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蹂躙せし魔王の異世界譚  作者: 音無蓮
第二章 学院騒乱
38/50

第38話 剣を握れ

38話です。よろしくお願いします。

 

 ヴァレオの巨躯が大地を揺るがし、螺旋を歪ませる。

 乾いた地面が揺らぐ。

 砂銀の双眸は的確に己の敵を睨みつける。

 異貌の白狼が前脚を蹴り上げて段を駆け上がる。

 速さにして、人の域を軽々と越している。本能の赴くまま、巨獣が蹂躙を始める。


 視界の中心に見据えたのは、タキシード姿の男、サテュアータ=デュートロン。

 外見は何の変哲もない――というか特徴が乏しく、無個性だが、表情が常軌を逸して不気味だった。


 恐怖の感情を奮い立たせるように口元が細長く歪んでいる。怖気を巻き起こすような表情筋である。先程、この男はマリアに対して”悪鬼だ”と評していたが、どうだろう。――これでは、明らかにサテュアータの方が悪鬼に近しい存在のように思える。


 ヴァレオは、不吉な予感がしてならなかった――故に。


(この男は、即刻仕留めなくちゃいけない――!)


 心中の叫びと共に、大地を一蹴する。地鳴りが足裏に響く。

 瓦解寸前の螺旋階段の地盤だったが、気に留める暇はない。


 獣人種として生まれ、さらには”巨獣化”という奇異かつ破壊力に長けた能力を保持した彼にとっての一撃は――人の10倍を軽く勝る。


 豪速で巨躯が唸りを上げ、直進する。

 鋭く尖った前脚の爪が磨かれた宝玉の如く輝く。

 幾度と無く研がれ、洗練された短刀が脚に付属されているようにも見える。


 前脚を振り上げる。

 鋭利な刃は高い殺傷性を有し、巨獣の恐るべき力量と相乗して一撃必殺の斬撃を為す。

 ――炸裂と共に、ゴッッッッ!! と衝撃が迸る。地が盾に揺れ、唸る。


 明確な手応えがあった。

 仕留めたか、とは思いつつ、もう一発今度は後脚の蹴りが抵抗する空気を断絶し、爆裂。

 無限に近しい夥しい数の筋細胞が制御を開放され、駆動。

 10割フルパワーで滅殺の一撃だ。常人ならば、ひとたまりもない。


 サテュアータの四肢が宙を舞う。

 鮮やかな紅い返り血がヴァレオの頬を濡らす。

 鉄錆のような血生臭さに思わず顔を顰める。

 不快感が顕著に表れている。巨獣化に設けられた制限時間が刻々と迫る。


 攻撃できて、もう一撃と言ったところか。だ

 ったら。――ヴァレオは右前脚を身体の裏に回し、腰を内側に捻る。

 放つタイミングを見極める。眼窩に映る憎悪の念が照準器の代用品だ。


 一瞬の見落としが命取りになるであろう。

 精神を研ぎ澄ます。刹那が、永遠のように感じられる。


 ――そして、飛来するサテュアータを拳の届く範囲に捉える。

 無抵抗であることが最大の僥倖であろう。

 極大出力で自らの力を放出できる高度、位置を視認。

 ――超絶出力の一撃を、余すことなく爆発させる。タイル張りの螺旋階段は瓦解寸前の状態。が、構わずヴァレオは標的へと拳を飛ばした。


「グルォォォォォォォォォォ!!!!」


 野太い咆哮と共に繰り出された超速の拳は、確かな質量と共に空を裂く。

 衝突。

 同時にパチンッ! と何かが破裂する乾燥した高音を耳朶にする。

 眼下には、微動も許されていないマリアが立ち尽くし、ヴァレオを見上げていた。


 涙、そう、大粒の涙を零しながら――…。

 きっと、怖気づいていたのだろう、何故に彼女が追撃を仕掛けられなかったのかについて、無論だがヴァレオは知らない。――知ってはならない領域なのかもしれない。だから、詮索は止しておこうと心に決める。


