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オズ5

「オズ5」


 東の山々の上に陽は、すでに昇っていた。


  ♪そしてまた陽はのぼるぅ ソレはあなたのためだけじゃなくぅ ポロロン


 あら、早いわねぇもう子どもたちが。


 畑に向う村の老人たちとすれちがう。


「おはようローラ」

「おはようございます ♪ポロロ〜ン」


「お、おねいさん来たぞ」

「遅いよローラ。もうすぐお昼になっちゃうぞ」


「ごめんごめん、昨夜のショーが長かったんでって、お昼はまだまだよ」


「お寝坊さん?」


「違うわよ。あ、下着履き忘れたわ。マリアと一緒ね」


「マリア、ちゃんと履いてるよ」


「さて、では最初にリクエストに、こたえて一曲


♪タララン、ランラン そこを行くおねえさん、そんなにうかれて何処へ行くのかなぁ〜

 もうすぐ森よ、そこにはわたしの婿さまが待っているモ〜リ〜。

 タララン、ポンポン あなたのような美人さんなら、きっとハンサムな婿さんなのねぇ〜。

 そんなことはないわぁ〜。

 婿さまは森のケダモノだものぉ〜ココロやさしいぃ〜♫」


「変な歌」

「子供にはわからないのさ」

「ビンだって子供じゃない」

「オレは大人だ毛が生えた」

「え」

「ホラ」

「なんだ、わきの下じゃない」

「リマ、どこだと思ったんだ」

「バカ」

「マリアも生えてるよホラ」

「おっスゲー」


「ハイハイ、はじめるよぉ。岩屋に叩きつけられたオズ・ラッセルからねぇ」


「オズは、かてるの?」



 オズは、獣鬼が落とした剣を拾い立ち上がった。

 獣鬼はするどい牙をむいて襲って来る。

 剣で避けるとまた、太い腕が、今度は剣を突いて応戦したオズ。

 突き攻撃で、後退するオズ・ラッセル!


 獣鬼のふところに入ったオズは厚い胸板に刺さった折れた槍を掴み、オズは押し込んだ。


  グッガ


 と、怯んだとこにオズは槍に足を乗せ、獣鬼の肩に乗った。

 後頭部を腰の短剣を抜き斬り裂いた。


 血飛沫があがった。


  ガッアア


 短剣を持ったまま、獣鬼の前に下りたオズは一度しゃがみ込み、片手の剣を下アゴから。


  グッ、バギャッツ 

  ンガァアアア


 アゴ下から剣が刺された獣鬼だが、同時にオズの腕が掴み潰された。


 オズの腕が。


 剣がアゴから突き刺さり、血で赤く染まった銀毛。獣鬼はよろけて後退すると。

 崖から転落した。


  ンガァアアアアアアア


「あの傷でここから谷底に落ちたら助からねぇな」


「オズ、大丈夫?!……腕は……」


 深夜の死闘が終わり朝がきた。


 朝食を終えて村を出る傭兵たち。


 遠く片腕のオズが、村の丘で手を振るのが見える。


「たっしゃでなぁーオーズッ」


 フロッキオが、夕べ徹夜で直した槍を上げ。

 バンギスとマコも手を振り返した。


「復讐のために兵士になった男だ。ソレを終えたのならあの村で……」

「だな、本隊に戻ったらオズ・ラッセル戦死と報告しておこうぜ」

「いや、行方不明でいいんじゃないか。死んだわけじゃないし」

「報告はあんたに任せるナンム」

「ハッ、フロッキオ隊長代理。ハハハハハ」


 彼らが無事に本隊に戻ったのはこの日より二日後であった。


「バレミアがらみの話はこれでおしまい」


「ねえ、ロッシュは、どうしたの? リック王は戦争に勝ったの?」


「学校で、習わなかった?」


「オレら貧乏だから学校いってないんだ」


「まあそうなの……」


「歌なんかもジイさまが教えてくれる子守唄か、いくさ歌しか知らないんだ」


「そうか、じゃ今度は歌を教えよう」


 ローラ・レイは、鎧ネズミに乗り。


「また、来年に。じゃイイ一年を」


「さよなら。おねいさん!」

「またね~」

「行っちゃた」


「あの人は、忙しい人なのかな?」

「こんなとこに、わざわざ来るんだからヒマな人だよ」

「そうかしら」



「帰ったのかローラ・レイは」

「あ、谷の村のジイさん。ローラさん知ってるの?」

「下の谷にもよく来るからな。わしら老人に歌を聞かせてくれる。お、そうだビル。オズジイはまだ居るかい。もう畑に出たかな」


「オズジイ?」

「山小屋の片眼片腕の」

「えっあのジイさんオズってゆーの」

「そうだ、この村にずっと住んでて知らんのか」

「ずっとて、あたしたち子供だから」

「ねえもしかしてあのジイさんはオズ・ラッセル?」


「ありえねぇよ。この世界がヒト族だけになって何年立ってるとおもう?」


「なんの話か知らんが、ヒト族が世界を統一して五百年だ、ぼーず。亜人を見なくなったのは百年くらい前かの」

「え〜ジイさんて今いくつ?」

「わしは120才だ」


「ありえねぇよ。あのジイさんがオズのわけない」


                 おわり

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