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刺客

2話 刺客

「宿代、と夕食代使ったから、あの娘の仇は100フラゼッタ以下だよ。あんな仕事を命がけでするのか」

「なんか、ムカつくのよ、あの連中も街の連中も」

「そんな個人的理由で……」


「ええ、世の中には殺っていい奴とダメな奴がいるわ、あいつらは……。行くよ。ロッシュ!」


「おい、待てよノノ」



 ローラン砦から見える王城。


「なあウルよ、いつかあの城に住みたいとは思わねぇか。この砦よりずっと住心地いいだろ」


「だろうな。奴らは俺たちが傭兵だったから、城に入れるのをこばんだ。差別もいいとこだ」


「将軍などと呼び、かついだ結果が王都の番犬だ」

「番犬ねぇ俺に似合わんでもないが」


 男は獣の顔をマフラーから少しだした。


「ガハハちげいねー」

「冗談だ笑うなゴラン。あの城に住むとは、王になることか」

「ああ、今のバレミアには、わしら以上にウデのあるやつもいない。派手に謀反でもするか」

「俺もそう考えてた皆に話そう……しかし、ゴラン。王が多いだろ」

「かんたんな事だ国を4等分すればイイ。荒れ地が多いが、ここは土地だけは広い」


「たわけた妄想だな、王は一人でいい!」


「ナニモンだ娘、どうやって砦に!」


「名のる刺客が何処に居る。お前らの首をもらいにきた」


「刺客……誰に頼まれた」


「それも言う刺客は居ない!」


「ああ、聞いた俺が悪かった。しかし、刺客と名のって堂々と来るとは、腕に自信があるようだな女」

 

 ウルという男が大きなカギ爪の右手を刺客に。


 咄嗟のジャンプで、かわし刺客は、ウルのうしろにいる単眼のゴランに空中から斬りかかった。

 それを短刀でうけたゴラン。


「なかなかの身のこなしだ、嬢ちゃん!」


 刺客は短刀払い腹を斬った。が、ギガッと鈍い音が。


「その衣の下は鎧か!」

「用心深いんだオレは!」


 短剣で刺して来たのを後退して避けた刺客の後方に砦の通路から二凶将が。


「クセモノか、ゴラン!」


「逃げられんぞ袋のネズミだ!」


「小娘が、わしら四将を相手に出来るかな」


「一つ目、貴様がリーダーのゴランだな、かえって良くなったよ。いっぺんに首がとれる」


「ほざけっオンナ!」


 あとから来た鋭い目の大男が背の大剣をぬいた。

 それを横っ飛びで避けた刺客。

 斬りかかりの勢で刺客の後のゴランの前まで。


「気をつけろ、わしを斬る気かデカぶつ!」


 横っ飛びした刺客にウルのカギ爪が襲う、うまくマントで避けたがマントはカギ爪で切られた。


「チッちょこまかと」


「とおっ!」


 仕込み杖の剣抜いた男が斬りかかった。

ひと剣はかわしたが、二手目が腕を斬った。


「小娘、次は腹だ!」

 

 そう言った仕込み杖の男は首に違和感を感じ、後ろに飛んだ。

 男の首にロープが!


「ロッシュの投げ鉄玉綱だ!」


「こら、先に言っちゃダメだ」


「そうよ、わたしだってわかったわロッシュの投げ綱技だって、なのにおねえさんより先に言ってはダメよ」


「あたしもわかった!」


「ぼくも」


「みんな知ってんだからいいじゃん」


「こういうのはわかっても言わないのがエチケットよ」


「なんだよ、そのエッチってよ?!」


「まあなんでもいいから次を聞きましょうよ」


「げっ誰だ!」


「名のってわかるほど有名人じゃねーわ!」


               つづく







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