 拳に穿たれたサテュアータは螺旋階段の側壁へと打ち込まれる。

 壁一帯にひび割れが生じる。

 蔦の如く、側壁上をひびが伸びていく。

 その起点にサテュアータが埋められているわけだ。


 壁の破砕音の後に土埃が舞い上がる。

 僅かばかり、側壁の間から外界を結ぶ斜光が覗いていた。

 微光が塵へと射し、肉眼でも光の道筋が観察できる。


 ヴァレオは、不良となった視界を晴らすため、右腕で眼前に広がる虚空を薙いだ。

 薙ぐ腕に纏わりつくように疾風が巻き起こる。

 それにより、埃の巻き上がる軌道を断絶する。空気の汚さに思わず、咳き込んだ。


 強引に掻き消された埃の先には確かにサテュアータの身体が埋められた大壁が存在している。


 ――上手く、事は為されたのだろう。


 安堵と共に、巨獣化の制限時間を迎える。

 淡い光の雫と共に彼の身体が縮小化。

 バリンッ、と硝子玉が破裂したかのような音で彼が纏っていた光が雲散する。

 もう、その場には巨獣など存在しない。

 荒廃した段上に佇む白犬の少年は、膝に手を置き、屈みこむ姿勢で荒げた呼吸を正常に戻す。


(これで何とかなったはずだよ、ね)


 あっさりと終わってしまったことに僅かばかり不安げになるも、その感情をすぐに払拭する。

 彼は背後を向いた。

 腰を下ろしたクレオネラが懸命に治癒術式を学院長に向けて放っている。

 出血量もだいぶ収まってきたようだ。幾分か、彼女の表情も和らいできている。


 何とか、終わったようだ。――本当に、”何とか”終わった。


 常日頃思うが、やはり、命を懸ける戦い程、緊縛した雰囲気なものは無いな――と、内心で彼は呟く。


 ディリス家は、『巨獣化』開発の名高い家系であると共に、代々傭兵を家業としてきた。

 恐らく、ディリス本家の子として生を受けていたら、今もヴァレオは戦地を闊歩していたことだろう。分家として生を受けたのは彼にとって見たら、救いそのものだった。


 ――ぼくはやっぱり、あの食堂で平和に過ごすのが似合っているよ。 


 今更ながら、あまりの平和主義者っぷりに自分でも苦笑してしまう。

 家業が、傭兵だということに関わらず。平和ボケもいいところだろうか。

 だが、戦いが性に合わないとは彼自身、身をもって自負している事実だ。

 いくら本家が戦闘狂種族であろうが、平和主義のヴァレオには関係など皆無であろう。


 だが――巨獣化の威力を最大限“戦闘”に活用しているあたり、やはり戦いから離れられない、というような遺伝でも兼ね備えているのだろうか――なんて疑心暗鬼に陥ってしまう。

