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「復讐編7」

「復讐編7」


 ボロボロのレイ・ハリーオを背負ったリック・ライバーの背後、少しの上に影が揺れて現れた者は。


「お頭様、お待たせしました」


「ディア、おそいぞ!」


 リックにディアと呼ばれた者は黒い魔道士衣に頭から身体をおおい、額に赤い宝石を付けたシンプルな仮面を付けた者。


 仮面の両横から流れる長い髪も漆黒。

 あきらかに魔道士。

 声だけ聞いても性別は判断不可能だ。

 


「では、バレミアの諸君。次は戦場で会おう」


 背後の魔道士ディアが黒衣でリックをおおうとふたりは闇に消えた。


「おおっ……消えた」

「戦場だと……」



 翌朝 バレミアの王都から少し離れた高台の大草原。


 一見普通の商人の馬車や旅芸人の馬車。ボロ衣の旅人に物乞い姿の者、鎧姿の戦士も見える。


「おう、大分集まったな」


「おまえの薬売り姿もさまになってるな」


「おい、あっちの馬車で武器を。早く着替えろ!」


 草原に集まった連中は、変装した兵士のようだ。



「お頭、全員到着しました」


「ああ、いま行く」


 テントからリック・ライバーが肩当てと膝当てのかるい装備で出てきた。


「こいつらどうします」


 角の付いた鎧姿の兵士は、バレミアの魔道士ギガが放った偵察の黒い生き物の死骸を指さした。


「そんな物、焼いてしまえ。目障りだ。ディアは居るか?」


「ここに」


 仮面は昨夜の物と違い黒い。額の宝石は透明で朝日でキラめいていた。


「戦時はどうだ?」

「はい、早朝はよろしいと占がでております」


「お頭、国境ではマルルの兵が攻撃を始めたと」


「そうか。が、我らはマルルの兵隊を待たずに城下の中からバレミアを討つ」


 戦闘馬に鞍替えした愛馬にまたがったリック・ライバー。


 商人や旅人だつた連中が鎧や武器を持ち、馬上に姿をあらわした。

 別人のような皆、勇猛そうな出で立ちだ。


 リック・ライバーと魔導士ディア、角の鎧の兵士が彼らの前へ馬に乗り姿を見せた。


「みんな、準備はいいか!」


  オオーッ


「バレミアは、我らガロがおとす!」



 バレミア国創立以来百年。

 ゴーラン砦の四凶将と怖れられた魔族兵を失ったバレミアは、わずか半日でおちたという。


               つづく

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