、

「言っとくけど出家は神道じゃなくて、仏門だから。しかも、神社は表向き。ほんとは学校なんだよ〜」

少しほっとした。話が止まり、今まで黙っていた萩おんちゃんが気まずそうに言う

「もう私、お暇させてもらいます」

なんか生気が抜けたような口ぶりだった

「全然いいよ〜。僕はこの子に用があってわざわざ来ただけだから。」

萩おんちゃんはトボトボ帰って行った

「で、でも今から行くって....」

「そ、今から行くけどなにか必要なものあったら取りに行っても良いよ」

「もう家に行くのは良いかな...」

「分かったじゃあもう出発するか」


洋介は財布と携帯電話を持ち、飛行機に乗り込む。

「多分依頼がなかったら、ほとんど帰ってこれないと思うからしっかり故郷を目に焼き付けといてよ〜」

そこまで自分の住んでいた街に興味がないと思っていたが、やっぱり、故郷を離れることがとても寂しかった。

伊丹空港には1時間半くらいで着くらしい。

洋介は疲れたので寝ることにした


「お..、...い、お〜い着いたぞ〜 寝てる?」

洋介は目を開けるともう着陸する直前あたりだった。そこから飛行機を降り空港を出ると一台の黒塗りのベンツとドアの横にいかにもな人が立っていた

マフィアかよと思ったが一応言わないでおいた

黒服の男が喋る

「天波さん。お疲れ様です!」

流石に吹いた

万先生(?)はうざったそうに言う

「そーゆーのいいから。あと声でかいし、もっと可愛い子に任せてくんない?汗臭い男に言われてもって感じ。わかる?しかもさ、名字で呼ぶなって何回も言ってるよね?あんまし不快にさせないで。あと坊ちゃん呼びもだめね」

「は、はい!すみませんでした”万坊ちゃん”!」

「だるいって、も〜お前嫌い!」

「申し訳ございません」

黒服はニコニコしながら謝った

ここまで最悪な気分だったけど、ようやっと笑顔が出てきた

「行くぞ洋介。肉ゴリラはよ運転しろ」

万先生は不機嫌そうに言う

「はい喜んで!」

「なんか飄々としてんのもうざいしもう口聞かないわ」

先生は不貞腐れて寝てしまった...

気まじぃー。なんで先生寝るのよちょっと怖いのよこの人

僕は勇気を振り絞って声を出した

「あ、あのー....」 「そうだ...」

あっ

最悪だ、最悪の被り方した...

自分の間の悪さに泣きたくなった

「ん”ん”っ!洋介さん神社に行く前にちょっと寄るところがあるので準備しておいて下さい」

「はい....」


少しして雰囲気のある老舗の銭湯の前に止まった

「万さん着きましたよ。」

「あーごめん 俺パス、先神社行ってるわ。あの女に会いたくない。」

「わかりました」

車から降りると、

「ここって...」

「はい銭湯です。私についてきてください」

洋介は唖然としていた

ついていくと番台にいるおじいちゃんに黒服の人が何か伝え僕と一緒に銭湯の奥の方へと通された。


進んでいくと、そこにはある一人の女性の方がいた。

「今日も視て欲しい人がいるのかい?今年の入門生は豊作だね〜 あってかあのバカどこいんの?」

あのバカ?洋介は疑問に思った

黒服はニヤケながら

「あー万さんなら会いたくないとかで神社に戻られましたよ」

「ケッ逃げやがったか....あーごめんごめん洋介くんだったよね。今から行うのは”鑑定”みたいなものだ。洋介くんの右腕にいるのを調べるよ」

「この模様ですか?」

洋介は右腕を見せる

「どれどれ。おーこれはすごいね〜  火の中に恨みみたいなのが混じっている。これは”カグツチ”だね」

「”カグツチ”?」

女の人はため息をついた

「はぁ〜 あのバカはなんにも教えてないんだ。よし、私から教えてやるよ。Lesson0だ」

「は、はぁ」

「このよくわかんない模様は”祓紋(ふつもん)”、ここには神様が宿ってる」

「か...神様?!」

「人の話は最後まで聞け、それでその祓紋は神の気まぐれでつく、そして、その神特有の”(わざ)”が我々は使えるようになる。まあカグツチだから炎関連であろう。と、まあ説明はこれぐらいだ、あとは神社で聞きな。」

「は、はいありがとうございました」

帰ろうとした時、女の人は思い出したかのように言った

「黒服さん、あのバカに伝えて欲しいことがある”逃さねーからな”ってな」

「承知いたしました。洋介さんはどこか具合悪くないですか?」

不安がってる僕に優しく話しかけてくれる

「大丈夫です。僕の紋はカグツチだったそうです」

「そうですか、聞いた感じだとなかなか強そうですね。それではこのまま神社に向かいますか」

「はい...」

車に乗り込み出発する。

どんどん山奥へと向かっていく、一応自分でも祓戸はらいど神社について調べたが夏祭りの日に花火を打ち上げる場所だということしかわからなかった


車のスピードがどんどん落ちていく

着いたようだ

「着きました。降りて大丈夫ですよ。」

うん、まんま神社

「すみません黒服さんどこに校舎があるんですか?」

「神社の奥の方に建ててあります。ここからは歩きになります。いきましょうか。」


どこまでも続く砂利の道。その道の先に学校の校門のようなものが見えてきた。

「あそこです。」

黒服が言った、

山の中には似つかわしくない、まあまあ新めの校舎と寮が見えてくる校門では万先生が出迎えてくれた。

「や〜や〜 長旅ご苦労さまここが今日から君が(はらい)について学ぶところと君が住むところだよ。山の中にしては綺麗でしょ。」

「は、はぁ」

「そしてここが今から君が住む寮だよ。ゴリラ、説明よろしく!」

「洋介さん、寮の部屋は203号室ですのでお間違えのないようお願いします。制服や生活雑貨はある程度揃えていますので。」

「あ、ありがとうございます」

ここから僕の全く新しい生活が始まってゆく...





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