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BioGraphyOnline  作者: ツリー
Season1 BGO NewWorld!
4/171

第二章 グラフ街

 

 -----------------------------------------------

 グラフ王国

 国民数第3位、犯罪報告件数が最も少ないと言われ

 豊かな緑の大地に囲まれ、街の中心にはグラフ城を構える

 多くの民が新たな人生を歩む事を夢見て訪れる街である。

 グラフ幻想譚

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 道中モンスターに出会う事なく無事にグラフ街についた浮浪者アズはというと


「おー!すっげぇー!」


 年甲斐もなくはしゃいでいた


 目の前に広がるザ!異世界の街並み。

 かつてゲームの画面越しにしか見れなかった物が目の前にある!この感動がわからないやつはいない!


 俺は露店に見える物を物色しながらふるやんとの待ち合わせ場所に向かう

 ここまで遅れたのだから少しぐらい伸びても変わらないだろうという魂胆だ。

 それに露店を回るがてら買えそうな装備を買っていくつもりだ

 ちなみに今の所持金は100R、Rと書いてリンと読む


 それにしてもどの露店にも見た事ないものが並び興味が絶えない!

 食材屋にグロテスクなミミズのような物もあるがあれは食べ物か!?名前は・・・サンドワーム


 店主に聞いた所、現実世界で言う所の牛とか家畜の部類のようで、サンドワームを麺類にして食べるのがこの国の習慣らしい

 それにしても店主が「はーっおのぼりさんか!」みたいなニヤつき顔で話しやがる、情報には感謝だが顔面を殴りたい衝動に駆られる。


 次に回るは当然武器屋!と思ったがその反対側に世界観にそぐわないファンシーな露店が見える。

 これは逆に気になる!露店には現実世界でよく見るぬいぐるみや異世界ならではの気味の悪い人形・・・に可愛い服を着せてある者やらその他色々


 商品を眺めていると部屋で抱き枕の様な扱いを受けているうちのぬいぐるみにそっくりな商品を発見

 ぬいぐるみを見ていると女店主が話しかけてくる。

 ってかデカイ!横にも縦にもデカイ!体は横に成人男性三人分は余裕であり、高さは190㎝くらいだろうか、紫の髪をなびかせる感じで髪をかきあげ、極上の笑顔で話しかけてくるのが逆に怖い


「あら、あなたその子が気に入ったの?今なら100Rよぉん?」


 100R・・・全財産じゃないか!

 武器や防具はこれから絶対必須・・・だがこのぬいぐるみから目を離さない・・・


「まいどあり☆折角だから名前をつけてあげてぇん?」


 いつの間にか無意識にやってしまった

 買ってしまったからには仕方がない!


 しかし名前か・・・現実ではつけた事ないが少し恥ずかしいな、しかし折角全財産はたいて買ったんだ名前くらいつけてやろう

 見た目はつぶらな目をした熊のぬいぐるみ

 熊太郎・・・熊の助・・・熊次郎・・・クマジロウ・・・ジロー・・・


「よし!こいつの名前はジローだ!」


 思わず大声で叫んでしまった、周りの冒険者や町人の生易しい目が痛い!

 同時にシステムログが流れる、何事かと思ったがとりあえず店主にお礼を言うと、縮こまりながら露店から離れたところで聞きなれた声が聞こえる


「はーこんなところでなにしとるん?」


 フーキだった、そうかフレンド登録したから相手の場所がある程度わかるのか

 髪の色をライトブラウン、瞳の色を青に変えて、完全にこの街の住人に溶け込んでやがる


「いやなに、これからの冒険で武器防具、情報は必須だろ?」


 俺は不敵な笑みで切り返すとフーキもニヤリと笑みを浮かべ


「よし!こいつの名前はジローだ!」

「やめろぉ!この野郎!どこから聞いていやがった」

「ぬいぐるみを欲しそうに眺めてたあたりやね」


 そんな所から見てたのかよ

 っとそういえばさっきのシステムログは・・・と


<スキル:人形使いを覚えました>


<人形使い>

 人形をあやつり戦闘を行う事が出来る

 取得条件:全財産でカテゴリー(人形)を買う


 まさかの新スキル

 ちなみにスキルは1レベル上がる毎に1個追加されるのである

 しかしモンスターと戦ってもいないのにレベルが上がった?と思いステータスを確認


<Lv2

<HP16 MP7 力2 防御1 知力5 俊敏3 運7 残6P 

<スキル:逃走術、見切り、隠密術、自然調和、独力     枠外、人形使い


 レベルが上がる時の自動ステータス上昇値も今までの行動補正ということだろうか?

