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はじまり

とある名もなき寂れた町。その町にある教会に溢れんばかりの行列ができていた。

「さあ!神様に献納するのです!!」

礼拝の服を着た象の獣人が祭壇の前で手を大きく広げ、響かんばかりの声で言った。

その両脇には武装した犬の兵が立っており、目まで兜で隠し威圧的な感じであった。

象の前にはガリガリにやせ細った様々な種類の獣人が供物を献納しようと並んでいた。

その列の中、土まみれでボロボロになった服を着て、片手にやせ細ったニンジンが数本しか入ってない大きい献納用のかごを持ち、もう片手に頬がこけた子犬の獣人と手をつないでいる犬の獣人がいた。

「お父さん。いつ終わるの?早くご飯が食べたい」

子犬の獣人がかごを見つめながら言った。

「もうすぐ終わるから。これが終われば神父様がご飯をくれるから我慢するんだよ」

そう言ってる間に、自分の番が回ってきた。

父親は子供の手を離し、両手でかごをもって象の神父に献納した。

神父はそれを受け取ると、眉間にしわを寄せ不満げに受け取った。

「だんだん酷くなっているのです。作物が育つための水もなく、雨も降らず、干上がった土になってしまって—―」

「で?」

冷や汗をかき、弱弱しく言い訳をする獣人の言葉を遮るように、神父が言った。

「少なく献納すれば、神はお許しになると?」

「そんなことはありません!やっとの思いで育てたものです!自分はおろか、子供にろくに物を与えることができずにいるのです!どうか!どうかお慈悲を!」

ひざまつき神父の手を掴み、手の甲に額を当てて慈悲を求めた。

「確かに。子供にもろくに食事を与えてないようですね」

手を振り払い、子供の前に立ちまじまじと見た。

「まあ、いいでしょう。この様なことがあって神はお怒りになるやもしれません」

神父は子供を片手で抱きかえ、父親に背を向けた。

「ただ、腹がすいてるとはいえ、自分の献納品を盗むのはよくないとしつけなかったのですか?」

子供の懐からリンゴを取り出し、父親の前に持っていきながら言った。

父親は目を大きく開き、違うと言おうとしたが兵隊に抑え込まれた。

その様子を見た子供は弱弱しく今にも消えてしまいそうな声でお父さんとおびえながら言った。

「母親がそうなら子も子だ。処刑台の準備を!」

兵士たちが奥からギロチンが運び込まれ、子供の前に置かれた。

状況が理解できない子供は抵抗する暇もなく神父に拘束された。

拘束され、やっと状況が飲み込めた子供は助けを求めた。

「嫌だ!怖いよ!お父さん!」

父親は子供を助けようと兵士に抵抗するが、数で抑え込まれ何もできずにいた。

こんな状況が目の前にあるというのに、誰も何も見て見ぬふり。ただ、黙って下を向きながら怯えているだけ。

「皿を用意する。いつでもできるようにしておけ」

兵士にそういうと、神父は受け皿を取るために祭壇に体を向けた。

祭壇の前に立ち、祈りを少し捧げ皿を手に取った。

そして、子供のほうに振り返った。

だが、神父の目の前には拘束された子供の光景ではなかった。

そこにあったのは黒いローブを被った何者かがいた。

処刑の邪魔をされ、少し苛立った神父が何者かかどうか問いただそうとした瞬間、ローブの中から鈍い光を放った短剣が神父の鼻を切り落とした。

「ぐぁぁぁぁぁぁッ!!」

神父は叫び声をあげ、血を勢いよく吹き上げながらその場に倒れた。

鼻は受け皿とともに落ち、皿は割れ、破片をまき散らした。

「衛兵ッ!衛兵ッ!」

神父が傷口を抑えながらそう叫んだ。

だが、誰も神父を助けようともしない。

「何をしているか!?衛兵ッ!」

