42.5話
ピノ視点です。読み飛ばしていただいても物語の進行に大きな差はありません。
――
レイ様もN2もおかしいです。
何故あんな風に虫に興味を持てるのでしょうか……。
ピノはたくさん動く足を見ているだけでもぞわぞわするのに……。
まぁ、少しは気になるし彼らの進化に関しては目を見張るものがありますけど。
レイ様達は新しい虫を見付けては観察し、を先ほどから繰り返しています。
N2みたいに文字が読めたら、ピノもレイ様にいろいろ教えて差し上げるのに……。
今は陰から見守ることしか出来ませんが、いつかまた褒めてもらえるように頑張らないと……!
植物と話せることを褒めてもらった時は嬉しかったなぁ。
レイ様とお話しする時は何故か緊張してうまくお話が出来ません。
N2や植物と話すときはそんなことはないのに……。
何なのでしょう、このほわっとした気持ちは。
レイ様が人だから……でしょうか?
寿命を分けて頂いたから……でしょうか?
意思疎通の妨害ともとれるこの感情は、きっと不要なものなのでしょう。
記憶を亡くす以前はこの感情が何なのか分かったのかもしれませんね。
けれど今となってはそれを知りえません。
知ろうとすることが怖くさえあります。
ピノはどうしてあそこに閉じ込められていたのでしょう……。
何か遠い昔に悪いことをしてしまったのでしょうか……。
はぁ……物事を暗く考えてしまうのはピノの悪い癖です。
レイ様はきっとそんなところも褒めてくださるような気がします。
でも明るく笑っていた方がレイ様にはお似合いです。
もうあの時のような暗い表情は見たくないのです。
ピノにしか出来ないことを見付けて、陰ながらレイ様を支えましょう……!
いつかお別れする、その時まで……。
――




