オズ4
「オズ4」
「俺の酒に付き合えないのか、女! ウィ」
グドールの奴、村の女を。
「隊長さん、娘を離してくだせい」
「うるせいババぁ」
まったく、困った隊長だ。あ、娘の母親を蹴り倒した。
「バンギス、フロッキオ。あのヤローを」
「待て、ナンム」
「おい、オズ」
オズ、あたしを止めるのか。
あのグドールを、止めたオズが。
「やめろ、グドール。それでは、鬼蛇どもと同じだ」
「ナニぃ〜若ぞぉ」
「あんたは、いつもそうなのか。そーやって占領地でやりたい放題。畜生め!」
「ゆーじゃねぇか、たかが傭兵風情が、おまえら傭兵は、勝てばあっちこっちでもっと、ひでー事してるぜウィツ……俺は優しい方だ!」
「元モリシア傭兵軍副隊長グドール。いや、カマラス・ゴーガン」
「なに〜なぜ、俺の古い名を……貴様、何者だ」
「オレは、傭兵になりおまえのコトを調べあげた。十年前におまえは、この地に来ているのを忘れたか」
「忘れたわぁそんな昔の事など!」
「あるヒト族の村で、そうやって女を……斬り殺し、その女の弟の目を」
「はぁ〜戦で斬った連中の事なんか大勢いすぎて憶えてねぇーな」
「あの時、お前らが村で……。皆、冬を越せず……。オレは忘れていない!」
「だから、なんなんだ。俺を……どうするんだ若ぞー ああ?」
「おまえを斬る!」
「ああぁ俺は貴様の上官だぞ! おい、ナンム、バンギス、そいつを斬れ。反逆罪だ、そいつを斬れ!」
「なんか、聞こえたかバンギス」
「いや、な〜んにも」
「貴様らぁ」
「ぬけっグドール」
「俺を……。わかった相手になってやる」
「行くぞ!」
オズは堂々と正面から斬り込んだ。グドールも避けずに。
ダッ
グドールの剣が、落ちた。
「なかなかのウデだ……若ぞーだが」
グドールは、一歩後退して。
「これからだ若ぞー!」
ウガッ ビリビリ
グドールの身体が大きくなり衣服が破れて、両方のこめかみから角が生えた。犬歯が太く伸び尾が生え全身銀毛のケダモノの姿に。
「グドールが化けた」
「貴様は獣鬼族……」
グオォオオオー
オズの二倍くらいある獣鬼が、襲いかかる。
剣が獣鬼の口で咥えられ、デカい熊のような手で叩き飛ばされたオズが、あたしらの前に。
「オズ、大丈夫か?!」
「大丈夫だ、が剣を……」
「オズ使え、俺の槍はあの化け物でも折れないぜ」
「ありがとうフロッキオ」
「オズ、オレも助太刀を」
「いらない、バンギス。奴はオレがひとりで殺る」
「どあっ!」
オズは、フロッキオの槍で、突進し獣鬼の胸を刺した。
グオッ
「やった!」
ガァアアア
槍を掴み折ると、オズごと槍を振り回し。
「まさか、俺の槍が折れるなんて!」
オズが、岩屋に叩きつけられた。
「グッ……まだぁ」
∇
「果たしてオズは、この凶暴な獣鬼に勝てるのか?今日は、ここまで。ホラ、もう日が暮れる。明日は朝食がすんだらココに」
「え〜おねいさん。いいとこでやめるな」
「こういうのはそういうもんなんたビル」
「まあタダで話を聞かせてくれるのだから文句は言わないの。ローラさんは、町では1フラゼッタも払わないと聞けない人気吟遊詩人よ」
「ローラさんは、歌も」
「そうなんだ。おねいさん、今度は歌も聞かせて!」
「あんたぜいたくよ」
「ええ、今度ね。じゃまた」
ローラ・レイはあの大きな鎧ネズミに乗り町の宿へ帰って行った。
つづく




