出来損ない魔導師の復讐

プロローグ

　18年前、フリード家に双子の男女が生まれた。

　女の子にはシノン。

　男の子にはキドと名付けた。

　五年後、シノンの魔力が弱い事を知ると扱いが急変した。

　両親からは、“出来損ない”だの、“失敗作”だの言われ続けた。

　そんな少女は何時しか自分を偽るようになり、相手の顔色を伺う毎日だった。

　家には誉めてくれる人は居ない。

　親戚も自分と話してくれない。

　人として扱ってくれない。

　そんな少女は、18歳の時に家族、親族への復讐を誓い、家を出た。