 それが、戦闘に赴く家系に生まれた運命なのかもしれない。


 閑話休題どうでもいいはなしはここまで


 兎にも角にも――争いを潰えた、はずだ。

 平和的獣人ヴァレオにとってみたらこれ以上にない幸福であろう。

 無闇に物騒な方面へ話題を転換するべきではないだろう。故に思考を現実へとシフトする。


「マリアさん、もう……大丈夫だよ」


 クレオネラから目を離す。

 再び、表へと振り向き、身動ぎ1つせず固まったマリアを呼ぶ。

 依然として、マリアは硬直しながら、サテュアータの方向を凝視している。

 視線の方向こそ変えているものの体の向きまで石造の如く硬化していた。

 頑として動じないことが不審に思える程だ。


「マリ、ア……さん?」

「…………わってない」


 疑問の意に重ねられた声は、僅かに震え、羽虫の羽音と同じくらいに僅かな声量だった。

 だが、更に上塗りするように、ヴァレオの背後から叫喚が轟く。


「――まだ、終わってないですわ!!」


 クレオネラの声が耳に届く。同時に破砕の重低音が耳に入る。

 文字通り、“まだ、終わっていない”。再びの怖気が背筋を滑る。


「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


 悪魔を連想させる狂人の嗤い、愚弄と侮蔑の嘲笑は、突如として共鳴する。

 木霊した悪魔の微笑が耳鳴りをもたらす。気分が悪くなる。意識に空白が生じる。

 思わず、ヴァレオの動きが静止する。


 背筋が凍る――比喩的に、でもあるが、物理的にも。

 刹那。ヴァレオは背後から刺突される感覚を味わうこととなった。

 液体が地へと跳ねて、踊り狂う音を耳にするも、既に遅い。


 血生臭さを鼻孔に感じ、茫然と立ち尽くす。意識の空白。――事実を悟ることができない。

 だが、痛覚は正直に、残酷に刺された事実を突きつける。

 巨獣化での強化が為されていない身体に容赦なく氷結の槍が突き刺さる。

 1本ではなく、無数に。


 確実に殺しにかかっている。

 痛覚が麻痺する。

 故に感覚として激痛は感じられない。

 ただ、意識の急激な消耗こそが彼に与えられた苦痛を示している。


 殺意が氷槍の鋭利な刃から感じられた。

 そして、そして、そして。

 絶叫は、無為の掠れ声として放たれたのみだった。


 ――ヴァレオの身体は、確かに力を喪失し、膝から崩れ落ちていく。


 ごめん、ロキくん。

 己から溢れ出る鮮血に白の毛皮を浸しながら、呟く。

 それが明瞭とした意識の終着点であった。彼の意識は深い泥沼に引き摺り込まれていった。


「え……、う、そ……でしょ?」


 最後、意識の暗転する直前、ヴァレオはそんな怯えのような言葉を耳にした。

 誰の言葉かは知る由もなかった。

 遠く、彼方に捨て去られた言葉のように思え――不意に瞳を零れる雫を肌で感じる。

 それが、涙でなく、紅血だということを知らぬまま、彼の意識は暗転した。







「ああ」


 絶望が、曖昧な言葉と共に吐き出される。

 明確な意志のないただ吐かれた表向きだけの言葉。


 依然、手元で横になった彼女の祖父、もとい学院長は意識を戻す気配がない。


 ――全て、全て、わたくしの所為ですわ。


 事の発端は、そう――確かにクレオネラだった。

 彼女の家族を取り戻すために皆が助けてくれて――その結果がこの有り様だ。

 もっと、自分が強かったのなら、現状の悲惨な事態を避けることができただろうに。

 そもそも、誰をも干渉させずに、この事件を収束させることができたはずなのに。


「ああ、ああ、ああ……!」


 悔しい、身を擲って、必死になって皆が戦っているというのに。


 ――本当、わたくしは。弱いですわ。


 戦わねばならない。だが、脚が竦む。

 どうして、どうして自分はこんなに憶病なのだろう――。

 嘆きの一滴が瞳から零れ落ちる。

 己の残酷なまでに脆弱な精神に諦念が宿り始める。


 ――だが、そんな彼女を見捨てぬ者が1人、その場に存在した。


 明確には、蹲って泣きじゃくる彼女の裏から近づいて、優しく頭を撫でた少女の事を指す。

 その少女は、真っ直ぐに伸ばされた黒がかった緑の髪を揺らし、慈愛の目でクレオネラを一目する。

 そして、告げるのだった。


「大丈夫……、あとはあたくし達に任せて」


 クレオネラは恐る恐る頭の上に視線を移す。

 そして。


「……う…、あ、おねえ、さ、ま」

「ええ。クレオの姉様――アンセルの出番ですよ」


 告げると同時に無数の氷槍が虚空から落下してくる。

 だが。あくまで、少女――アンセル・セロージュは勝ち気な表情でその槍の群に目を向ける。


 術式の詠唱――。


「滅火盾――展開!」


 刹那、姉妹と学院長を取り巻く空間に水壁が顕現する。

 水圧で威力を抑えつつ、次なる術式を装填。


「閻魔炎禍――加重展開!」


 水壁を強化する術――主に、聖因子を火焔の如く光熱にして、元あった術に付与する。

 水温が上昇することによって、氷槍が溶解し、無力化する。


「これで、一応は安全ですが……、早い内に逃げたほうが良さそうですね」


 花嫁衣装のアンセルは迷いなく、学院長を背負った。

 クレオネラに逃げるよう促す。

 彼女自身も戦地から後退する。

 最後、戦場に向かって、彼女は呟いた。


「あとは、頼みましたよ――ロキ=レイヴァーテイン主席」





「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 もう、自棄だった。


 動かねば、圧倒的な殺戮行為に巻き込まれ、命を落としかねない。

 怯えで震える四肢を乱雑に駆動させる。


 動け、動け動け動け!! 


 精神が身体に呼びかけるも、やはり、簡単には動じなかった。


「さあ、君も終わりかなぁ、アルマリア?」


 退屈そうな疑問が告がれる。壁に埋められた肢体を起こし、地面に着地するサテュアータ。

 圧倒的に形勢不利。確実に敗北=死が近づく


「無言は肯定とするよ?」


 強引な理論を吐き出した男は、ニタニタと奇怪な笑みをマリアに向ける。

 駄目だ、答えるための声帯も震えあがっている。


「……面倒だが――まあ、これで終わりか。随分と平易な抗いだったねぇ、《魔女》。忌み嫌われた気分はどうだったかなぁ。短い間だったけど、虚構の安穏は楽しかったかなぁ」