体を起こし、兵たちのいるほうへ顔を向けると殆どの兵が胸や頭に矢を受け倒れていた。

そして、先程鼻を切り落としたローブの者は子供を拘束から解放し、父親の近くまで連れて行った。

父親を抑えていた一部の兵は父親から離れ、腰を抜かし息を荒げていた。

「お父さん!」

子供は父親のほうへ駆け寄った。

父親は兵をどかし、子供へと駆け寄り抱きかかえた。

「よかった!お前が無事でよかった!」

涙を流し、子供を強く抱きしめた。

「怪我をしていますね。そのまま動かないでください」

身の丈140㎝位の白いローブの者が父親の体に手を出すと、兵に抑えられたときについた傷がみるみる治っていった。

「象の鼻は器用だと聞いたけど、あれは神父よりスリのほうが向いてるね」

「こんな子供までギロチンに掛けるなんて、最悪な連中ね」

黒いローブに続き、入り口から紫のローブを身に着け、胸くらいまである杖をゆかにつきながら向かってきてる。

「でも、いきなり鼻を切ることはないんじゃない?」

紫のローブに続き、緑のローブに隠しきれないほど大きい体の者が弓を片手に入ってきた。

「4人組、、、ローブ、、、もしやお前らは!?」

神父が察すると同時に、残りの兵が剣や槍を構え始めた。

「そう。俺らは『夜明けのアサシンズ』」

黒いローブの者はローブを兵に向かって投げ捨てた。

それによって視界が遮られた。

兵はすぐにローブを払いのけたが、そこにいたのは3人だけだった。

「やめろ!待て!待ってくれ!」

神父の前にいたのは腰に刀を差し、両手に短剣を持っているチーターの獣人がそこにいた。

それに気づいた兵たちは向かおうと走り始めたが、目の前に炎が上がり壁のように立ちふさがった。

「邪魔はさせない」

紫のローブから三毛猫の獣人が顔をだした。

「やるというのであれば、僕たちが相手します」

白いローブから黒柴の獣人が顔をだした。

「アサシンなのに、なんでこうなるの?」

緑のローブからクマの獣人が顔を出した。

3人はそれぞれ武器を構え始めた。

三毛猫は魔法の杖を構え演唱し始めた。

黒柴は首にかけてある大きい数珠のようなものを引きちぎり、バラバラになった球を宙に浮かせ自分の周りに浮かせた。

クマは弓に矢を通し、引いて構えた。

一方、神父は炎の壁に囲まれ、逃げ場をなくしたうえに短剣を構えてるチーターの獣人が立ちふさがってあたふたし始めた。

「気に食わないからって、子供に盗みの無罪を着せてギロチンに掛ける。神父とは笑わせてくれる」

チーターはゆっくりと近づきながら言った。

神父はビクビクと震えながら近くにあった燭台を手に持ち構え、立ち上がった。

だが、すぐ短剣で払いのけられた。

「献納品からリンゴをくすね、それを子供に押し付け盗みに見せかけた」

「助けてくれ!頼む!」

神父はズボンにしがみつき、許しを請いたが、チーターの目には慈悲のかけらも残ってないのが感じ取れた。

自分はもう助からない。ここで殺されると覚悟したのかその場に座り込み、失禁で床が濡れ始めた。

チーターは短剣を胸にある鞘に納め、神父の服を掴み、ギロチンの台に拘束した。

それが終わると、炎の壁がなくなりギロチンに掛けられてる神父と打ちのめされた兵の光景がお互い見えた。

「こっちももうすぐ終わる。もうすぐこの闇から解き放つ」

チーターは神父の前に立ち、大きく息を吸った。

「みんな!聞いてくれ!」

チーターの声に怯え切っていた民の注目が集まった。

「もうこの政策に怯えることはない!新しい住居を用意してある!ここのようにやせた土地ではない!奴らに命を奪われる心配もない!いい医者もそこにはいる!もし、自分の家族や命を大事にしたいと思うなら俺についてこい!」

