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星屑のアーティファクト 〜かつて世界を救った小さな英雄達〜  作者: ゆるは
デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー

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46話 ミッドナイト・ヴィジター

 夜も更けた頃、各自探索時の成果物に従って必要な行動を取っている。


 N2は船外でガラスの材料の採取を。

 ピノは木の実の成長を促すためのアレコレを試している。


 船外といってもシェルター内なので星の灯りこそないが危険もない。

 まぁN2の場合危険というより、一人でどこかへ行ってしまう心配の方が強いのだが。


 名称は分からないが、砂に含まれるキラキラした物がガラスの主な原料らしい。

 それに砂粒を何割か混ぜることで、小さな瓶と同じ比率になるようだ。

 あとは熱を加える工程だけだが、流石に宇宙船内でやられると我が家が無くなりかねないので、N2には引き続きシェルター内で作業をしてもらった。

 片方の手でガラスの粉を持ち、そこにもう片方の手でバーナーのように火を当てる。

 しばらくするとガラスの粉は液状化し、手からどろどろと流れ出ていく。

 それを水あめのようにくるくると巻き取りながらガラスの粉をさらに加えていく。

 本当に職人みたいだ……。

 こっちは任せておいて問題なさそうだな。


 ピノの方は相手が生物なだけに苦労しているみたいだ。

 出来るだけ早く成長させたいが、ピノの能力を使うと過剰成長ですぐに枯れてしまう恐れがある。

 というか炎の黒い生命体と戦った時の蔓のように、十中八九枯れるだろう。

 木の実に触れて何とか会話をして成長に必要な栄養を聞き出そうとするが、成長していない種子の状態では会話はできないらしい。

 水を与えながら芽が出るのを待つしかなさそうだな。


 そういえば戦闘時にピノが熱でやられたとき、雨水をかけたらパワーアップしてたっけ。

 今のところ副作用みたいなものはなさそうだが、大丈夫だったのだろうか。

 ピノ自身の成長のきっかけにもなりえるだろうと考え、残っていた雨水の管理は全てピノに託した。



 二人に休憩は不要らしく、レイだけでも休んでおけと言われたので素直にお言葉に甘えることにした。

 船外から聞こえるガラスを生成するときのカランという音。

 試行錯誤しながら困った様子で呟くピノの独り言。

 そんな小気味いい音たちを感じながら、眠りにつくまではあっという間だった。





 長いようにも短いようにも思えたその時間に終わりを告げたのは、シェルターを外から金属で叩いたような音だった。

 聞き間違いかとも思ったが、俺の元に寄ってきた二人の反応を見るにそうではないと確信する。

 しばしの静寂の後、再びカンカンとシェルターを叩く音。

 雨が降った時と同様にN2はあわわわと怯えだす。

 何の音でしょう? と落ち着いた様子のピノに相反して、見えないものに対して怖がる性格もN2の特徴のようだ。


「雨……ではなさそうだな。固い虫がぶつかったとか?」


 船外へ出ると、船内では聞こえなかった音が聞こえた。

 シェルターの外でぼそぼそと何かを話している気がする。


「外に何かいる……!」


 N2が怯えながら言う。

 マジでいそうだからやめてほしい。

 幽霊とかの類は信じてないから怖くないが、この星でのそういう事象は全く持って別だ。

 恐る恐るシェルターの入り口の方へ向かう。


「…――ォー、ニー―ォ、―――チハ……」


 よく聞き取れないが、確実に外に何かいる。

 何かを話しながらシェルターの外周をぐるぐると回っているらしい。

 更に近付き、シェルターの入り口の小窓を少しだけ開く。

 俺の目線と同じ高さの狭い小窓からは星に照らされた植物が見え、変わった様子は特にない。

 しかし、小窓を開けた瞬間話し声は止んだ。

 ホラーかよ。




「ハロー、ニーハォ、コンニチハ」




「レイ!! 下がって!!」


 入り口の目の前、小窓から見えない死角に何者かがいる。

 しかも人語を話している。

 コミュニケーションを図ろうとしている辺り友好的なやつかもしれない。


「待てN2。言葉を慎重に選べ。いい情報が聞き出せるかも」


 N2は小さくおーけー、というと。

「ど、どちら様でしょうか?」


 









「ワタシノナハ、スヴァローグ。オマエタチニ、チュウコクヲシニキタ」


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