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効率よく現状打破

私の名前は水鏡刹那。

16歳で大学を卒業した天才だ。

私の研究により、延命、治療の技術は向上し、人類の平均寿命は3桁まで延びた。

えっへん。

だが当の私は平均寿命の半分も行かず過労死してしまった。

昔から集中すると周りが見えなくなるのだ。

私の意識は、何故か生成中の人造人間ホムンクルスへと移り、若い肉体を得てこの世に復活した。

この謎を解き明かせば人類永遠の夢、不老不死へとまた一歩近く事になる。

だが、もう良い。

私は死んだのだ。

死ぬまで働いて、死んだ後も死ぬまで働く事は絶対に避けたい。

ふふふ、文にするとなんだか面白いな。

この奇跡の様な時間は、家族と共にすごしたいのだ。

とはいえ今までして来なかった事を急に出来る様にはならない。

習得とは反復練習の賜物なのだ。

今まで化粧をして来なかった私は化粧が下手だし(先日ついに化粧禁止令が出た)服に無頓着だったせいでセットじゃないと着るのが不安になる。

そんな私は自身をバージョンアップする為に、息子の那由多との距離感を詰める為に日々奮闘しているのだ!



と、考えていた私は、泡を際限なく吐き出す洗濯機の前で腕組みをして居た。

まるで象の歯磨き粉だ。

溶液に対する空気の溶解量が飽和溶解量を超えたのが容易に想像出来た。

つまり、洗濯洗剤を入れすぎたのだ。

幸いと言って良いのか、息子の那由多は買い物に行っている。


さてどうしたものか。


洗濯機の電源を止めたものの、洗濯機が設置されている脱衣所は泡まみれだ。

やはり本を読みながら洗濯をするなど、経験がないくせに甘く見てしまったのが敗因だろう。

洗剤をいれてスイッチを押すだけ、と言われたが、私は量子力学の運動方程式を読みながら洗剤を弄っていたため具体的にどれ位洗剤を入れたか定かではない。


「よし、キャビテーションを利用して全て洗い流してしまおう。」


私が考えた解決策は超音波洗浄機である。

眼鏡屋さんの前に置いてある眼鏡を綺麗にするアレの応用である。

ふふふ、楽しくなってきたぞ。

脱衣所を水浸しにするより、洗濯機を超音波発生装置に見立ててしまおう。

あーでもないこうでもないと試行錯誤した結果ーーー。


我が家の脱衣所、及び浴室はそれは見事に爆発した。


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