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星屑のアーティファクト 〜かつて世界を救った小さな英雄達〜  作者: ゆるは
デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー

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43話 スパークル・スペクタクル

 虫や植物の観察をしながらようやく炎を出す黒い生命体を破壊した場所に到着した。

 ピノが戦闘時に発生させた無数の蔓は一時的なものだったらしく、既に枯れて他の植物の肥料となっていた。


 この地点の生き物たちは進化の影響を色濃く受けている。

 初めて訪れたときは俺の星でも見れるような一般的な生き物しかいなかったはずなのに……。


 この植物なんかは落ちている金属片を幹から生えた蔓で器用に絡めとり、鎧のように身に着けている。

 ここで戦いが起きた際に植物達は大量に燃やされた。

 その炎に対する手段として、こういった進化をしたのかもしれない。


 こっちの虫はとても歪な形をしていて、見た目はコガネムシのようだが個体によってさまざまな箇所にこぶが出来ている。

 よく見るとこぶは鈍く光っており、落ちている金属と似たような質感を漂わせている。

 そのこぶ故に、コガネムシ独自の飛行能力は失われているようだ。

 しかし代償として落ちている金属を栄養として取り込む術を得たらしい。

 触覚で確認しながら、錆びていない金属を見付けては樹液のように舐めている。

 このこぶには栄養をため込んでいるのか?


 こいつらは勿論図鑑には載っていない。

 物珍しさからこの虫をコブコガネと呼ぶことにした。

 ちなみにさっきの植物はヨロイグサと名付けた。

 さすがに安直過ぎたか?


 この周囲一帯は燃やし尽くされたが、その厳しい環境で生き抜くために独自の進化をしているように思える。

 とても歪んだ進化だ。

 きっとこんな状況でなければこうはなっていなかっただろう。



 辺りは暗くなり始めていた。

 今日のところは赤みがかった夕方景色にはならないらしい。

 あの光景は不気味で少し苦手だ。


 完全に暗くなり星が見え始めた頃、シェルターから外を覗くとたくさんの淡く光る虫が飛んでいた。

 飛んだ軌跡を辿るように、明かりを帯びながら飛んでいる。

 きっとあの光にもなにか意味があるんだろう。

 遭難していることを忘れてしまうような素敵な光景だった。



 遭難してから18時間と17分。

 止まっていた時間が急激に動き始めるように…あるいは、溜まった何かが一気に溢れ出すように、生き物たちは進化をしている。

 もしこれが夢じゃないのだとしたら、物凄く神秘的なことだ。

 本来何千年、何万年の月日を要する進化の過程が、ものの数時間でなされている。

 この不思議な進化のメカニズムを解明して俺の星に持ち帰れば、きっと何かの役に立つはずだ。


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