この声に反応し、怯え切っていた民は近場にいた者の顔を見合わせ様子をうかがっていた。

「頼む。連れてってくれ」

真っ先に反応したのはさっきの親子だ。

「この子の命が助かるなら、この子だけでも連れてってくれ!」

「私の子もお願い!」

大衆の中から母親らしき獣人が赤子を抱えてチーターの目の前に来た。

それに続き、我が子を思う親や病気の家族を抱えてる獣人が続々とチーターの目の前に来た。

チーターと三毛猫は顔を見合わせ、互いがうなずくと三毛猫は教会を出て行った。

「そんなに慌てなくても、ここにいる皆さん全員行けますよ!」

大きい声で黒柴が言った。

「いま、転送魔法の準備をしていますので、荷物をまとめてくださーい」

クマが笑顔で言った。

それを聞いて一同献納用のかごをその場に捨て、教会を出て行った。

「あのー」

先程の親子がチーターに声をかけた。

「あなたのお名前を聞かせてください」

「おれ?俺の名前はガナード。ガナード・グウォーデン」

「ありがとうございます。ガナード様。この御恩一生忘れません」

父親は深く頭を下げた。

「ありがとう!チーターのお兄ちゃん」

「お父さんと仲良くな」

チーターは子供の肩に手をポンと置いた。

さあ、行こうと言い、親子は教会を出た。

「戦争でも起こそうとしてるのか?」

拘束されている神父が睨みつけながら言った。

「このまま続けば、いずれは大きな戦争になるぞ?」

「かもな」

チーターは神父を見ることなく、背を向けたまま答えた。

「正気か?我が国の事、知らないわけではないだろう?」

「知ってるよ。お前らの戦力、技術、兵の数、色々とな。けどよ」

チーターは体半分だけ振り返った。

「このまま罪のない奴ら、純粋無垢な子供がみすみす殺されるのを見てろってか?」

「それもこれも神の定めだ。ただ黙ってわれらの下す刑を受け入れてれば幸せなのだ」

「そうか」

チーターは神父の所に行き、ギロチンの刃と結ばれている縄を解き、それを神父に生えている牙に結びつけた。

神父は歯を食いしばってこらえ始めた。

「もし、神がいるなら、残りの兵に助けてもらえるかもな。いなかったら、今まで死んだ奴に詫び入れるためにあの世に行きな」

そう吐き捨て、残ったメンバーと一緒に教会を出ようとすると神父が笑い始めた。

「いいでしょう!そのかけに乗りましょう!もちろん、私が勝つに決まっているがな!」

神父を後にし、教会の扉を閉めた途端牙の折れる音が教会中に響いた。


その後、三毛猫が開いた転移の魔方陣によって民を避難させ、ガナード達も魔方陣で行った。

「お帰りなさいませ。ガナード様!」

転移された瞬間、お出迎えの従者たちが駆け寄ってきた。

「俺の事はいいから、あの人たちに服と食事を提供してくれ」

「分かりました」

従者たちはいそいそと転送室からでた。それに続きガナード達も出て行った。

そこを出ると、町の中央広場へと続く道があった。

「俺はお祈りをしに行く。みんなはどうする?」

「私は疲れたから寝る」

三毛猫、もといミール・マル―シャルは自分の住居へと戻り始めた。

「僕もおっしょうさんに報告しますので、離れます」

黒柴、もといマコト・クラウチも自分の住居へと戻り始めた。

「私は付いて行こうかなー?お祈りが終わったらご飯食べるでしょ?一緒に食べましょうよ」

クマ、もといヴァル・ヴォデ・マキュリーは俺と付いて行くことになった。

「分かった。けど、お祈りの邪魔はしないでくれよ」

「はーい」

俺とヴァルは町の中央広場を抜けた先にある女神像を祀った教会へと向かい始めた。

この町は先程と敵対している国から遠くにある。町は今までガナード達が助けた人たちで成り立っている。かつてあの神父のような者に町を乗っ取られ、ひどい仕打ちを受けたものを今回のように助けて人口を増やしている。

