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プロローグ

丸山楓子まるやまふうこ・・・母親の連れ子。姉。長身でスレンダーなキャリアウーマン。

丸山柑奈まるやまかんな・・・父親の連れ子。妹。ゆるふわ系女子。フリーター。


人は存外呆気なく、ポックリと逝ってしまうものなのだと、母は常々口にしていた。

あんなに元気だった祖母が、突然癌を発症し、あっという間に亡くなってしまったように、人は簡単に死んでしまう。


「自分の死期っていうのは、案外簡単に受け入れられるし悟れるものだけど。他人の死を受け入れることは、そうそう簡単にはできないし、それを察することはもちろんできない」


「まるで人生二周目かのような発言ね」

母は身内から見てもかなりの変わり者であると、楓子は思っていた。回りくどい喋り方、掴み所のない性格。その割に案外物事に関する執着は強い。

「まあ、少なくともあんたの二倍は生きてるからね」

「その理屈はちょっとよくわからない」

母は意地悪くにこにこと笑っている。

「だからね、楓子。親孝行は早めにしときなさいよ」

「それ、親が言う台詞?」

「はは、確かにね。これは母からじゃなくて、親不孝者のまま親を亡くした女の戯言だと思って?」

祖母の墓前で、母は明るく自虐してみせた。


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