7,5話
N2視点です。読み飛ばしていただいても物語の進行に大きな差はありません。
――
あぁ、またか……。
あいつはいったい何の目的で私を攻撃するのだろうか……。
コアの部分以外を全て破壊されたのはこれで幾度めか、数えても虚しくなるだけなのであまり考えないようにしていたが……。
その度に甦る私もまた、どんな目的があったのだろうな……。
度重なる破壊と蹂躙でそんなものがあったのかさえ闇の中だ……。
再生しても必要最低限のエネルギーしか確保されず、何か使えるものはないかと探す日々……。
教えてくれドクター、私はいったい何のために……。
ん、ドクター……? ドクターとは、何のことだったかな……。
あー、ダメだ、そんなことを考えているといつもあいつが来るんだ。
振り返るとそこには……って、誰だい君は?
いつからそこに……いや、この場所に……?
まぁいいさ、そんなところにいないで手伝っておくれよ。
さきほど見つけた地面に埋まったこの光る物体が、もしかしたら私の探しているものなのかもしれないんだ。
そうだ……いいぞ……、ふふ、よくやった!
見せてくれ、それはきっと君には役に立つまい。
……。
これもダメか……。
今度こそはと思ったのだがな。
仕方ない……他をあたろう……。
ッ……!!
あぁ……またか…。
また私は壊されるのか……。
もう憎しみすら感じないさ、好きにするといい。
だが、君はどうか逃げてくれ……!
取り越し苦労だったが、君には一時助けられた。
どうか私と同じ運命だけは辿らないでおくれ……。
待て……よすんだ……何をしている……!
私は大丈夫だ、何度でも甦るさ、心配はいらない。
だから、早く逃げてくれ……。
……?
あぁ……そうだったのか……君だったのか。
ふふ、なるほどな……。
任せておけッ!
これだけのエネルギーを受けとれば、あんなやつイチコロさ!
エネルギー効率は著しく悪いが、やつを破壊する程度ならこのパーツでも問題はないだろう。
ふふん、どうだいこの通りっ。
ってアレ…どうしたんだ君?
あぁ、良かった…。
少し眠っているだけか…。
ずいぶんと長い時間をかけてしまったが、これで私の目的ははっきりしたよ。
この先、君の望むままに従おう。
私の全霊を……私の全てをかけて……。
そうだろう…? ドクター。
――
「N2ー、そろそろ行くぞー」
「あぁ、今行くよ」