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追っ手

4話 追っ手


 レイ・ハリーオは、テーブルを倒し鎧オオカミを防ぎテーブルごしに剣を刺した。

 腹を向けテーブルにはりついた鎧オオカミの腹を剣はつらぬいた。


「鎧オオカミの鎧は剣をとおさぬが、腹は柔らかい!」

 

 破られたドアを大カギ爪で払い除けた四凶のひとりが。

 ウルだ。


「ふん、鎧狼の一匹や二匹。このバレミアから逃れられんぞガキども!」


 ウルは頭巾をとり。


「何処へ逃げても、貴様の血の臭いで探し出す」


 ウルの顔は狼に似た毛むくじゃらの獣顔だ。

 黒い鼻が大きい。


「ウルの顔ってブタさんみたいなの?」


「ブタというより犬の大きな鼻かしら」


「じゃウルは犬みたいな顔なのね」

「狼に似てるって、ローラは言ったぞ。聞いてなかったのかよ」

「聞いてたわよ。デカいって言うから……」


「いいわよ。わからなかったら、なんでも聞いて」



「ケダモノがぁ醜いツラ出すんじゃないよ、私がバレミアを出るのはお前らの首をとった時だっ!」


「ほざけ、貴様らの首を街中にさらしてやるわ!」


 ウルは大カギ爪を振り回し襲って来た。

 三人はなんとか避けるが、狭い部屋だ。

 ロッシュの縄技は使いにくい、レオの剣も鎧オオカミの腹にテーブルごと刺さったままだ。

 幸い相手はひとり。ノノが短剣で応戦する。


 その間にレイは剣をテーブルから抜いた。

ノノが双短剣で応戦してるところにレイが、斬込む。

 ウルが避ける。


「おっと、ナニ!」


 ウルは足を何かにとられ、体制を崩した。


「かかった!」


 ロッシュが、カギ爪攻撃から逃げながら、部屋内にロープを張っていたのだ。


 体制を崩したウルの胸にノノの蹴りが入った。

 倒れたウルの額にレイの剣が。


 ひとり倒したが、やはり狭い部屋での応戦はしづらい。

 敵もそう考えていたことに三人は気づかなかった。窓から脱出し屋根伝いに隣の建物の屋根に。



「待っていたぞガキども」


「大剣のナギラ!」


 真っ平らの屋根で待ちかまえていた大柄の大剣使いは頭巾と衣を脱ぎ捨てた。


「ひとりでも殺れるといきがってたわりに殺られたかウル。貴様らはオレが!」



「大剣を使う大男のナギラは、部屋の中では戦えないから外で待ってたんだ!」


 重そうな大剣をかるく振り回すナギラの攻撃をかわし、次の建物に移ろうとしたら。

 地上から単眼の男が飛び上がった。


 衣を破り大きな黒い羽根が出た。

 皮膜の羽には鋭いカギ爪もある。


「おまえが疾風のゴランか!」


 レオは満月を背にしたゴランを見上げた。


「レオ、下には兵士たちが。デカいのは、あたしとロッシュで」


「ええ、そっちはまかせた!」


                 つづく 

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