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なろうラジオ大賞2

貴方が落としたのはどの聖女ですか?

作者: 高山小石
掲載日:2020/12/19

 泉の上に泉の精が現れた。

 その左右には、ずらりと12人の同じ顔で同じ服を着た聖女が並んでいる。


「『選択の泉』か。それにしても端のは明らかに違うだろ!」


 勇者は両端の聖女を指した。2人は服がはち切れそうな筋肉聖女とグラマラス聖女だ。


「それは貴方が決めることです。さぁ選んで」


「そ、そんなのわかりきっている。オレをかばって泉に落ちた心優しい聖女は……」


 勇者は残り10人の聖女を見るが、残り10人はほとんど変わらない。

 強いて言えば髪型が若干違う、か? 化粧の仕方も……って、そんなの覚えているもんか!


 勇者は片手を挙げ「すみません。ヒントお願いします」。


「良いですよ。聖女のお好きな花は?」


 10人の聖女はそれぞれ答えた。


「白ユリは思い出の花。いや、ピンクのバラも喜んでいたな。でも、ヒマワリ畑もラベンダー畑も好きだって」


「その4人の中から選びましょうか」


「う。追加のヒントお願いします」


「なにを聞きたいですか?」


「オレのことをどう思っているかで!」


 無表情で「好きです」。


 ため息に続けて「キライ」。


 ニヤニヤして「あったま悪そう」。


 恐ろしそうに「人前ではとても口に出きません」。


「え。これ『好き』で正解?」


「ファイナルアンサー?」


「ううっ」


 勇者の視線がグラマラス聖女に向いたのを、泉の精は見逃さなかった。


「他の聖女にも質問して良いのですよ?」


「じゃあ、両端の聖女に聞きます。オレのことどう思っていますか?」


 鼻で笑いながら「弱そう」と、筋肉聖女。


「おいしそう」

 グラマラス聖女の蕩けるような微笑みに、勇者はぐらりと傾いた。


「『選択の泉』で選んだ相手は、元の方と違っていても、元からその方だったことになりますよ」 


「それって」


「明らかに違う相手を選んでも良いのです」


 勇者の心は決まった。勇者がグラマラス聖女の手を取った瞬間、勇者とグラマラス聖女はかき消えた。


「選択神様、ありがとうございました。これで勇者様を選び直すことができます」


 『選択の泉』とは、異世界を(また)に掛けるマッチングシステム。

 王族勇者聖女など立場的にパートナーを変更しにくいはずなのに、あまりにも多い婚約破棄に心を痛めた神々が作ったシステムだ。


 世界には自分と同じ顔をした人間が3人いるのだ。異世界や並行世界まで含めば、その数は相当数にのぼる。

 希望すれば候補者が集められ、選択者が選択した世界に行った隙間に新しく入れられる。


「新しい勇者はこちらから選んでくださいね」

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いアイディアですね。 やっぱり、この勇者はグラマラス聖女を選ぶんだ……。
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