死闘2
6話 死闘2
綱を首にまわせたのは良かったが、首から上半身ひねりロッシュは単眼の怪力に振り回された。
「ウワッ」
そこへノノが双短剣で斬りかかる。
バガッ
っと、片腕の拳をくらった、ノノだが、叩き飛ばされた。
が、その時ノノの片方の短剣は、奴の単眼な刺さっていた。
「グッガァアア 目が!」
一つしかない目をやられたので、ヨロヨロと屋根のハズれに。
「いまだ!」
剣をなくしたレオは、単眼に体当たりをした。
単眼が屋根から落ちそうになると、先に翼に刺さってた大剣が落ちて、石畳につき立った。
そして大剣の上に単眼が落ちた。
グサりと。
「ンガァア!」
その上にロープで振られたロッシュが、単眼の胴に足から落ち。その重みで大剣はより深く、単眼の腹をつらぬいた。
「ゲッ!」
石畳の上で単眼は息絶えた。
「おーいロッシュ。大丈夫?」
屋根の上から顔を出してノノが。
「ふーっ助かった。大丈夫だぁ」
「終わった……」
「レイ腕、大丈夫?」
「大丈夫だ……。あんたたちに助けられたな」
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「強そうだったレイ・ハリーオ、結局ノノたちのおかげで……」
「レイは思ったより弱い」
「いや、ソレは違うぞ。四凶が強かったんだよ。ね、ローラ」
「だね」
「そうなんだ。ねえ、屋根の下の兵隊はどうしたの? 三人は捕まらなかったの?」
「彼らも四凶将を嫌ってたのよ。だから三人のしたことを見なかった事にしたのよ」
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早朝。ゴーラン砦の下にある王都の出入口で。
「助かったよ。ありがとう」
「いえ、あたしたちも二人じゃヤられてたよ」
「ここに100フラゼッタある。持っていけ」
「ありがとう。レイ・ハリーオ」
王城のバルコニー。
四凶将の首が並べてある。
「よくやった。噂通りだな。さすがだ……約束の金だ」
老公ロードンが、金の包みを渡そうと出した。
レイはソレを受け取ろうとした時。
ズブッ ズブッ ズブッ ズブッ
矢がレイ・ハリーオの背に。
「ナニッ……」
レイが振り返ると黒いフードの弩兵がかまえていた。
「重罪人、レイ・ハリーオ。我が国の名将四人の殺害の罪により処刑する!」
「この首が、動かぬ証拠」
「ジジィ、謀ったな」
「やれ!」
弩兵が、矢を放った。
「そんな、へなちょこ弩などで死ぬか!」
レイ・ハリーオは、折れた剣を抜き矢をたたき落として、バルコニーの柵の上に走った。
「バレミアとは、こういうあこぎな国だったのか。きたねぇ国だ。忘れないぞ!」
レイ・ハリーオは柵から城の外に飛び降りた。
「ザルアーの女神よ!」
「ロードン様奴を……」
「手負いで、この高さだ。助かるまい。奴の死体を見つけ、そして広場でさらし者にするのだ!」
「ハッ」
「終わったな」
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「え〜っ。レイ・ハリーオ死んだの」
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二部へつづく