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133.5話 ピノ VS ベロボーグ ①

 激しい戦闘の末、チェルノボーグを倒した木の巨人達。

 レイ達の歓びも束の間、1体の巨人が地面に崩れ落ち、事態は一変する。


 ベロボーグに突かれた木の巨人は、負傷した個所が黒く変色し倒れ込んだ。

 それは巨人の様々な攻撃耐性を凌駕する方法を、ベロボーグが編み出したことを告げている。


 ピノが木の巨人を複数体出現させた目論みは、チェルノボーグとベロボーグの手の内を把握する事。

 巨人達だけで倒せるとも思っていなかっただけに、チェルノボーグを打破出来たことは嬉しい誤算ではあった。

 しかし同時に予想していなかった事象も発生した。


 彼ら黒い機械もまた、戦闘中に進化する。



 ピノが着目した点は細胞の黒色化。

 細胞自体を壊す技術であるならば、巨人が持つ壊された細胞を再生する力で無力化出来ていたはず。

 そうでないから巨人は倒れ、起き上がる気配もない。


 ピノは考えた。

 もしもベロボーグの攻撃が細胞を壊す技術ではなく、壊れた細胞を増やす技術であるならば……。


 木の巨人達の最大の特徴であり、最大の武器でもある爆発的な細胞増殖。

 そこを逆手に取られてしまった。



 このまま放っておけば巨人達が枯らされてしまうことはおろか、ピノ自身やレイの身にまで危険が及ぶ。


「いかなくちゃ」

 ピノはレイにそう言い残し、ベロボーグの下へと向かっていった。


 仲間の危機に他の巨人達も応戦しようとするが、近づくものから順に次々と倒されてしまう。

 ある巨人は手、また別の巨人は足にベロボーグからの攻撃を受け、先程倒れた巨人と同様にそこから表面が黒く変色していく。


 ピノがベロボーグの下へ到着する頃には、既に5体の巨人が地に伏せていた。


「おや、そちらから来てくれるとは好都合。このデカブツ達が枯れるのを見届けてからにしますか? それともNo.2、あなたが先に枯れますか?」


「どっちもお断りです! それに、変な呼び方しないでください! ピノにはちゃんと名前があるんですから!」


 複数の蔓を地面から出現させ、ベロボーグを捕らえようとするピノ。

 蔓の伸びる速度も本数も、パワーアップ前のそれとは数段階強化されているが、巨人達の攻撃を凌いだベロボーグは簡単には捕まってくれない。


「名前……くだらない……。あなた達は所詮シナリオによって呼称が変わるだけのただのオモチャなんですよ。そういえば()()()()No.1だった時のプレイヤーは、いつもあっという間に死んでいきましたね」


「な、なにを言ってるんですか……?」


「あなたがこの星のアーティファクトの中で一番非力で、草を生やすだけの落ちこぼれって意味ですよ……!」



 ベロボーグがただでさえ黒い手を、更にどす黒く変色させピノに飛び掛かる。

 ピノは(すんで)のところで植物を出現させてガードを試みるが、ベロボーグに触れられて植物達はたちまち枯れてしまった。


(「あの黒い手がとても危険です……。いくら植物を出しても一瞬で枯らされてしまいます……。あれに触れず、ベロボーグを倒せる状況に持ち込まないと……。」)



「あなたはいつもそうやって無駄な抵抗をしますね……。その度に私は無駄な時間を過ごしたんです。担当が殲滅だったというだけで、あなた達が出すゴミを処理する私の気持ちが分かりますか……? ……でももう今回でそれは終わり……。スヴァローグが裏切り、チェルノボーグも死んでしまった。もうじきペルーン達が動き出す。この星は既に終焉へと向かっているのです」

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