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〜 突然の妹との別れ 〜

読んで頂けたら幸いです(^^)

 俺の名前は如月真人きらさぎまなと。普通の高校に通う高校2年生。俺には中学に通う2つ下の妹がいる。俺は中学を卒業すると同時に両親を亡くしている。それ以来、妹を養うために年齢を詐称し、朝から深夜までアルバイトを掛け持ちして何とか暮らしていた。


 だがしかし!アルバイトを掛け持ちする事で家にいる時間がほぼなく、超カワイイ最愛の妹と一緒に過ごす時間がゼロになっちまったんだァァァアーーーーーー!!!!!!


「お疲れしたー。」


 深夜1時。コンビニのバイトを終え、俺はとにかく妹と一緒に過ごす時間を作ることだけを考えていた。妹がまだ起きてたらラッキーだなって感覚でお菓子とジュースを買って帰った。


「ただいまー。」


 電気が付いている!心の中でガッツポーズをかますシスコン兄貴。


ゆき起きてるのかー?」


 階段から降りてくる足音が聞こえる。


「お兄ちゃん、お帰り。バイトお疲れ様!」


 あー、人生で最も幸せな瞬間。お嫁さんにこのセリフを言われるより、妹に言ってもらった方が断然嬉しい。って全国の既婚者男性に言ってみたい。


「今日は雪のためにお菓子とジュース買ってきたぞっ!」


「ほんと!?やったぁ!お兄ちゃん早く手洗って食べよ?」


 今日1日の疲れが全部吹っ飛んだ。今から最高に楽しいディナーが始まる。(ポテチとコーラ)


「なぁ雪、最近学校どうだ?」


「うーん、ぼちぼちかな? 今度文化祭があるから今はみんなでそれに向けて練習だよ!」


「そうか、文化祭か!見に行ってもいいか?」


「えー、恥ずかしいよぉ。...でも、ちょっとだけだったら...。」


「わかった、わかった! ちゃっとだけだから!」


 んなはずがない。全部見るに決まってる。


「ちなみに、何やるんだ?」


「...わたし妹の役をするの。だから恥ずかしくて、その、あんまりお兄ちゃんに見られたくないかな...?って。へへ」


 兄貴の役はどこのどいつだ。俺に挨拶ってもんが先だろ!


「でもね、上手くできるかあんまり自信がないの...。」


「雪だったら大丈夫だって、そう落ち込むなよ。そうだ!お兄ちゃんが練習相手になってやる!ちょうど雪妹役なんだろ?一石二鳥じゃん!」


 一石目は雪が妹役の練習ができること。二鳥目はただの俺得。


「そんな、恥ずかしい...。」


「俺が文化祭行ったら結局見ることになるんだぞ?早いうちに見といた方がいいんじゃないか?」


「...確かに、そうだね。」


「よし!こい!」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「...ねぇ、お兄ちゃん!わたし1人で全部できるようになったんだよ!」


「掃除も洗濯もご飯も、ご近所さんに挨拶も、夜中のトイレも。全部全部できるようになったんだよ!」


「全部お兄ちゃんのおかげだよ!本当にありがとう!」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 俺はこの上なく幸せな気分に浸った。まるで俺に言われているかのように。


「雪!いいじゃん!すごく伝わったよ!」


「...本当?」


「ああほんとだ。これじゃ胸張って文化祭できるじゃないか!」


「ありがとう♪ 自信ついたよ!」


 久しぶりに雪と過ごせて楽しい夜だった。毎日こんな日が続けばいいのに。


 翌朝4時、俺は朝食を作り雪に置き手紙を書いて早朝のバイトへ向かった。


「お兄ちゃん先にバイト行ってきます。起きたらチンして食べてね。今日夜のバイト無くなったから雪の好きなお菓子買って早く帰るね。」


 あー、昨日は2時間弱しか寝てないからかな。すげえ頭ぼけてる。バイト終わったら学校始まるまで寝てよう。


 そんなことを考えていた時だった。


「おい!危ないっ!!どけっ!!」


「えっ?」


「!!!」


 一瞬の出来事だった。


 鉄筋コンクリートが落下し、頭上に落ちてきた。俺はそこから目を覚ます事はなかった。





次話もよろしくお願い致します!

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