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初登校

 4月のうららかな陽気に包まれた小高い丘に建っているとある高校へ真新しいブレザーを着た一人の少年、大宮(おおみや) 和貴(かずき)はなだらかな坂を登りながら向かっていた


 暖かい日の光を浴びながら通学路を進んでいくと桜がはらはらと舞い散っている高校にたどり着く。校門前には既に複数の新入生が話しながら待っており彼がゆっくり近付いていくと、一人の少女が彼に気付き手を振った。同時に他の新入生も彼に注目する



「大宮くーん」



 校門前に集まっていた同じ新入生の緋原(あけはら) (りん)の呼び掛けに、手を振り返す和貴。その隣には彼女の幼馴染み、夜月(やづき) 戈炎(かえん)が舞い散る桜をぼんやりと眺めている



「遅いッスよ、待ちくたびれたッス」


「私の美しさには負けるな。フッ、美しすぎるのも罪だな……」



 戈炎の後ろからひょこりと朝陽(あさひ) (すい)が顔を覗かせた。その横では散る桜の花びらに対抗するかの様に、神谷(かみや) (みかど)が背中にバラを咲かせている。ナルシストの成せる技なのだろうと和貴が冷たい目でバラを見ていると、水がバラをうっとうしく感じたのか背負っていた長細いバッグから取り出した刀で切り裂いた。「私のバラがー!?」と馬鹿が叫んでいるが誰も取り合おうとしない。神谷ザマァ



和貴

「あれ、ルゼは?」


「ルゼちゃんならそこに居るよ」


ルゼ

「ほあーー…」



 燐が指差した方向を見るとルゼ・セリム・ワイバーンは桜に見とれていた。外国から越してきたルゼは桜を見たことがないと言っていたからこの反応も頷ける。彼女の金髪ポニテが風に揺れ、桜も相まってとても幻想的な雰囲気がルゼの周りに漂っていた



「そろそろ行こっか」


「そうッスね!」



 ぞろぞろと燐たちが門を通って生徒玄関に向かっていく。和貴が後ろから付いていこうとした時、自分が来た反対の道から同じ制服姿の少年が歩いてきた



和貴

「ゆーう」



 手を振りながら声を掛けると庭園(にわぞの) ゆうが顔を上げた。彼は和貴の側まで来ると「おはよう」と一言つぶやく。和貴は「おう」と返事を返すと、ゆうと一緒に生徒玄関に向かって一歩を踏み出した










 ━━和貴の波乱に満ちすぎた高校生活がいよいよ始まる━━


出演者の小説紹介


『とある竜世界の話』


・夜月 戈炎

・緋原 燐

・朝陽 水

・ルゼ・セリム・ワイバーン

・神谷 帝



次回はキャラ紹介

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