ノノ・ナンムの冒険より「オズ・ラッセル」
ノノ・ナンムの冒険より「オズ・ラッセル」
世界はひとりの王「ラ」によって支配されていた。
が、地下の王「ディ」の反乱によって暗黒の世となり、地上には、地下の魔族や奇々怪々な生物が現れ地上を跋扈しまわるようになった。
しかし、「ラ」の息子「テラ」によって暗黒の時代は終わり再び世は明るい世界に戻ったが、「ディ」の時代も永かったせいもあり、地上はヒト族をはじめ多種多様な生物の世界になった。
「テラ」の世が終わって七千年。
世界には小さな国々が出来。我国を死守し、他国を攻め、領地を増やそうと争っていた戦国時代になっていた。
バレミア国を手に入れたリック・ライバーは国名を「ハリーオ」と変えロガン国、サパダリアをたおしマルル王国と共に南部を支配した。
南部の大国だったマルル王国は東のチャガ国に敗れ、チャガはハリーオに侵略した。
新生ハリーオの軍は苦戦していた。
リック王は、蛮族だった経験もいかし、各地から強者を集め傭兵軍を作り彼らを使いゲリラ戦をいかした。
この話は国境戦で活動していた傭兵隊の物語である。
「キャーッ」
ザッ
「女、大人しくオレに抱かれれば死なずにすんだものを……」
「姉さん! このヤロー」
「ガキがぁどけ!」
「うわぁああ」
少年は傷ついた片目をおさえた。
「どうしたオズ」
隣で寝ていた首長トリ族の兵士だ。
「夢を見た……昔の」
うなされて目覚めた黒眼帯のオズに。
「若いのぉ戦場での眠りが悪夢とは……。ワシもはじめはそうだった」
最年長のヒト族のジイさんがカナの実で作った容器から一口飲んで言った。
「おいらたちは、帰れるかな? 救援は来るかな」
彼は単眼族の若者だ。マコという。
傭兵のわりに気弱なトコがある。
彼の横で寝ていた顔に大きな傷のあるパナ族の青年バンギスが。
「オレたちは傭兵だぜ。敵陣に残されたオレらに本隊が救援なんかよこさねーよ」
「自力で帰るしかあるまい」
立ち上がったのは、この傭兵隊の隊長グドール。
パナ族より白い荒々しい頭髪と濃い眉毛の銀髪が目立つ。いかつい顔でいばりくさった態度が気にくわない奴だ。
「敵陣を突破して帰る。それか、本隊がチャガの侵攻軍を叩くまで、ここで待つ」
「こんな洞窟で永々と待てるかよ。食い物もないんだ。あたしは敵陣突破を選ぶよ」
あたし、ノノ・ナンムは傭兵としてリック軍に参戦した。
早いものでリック・ライバーが王になって十年はたっていた。
あたしらは一番目立たないジャングル行を選択した。
先頭に目が良い単眼族のマコが。
その後に隊長、そしてヒト族のジイさん。
ジイさんは、誰も名前を呼ばないので名は忘れた。
「油断するな。敵の罠があるかもしれねぇ。気をつけろよ」
「こんな道もねぇとこにかジイさん」
ジイさんの後はパナ族のバンギス。
バンギスは昔の相棒ロッシュと違い背が高い。ロッシュと同じような雪虎の毛皮を衣にしている。武器は腰の剣だ。
縄術はロッシュの特技でパナだから使えるわけではないらしい。
「道がねぇからヒトが通らんとは限らんだろ若いの」
「そうだ、現に我々が通ってる」
「ひいっ穴が!」
「ホラあっただろ」
「アレはリック軍の兵士だ」
穴の底には無数の鋭い剣が立っていた。落ちた兵士は。
「罠で死ぬような奴は能無しよぉ、行くぞ」
グドールは、罠に落ちた兵士をあざ笑うように言う。
ガッ
「ナニ?!」
「ジイさん!」
数本の矢が飛んできて一本がジイさんの頭に。
「伏せろ!」
つづく