この町周辺の土地は特殊な土地で作物は水と日の光があれば3~7日で育つ。そのおかげで十分な食料の供給が可能で食糧不足の心配はなくなった。

十分な食料がいきわたったおかげで、力をつけた人たちは次々と住居を立てるだけでなく自分の特技を生かし店を構え始めた。おかげでこの町は急速に発展している。

ガナードはこの町がみんなにとって楽園になるようにと「パラダイス」と名付けた。

ガナード達が町中をあるっていると前に助けた人たちがガナードに近寄り、何度も何度も助けたことに対してお礼を言うだけでなく、自分の店で一番の物を渡そうと群がった。

「ガナード様だ!またお会いできて光栄です!どうか、収めてください」

ハイエナの獣人は自分の肉屋から極上のサラミを引っ張り出し、ガナードの目の前に出した。

「ガナード様!私んところのチーズいるかい?」

牝牛の獣人がチーズの塊を取り出し、俺の横に立った。

「どうぞ、ガナード様。あなたにお似合いの一級品です」

オウムの獣人が真珠のネックレスを持って近寄ってきた。

そのあとも続々と群がってきたが、ガナードは何一つ受けとることなく通り過ぎた。

「いいよいいよ、大丈夫。気持ちだけでいっぱいだよ。どうもね」

「相変わらず人気者だよねー」

ヴァルがニコニコしながら言った。

「まさか、ここまで感謝されるとは思いもしなかった」

「そりゃあ感謝するよ。あんな恐怖政治から解放して、無茶苦茶な献納で死ぬ心配もなくなって、子供やお年寄りも安全に過ごせるような場所をほぼ無償で提供しているし、頭が上がらないよ」

「以外にも住民がしっかりしているから達成できたことだし、俺がやったのはきっかけを作っただけだ」

「それのおかげで幸せになってるの。だから、もう少し自信持ったら?」

「まあ、暗殺の腕が上がったら考えとくよ」

「それもそうだね」

そんな会話をしてるうちに教会についた。

「じゃあ、行ってくる」

「はーい」

ガナードは教会の扉を開けると、大きいドラゴンの獣人が大きく翼を広げ剣を地面に突き刺し、まるで祈っているような像が目に入った。

その像の前に立ち、胸に手を当て跪つき目を閉じた。

すると、どこからともなく声が聞こえ始めた。

「起きなさい。ガナード」

ガナードが目を開けると、何もない空間に先程のドラゴンの獣人が剣を地面に突き刺し、たっている。

「こっちへ来なさい」

手招きをした。

ガナードは立ち上がり、ドラゴンに近づいた。

「右手を出しなさい」

そのままガナードは右手を出した。

すると、次の瞬間ドラゴンが手を勢いよく叩き落とした。

「いった!」

手をひっこめ、たたかれたところをフーフーと吹き痛みをひかさせようとした。

「いったいいつになったらまともな暗殺をするの!?」

腰に手を当て、あきれんばかりの顔でガナードを見ている。

「そんなことを言ったって女神様、俺は経験もなければ知識もないんですよ」

「だからそれを補おうとしようとチーターにしたんじゃない」

「足が速くて体が軽いだけじゃないか」

「ぴったしじゃない!」

ったくとため息交じりに言い、女神様は地面からソファーを呼び出し、それに座り分厚いベーコンとハムの間にスライスチーズを挟めたサンドイッチが乗ってる皿をどこからか引き寄せ、それを手にし食べ始めた。