 しかしレベル上がってるのにも驚きだが見事に知力と運しか上がっていない 

 運が上がるような要素があっただろうか?

 思考を巡らせているとフーキが声をかけてくる


「お!レベルあがっとるやん!」

「みたいなんだけど、なんでレベル上がったんだろう?」

「あぁ、それはこのゲームはモンスターを倒すとかじゃなくて時間経過でレベルが上がって行くからやね」


 時間経過でレベルが上がる!?レベリング必要ねぇ!

 そう思ってるとフーキが笑みを浮かべえて付け加える


「ちなみにそのことを知ったプレイヤーが放置して今Lv5らしいけどHPの値しか上がってないらしいよ、付け加えるとスキル、引きこもりとか動かざる者とか魂亡き者ってスキルを取得したらしいね」


 なるほどちゃんとしたステータスを上げるのならそれなりの行動が必要なわけか

 しかし放置して手に入れたというスキルの詳細が気になるがどうやらフーキもそこまでは知らないらしい。


「そういや人形使いのスキル見た感じやと人形で戦う?感じやけど人形のステータスとかってあるん?」


 言われて気づいた!

 アイテム欄のぬいぐるみのステータスを確認する


<ジロー>カテゴリー(人形)耐久値(100%)

<Lv2

<HP8 力2 防御2 俊敏1 運1 

<スキル:無し

<和の国、不知の山脈に生息するテディベアに似せてつくられた人形、アズによりジローと命名された


 使い魔的なポジションだろうか?

 強くはないがあるのと無いのとでは雲泥の差である

 しかし原型のモンスターがいるのにも驚きだがモンスターの名前がまんまテディベアってなんやねんwフーキに説明しつつスキルから見切りを外し人形使いに、アイテムストレージからジローを出す


 床が白く光ると同時にジローが本物の熊のような(見た目はぬいぐるみ)動作でのそのそ歩いてこちらを見上げている、なかなかどうして可愛いではないか


「あーそのスキルなら独力と相性良いかもしれんね?アイテム枠やからPT含まれんやん」


 とフーキからの助言

 なるほどPTには含まれない・・・

 PTを組んでもお荷物にはならないし、ソロだったら独力の2倍効果と人形使いで戦いやすい


「それはつまり俺にソロ専でいけという事か?」


 フーキを小突くと、ジローもフーキを攻撃する、これは面白い

 調子に乗ってフーキを攻撃!素手なのでパンチ!現実世界の姉で散々慣れた力4のブロー!そしてジローの爪の無いモフモフパンチをくらえ!

 しかし一人と一匹の攻撃にフーキはどこふく風である


「あれ、やっぱPVPとか申請しないとダメージ入らないんだ?」

「いやいや、ダメージは通るんやけどね、誰かさんを待ち続けたせいかわいのステータスがね?」


 フーキのステータスを見る


<Lv2

  <HP22 MP2 力4 防御13 知力2 俊敏2 運1 残0P 

  <スキル:耐久術、護りの心、無手術、絆、勇敢


「ステータス割り振ったのもあるんやけど防御がえらいことなってん」


 フーキが満面の笑みで(目が笑っていない)俺を見る

 まじごめんなさい!フーキに謝る事しかできない俺であった


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 スキル説明


<護りの心>

 防御を固めている間、防御力が二倍になる、ただしそれ以外の行動はすることができない

 取得条件:約束を護り耐え忍ぶ


<引きこもり>

 宿屋での体力回復量、空腹力回復量が二倍になる、宿での滞在費が1.5倍になる

 取得条件:一回のプレイで宿屋からでずにゲームの大半を過ごす


<動かざる者>

 行動をせずにいるとレベルが上がりやすくなる

 取得条件;一回のプレイで動かずにゲームの大半を過ごす


<魂亡き者>

 スキルを装備している状態でログアウトするとNPCとなり街中を散策する、ただしレベルは上がらない

 取得条件:ログインした状態でバーチャルギアを強制的に脱ぎ放置する


ちなみに放置でレベル上げしても別段弱いわけではないです!HPはめちゃくちゃ高いのでスキル次第ではタンクの役目を担えます!


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