 彼女の価値観が、全否定される。侮辱に唇を噛む。心裏の奥底まで陵辱されたような気分だ。

 苦しい。辛い。


「だが――君ももう、終わりだ。この、サテュアータ=デュートロンの手中で苦しみに悶え死ぬがいい」


 冷酷な終止符。

 直後、空間上に無数の大槍が顕現する。逡巡なく、鋭利な槍先が射出する。

 マリアへと、注がれる狂気の矛先。逃げられない。もう、お終いだ。







第38話 剣を握れ







 だが、そんな彼女の前に立ち上がる1人の少年の姿があった。


「済まない、遅れてしまった」


 端的な謝罪を口から漏らす。


 それだけで、即座に生きた心地を取り戻す。

 直後、氷槍が螺旋の地面へと一斉に射出される。


 だが、マリアは、確信していた。


(お兄ちゃんなら……絶対に)


 そう、絶対に――助けてくれると信じていた。


 だから、お願い。


「わたしを、助けて……!」


 一瞬の間。逡巡は不要。


 少年――ロキ=レイヴァーテインは、静寂を揺るがすかのように告ぐ。


「ああ、任せておけ――俺が助けてやるよ」


 彼の瞳に映るものは何か。

 簡単だ。――仲間と妹を盛大に侮辱し、殺戮をもせんとした男。


 ――サテュアータ=デュートロン、か。


 とどのつまり、そういうことか。

 ロキは瞬時に理解した上で。


「お前が、マリアを追放した張本人というわけか」

「アッハハ、何だい、君は」

「俺は、ロキ=レイヴァーテイン。――マリアの兄貴だ」

「ほう……、我が邪険な妹の世話係をどうも。だが、残念かな――君の世話係も今日までだ。――俺様の復讐を邪魔しないでくれるかい?」


 何が、復讐だ。

 傷だらけになりながら、懸命に抗った少女に、復讐?

 そもそも、彼女を追放したのは、デュートロン家だろうが。


 感情が、沸々と、煮えてくる。


 爆発まで、そう長い時間は要らない。


「復讐か――だったら、俺はそっくりそのまんまその言葉をお前に返そう」

「……アハハッ! 中々、大した口の聞き方だ。俺様に楯突いたことは褒めてやろう。だが――」

「ご高説は結構だ。――さっさとお前を始末する。それで終わりだ」


 絶対零度の言葉が最後、ロキの理性の糸を寸断する。

 刹那、地を蹴り上げたロキの身体が、サテュアータの懐に潜り込む。


 ノーガードだ。ならば。


 高速移動の速度を右の拳に乗せて、放つ。


 ボゴッッッ!! と肉が陥没する鈍い低音を聞く。


 サテュアータの身体が再び、側壁へと投げ出される。

 頭を強く打ったのだろうか、覚束無い足取りで、彼は起き上がった。


「あ、ハ、アは……」


 たった、一撃。

 だが、確実な効果がもたらされていた。

 外見もそうだが、中身も充分に空っぽな男だ――それがロキのサテュアータに対する総評だ。


「――シグルーン、みんなのことを頼む」

「うん、了解したよ」


 螺旋階段を駆け上がってくるシグルーン。

 白金の髪を揺らして、首肯した。


「みんな、よく頑張ってくれたよ」


 ふと、ロキはそんな言葉を口にする。


 例えば、ヴァレオ。

 ――こんなにも血だらけになってよく戦い抜いてくれた。


 例えば、シグルーン。

 ――俺に進路を与えてくれた。それがなければ今頃、俺達は全滅だったろう。


 例えば、クレオネラ。

 ――家族を誘拐されたという絶望によく堪えてくれた。


 そして、例えば、マリア。

 ――俺の我儘を聞いてくれてありがとう――もしも、俺とお前がペアを組んで行動していたなら、柔軟に緊急事態への対応ができなかっただろう。


 そう、皆が皆――善戦した。

 その上で、俺の仲間を侮蔑する奴は、許さない。

 闘志の瞳が閃く。


「みんな、頑張ってくれた。だから、今度は俺のターンとしよう」


 腰から木剣を引き抜く。


 上段に構え、静止。


 彼は、戦わねばならない。


 柄を握る力を強めた。


「ここからが、真に、魔王候補の剣の舞だ」




 告げると同時に、地を一蹴する。

 魔王候補の剣閃が怒涛の如く、地上で唸りをあげる。







 戦え、少年よ。

 守るべき者のために、その剣に想いを込めて、一閃せよ。






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