「5キロ痩せたのに、無駄になっちゃったじゃない!」

「食べなきゃいいじゃん!」

「うるさい!」

女神様はソファーに寝始めた。

「この町があっちの国にばれないように結界を張ってるの大変なのよ!」

「その結界のおかげで作物がすぐ育って、食べ物が増えて、前まで食えなかったその贅沢なサンドウィッチだって食えるようになったじゃん!」

「それはいいことだけど。それとこれは別!」

「暗殺する理由はこっちだって知ってる。こっちには戦争する戦力はない。けど、ほっておくとどんどん侵略していっていずれは自分の所も占領下になってしまう。さらに変な力を手にしてから戦力が増したうえに土地が枯れる現象が起きている。それらを防ぐために神父と兵を無力化して、施設を破壊し、混乱に乗じて民をこっちに移住させる。それによって食料の供給源がなくなり、施設を直す奴が減って労働により疲弊していって機能しなくなり実質無力化させるという方法」

「それを可能にするために各地から仲間を呼んだってのに、噂が広まってるじゃない。なによ『夜明けのアサシンズ』って。まあ、今のところ助けた町は使い捨てにするつもりだったらしいから大して問題にしてないけど」

「てか、さっきの作戦って大きい町を攻める時ちょっと厳しいんじゃないか?」

「その時になったらなんか考えておくから」

最後の一口を食べ終え、ナプキンで口を拭くと紅茶とイチゴのショートケーキが現れた。

「太るぞ」

「うるさい」

警告を無視し、女神様はケーキを食べ始めた。

「とにかく、あなたは大きい町を攻める時までに暗殺の腕を上げておきなさい」

「分かりましたよ。あなたには一度生き返らせてもらったから、相応の働きはしますよう努力します」

「ええ、そうよ。あなたが向こうの世界で死ぬ間際、タンスに小指をぶつけて、バランスを崩し転んだ先にあった椅子に前歯をぶつけて全部の前歯を折って、痛さのあまり外に出たら隣のおばさんをびっくりされて唐辛子スプレーを顔にかけられ、目が見えなくてふらふら歩いた先にバラの庭があって全身トゲまみれになって、抜けた先でヤクザと中国マフィアの抗争に巻き込まれ全身に銃弾ぶち込まれた」

「それでも生きていただろ?」

「ええ、とどめに抗争跡地にやってきた三輪車に乗った子供に指先を轢かれてぽっくり。ほんと、いつ見てもあれは笑える」

女神様は口に手を当てくすくす笑い出した。

「人の死を笑うな!」

「ごめんなさい。だって、あれだけ受けて生きてるのに何で三輪車で死ぬの?」

「こっちが聞きたいくらいだよ」

「まあ、私はそのタフさに目をつけて生き返らせたのよ。失望させないようにね」

「分かりました」

ガナードは胸に手をあて跪つき目を閉じた。

「もう帰るの?少しは前の世界の事とかこっちの事とか聞かせてよ」

食べ終わったケーキの皿を置き、ガナードの頬を引っ張りながら猫なで声で言った。

「待ち人がいるんで、それままた今度」

不愛想に答えると、そと言いソファーに腰かけた。

「次に救う町が決まったたら夢に出るから」

女神様の声が遠くなるとさっきの礼拝堂に戻ってきた。

ガナードは礼拝堂を出ると外で子供たちと遊んでいるヴァルが目に入った。

「ガナード様だ!」

子供たちが真っ先に反応し、ガナードに駆け寄ってきた。

「今日も助けに行ってたのー?」

「またお祈りー?」

「腰のもの見せてー!」

服を引っ張る子、ただ黙って顔を見る子、刀を取ろうとする子、ガナードは刀を取られないようにするだけで手一杯になった時、ヴァルが刀を取り上げようとする子を抱きかかえ離してくれた。

「ガナードおにいちゃんを困らせちゃいけませんよー」

ヴァルの一言で子供たちははーいと言いおとなしくなった。

「お姉ちゃんたちはこれから用事があるから、また今度遊ぼうねー」

子供たちは元気よくうんと言い、手を振りながらガナード達から離れていった。

「じゃあ、食べに行きましょ」

「ああ、そうしよう」


新しく命をもらったガナード・グウォーデン。

女神様の命で邪教の者を暗殺することになったが果たして彼は果たすことができるのか?

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