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194.5話 ラズと、ケモノと、モノリスと。 その6

「今でこそ、数えるのも面倒くさい程の数になっちゃいるが、俺がここへ呼び込まれた時は、ドームは3つしかなかったし、大きさもかなり小さかったんだぜ」


 コロニーをここまで大きくするのに、かなり苦労したと銀狼は語る。


 地下へと螺旋状に伸びるコロニーは、初期段階が第一層程の深さだとすると、今アタシ達がいる最奥のドームはだいたい第五層くらいっつう話だ。



「あとは疲労の回復速度が早くなった気がするとか、空気が美味くなっただとか、そういう報告があったが、これは個体差が大きくて正確なデータが全然取れてねえ。まぁ結局のところ、コロニーが何をしたいのかは全く分からねえってのが現状だな」


 俺が知ってる事は、だいたいそんなもんだと、狼は言う。


 回復効果については、おそらく気のせいじゃねえ。

 

 コロニーの温かさっつうのかな。

 元々疲れていたこともあってか、ここの居心地の良さは外と比べて半端ねえ。


 精神的にもそうだが、体力が回復しているのも実感できる。

 多分、コロニー内にいるだけで、何かしらのエネルギー補填効果が働いてるとみてよさそうだ。


「そういうわけで嬢ちゃん、ここで少し修行をしてってみねえかって話なわけさ」

 「なるほど。アタシがここに招かれたのは、アタシの何かをコロニーが必要としていて、コロニーからもアタシに渡せる何かがあるっつーことだな?」

「あぁ、多分な。嬢ちゃんは、俺達あぶれ者とは違う存在だが、きっといいデータが取れる。そんな気がするんだ」

「へっ……勘かよ」

「勘だ。……オオカミと……研究者のな!」

「そうか……だがまぁ……悪くはねえな」


 元々宛てがあるわけでもねえしな。

 外の状況が劇的に変わるまで、少しばかりここで過ごしてもいいかもしれねえ。

 いや、多分ここにいた方がいい。


 ……まぁこれも、アタシの勘だが。


 それじゃあ、何をすりゃいいんだと聞こうとしたところで、びす太と共に戻ってきたのは、カンガルー型のモノリスだった。


「ボス! 大変でびす!」

「コロニーの卵が動き出したの!」

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