桜樹荘にようこそ!
ようやく桜樹荘にたどり着いた鎌田大地と波風楓花はやっと一息つけると思いきや、庭の方から爆発音が聞こえ・・・
「な、何事ですか!」と爆発音がした庭の方にあわてながら桜樹風吹は駆けつけた。
桜樹風吹の目の前に映ったのは煙をあげながら焼きこけたバーベキューコンロのような者があった。その目の前には一人の男性、いや制服っぽい格好で手をついて座り込んでいた学生がやってしまったかのような表情で桜樹風吹の方に目をやった。
「ごめん、風吹ちゃん。炭に火をつけようとしたんだけど、思った以上に失敗してしまったよ・・ははは」と反省しているのか気軽に話したが、桜樹風吹はその学生にたいして、
「もう!あれほど資源変換を使用しないように言ったのに、なんでするんですか!」
とまるで子供が大人を叱っているような言い方で桜樹風吹は言った。
その後に大地と波風楓花が庭に駆けつけ何事かのような表情で見ていた。手についた学生服を来た男性は「あれ?この二人は?」と桜樹風吹に訪ねた。
「もう結城君は!こちらの男の子が今日入寮する鎌田大地君!そしてもう一人の方が・・・え~と」と波風楓花の方に目線を送ると波風楓花は察知したかのように
「波風楓花です。よろしくお願いします。」と桜樹風吹に続くように挨拶をした。そして桜樹風吹は男性に対して「そっそうです波風さんです。それより結城君どうして資源変換したのか説明してもらいますよ」と男性に問うと男性は
「そうだった、今日入寮する人が来るので、炭に火をおこそうとしたんだけど、ライターが無かったからちょ~と力つかっちゃたら、制御がうまくできなくてボンッって爆発してしまったんだなあ~これが」と反省の色があまり見えないような言い方で説明したので桜樹風吹は「もう」と呆れた感じで
「驚かせてごめんなさい。悪気があってやったわけではないの」と説明した時、その男性は「そうそう!それより、紹介がまだだったな!俺はここの桜樹荘の201号室に住んでる豊田結城だ!よろしく!えっと・・大地と波風楓花ちゃんね!」となぜか波風楓花のことを「ちゃん」づけして挨拶をした。大地は「よろしく」と軽く挨拶をした。その時、庭に続く廊下から「なにこれ!」とスーパーの袋をもった、髪を後ろでまとめてある眼鏡をかけた学生が現れた。それを見た桜樹風吹は
「あっ!おかえりなさい、絵里奈ちゃん。えっと・・これはねまた結城君が・・」と言いかけた時、その女性は両手を結城の方に突き出し、右手首につけてある青いアクセサリーみたいな物が光だし彼女の両手から水が勢いよく吹き出し結城にめがけて「またお前か!」と怒りながらまるで勢いのある水鉄砲のように結城の腹部にクリーンヒットした。結城は勢いよく庭の中央にある池にどっしゃーと落ちたのである。
その行動に桜樹風吹は「絵里奈ちゃん!」と絵里奈に言うと、我を返ったかのように
「ごめんなさい、つい・・・でもこれぐらいはしないとあいつは効かないよ!」と桜樹風吹に言った。桜樹風吹は「まったくもう・・」と溜息をついて大地と楓花に目線をやり、「騒がしくてごめんなさい。この子は水泉絵里奈ちゃん。」と紹介すると、水泉はそれに続き、
「水泉絵里奈です。103号室に住んでます。よろしく」と大地と楓花に挨拶をした。そしてここの事は私に任せてと絵里奈は桜樹風吹に言って。ようやく、大地達は2階にある部屋についた。
「ここが202号しつか・・よし」とすでに202号室のドアには鎌田大地とフルネームの表札らしきものがドアの中央に飾ってあり、ドアを開けたその時、目の前から勢いよいよく
「だ~い~ち!」と掛け声といっしょに大地にめがけてジャンプしながら抱き付いてきたのだ、大地もいきなりの抱き付きに戸惑いながらも勢いに負けて足を崩し転んだ。よく見ると抱き付いてきたのは白い髪の少女、飛行機と病院でであったエリーゼ・クリスタルだった。エリーゼ・クリスタルは大地の顔を見て
「また会えたね! だけど遅いよ!」とまるで彼女のような言い方で大地に言った。大地は困惑しながらも「ちょっとまって、なぜ俺の部屋にいるんだよ」とエリーゼに話かかけ、エリーゼは「あれ?」と不思議そうな感じで
「あれ?言わなかった?私もここに住むんだよ」とまるで当たり前のように言いながらも大地は後ろにいた桜樹風吹に目線をやると桜樹風吹はちょっと驚きながらも
「あれ大地君エリーゼちゃんとお友達だったの?その子は龍ヶ崎エリーゼちゃんだよ。昨日この寮に入寮することになったんだけど彼女は203号室のはずだけど」と不思議そうに話すと、大地は、「じゃあどうしてエリーゼがここにいるのか」ともう一度桜樹風吹に問うとエリーゼは202号室の部屋の壁つまり203号室側の壁に指をさして、当たり前かのように「あそこに穴が開いてたから」と言った。
それを聞いた大地と桜樹風吹はすぐにその壁を見ると部屋のちょうど真ん中に人一人が通れる穴が開いていたのだ、そしてその穴の開いてある壁の下には壁の欠片らしきものがあった。これを見た桜樹風吹は「どうして」とまるで驚いているかのように見ていたら、202号室のドアから一人の男性が「あの~」と声をかけてきた。その男性は病院でであったエリーゼと一緒にいた保護者の龍ヶ崎源人だった。
「あの~すみません。その穴は私のせいです・・・」と桜樹風吹達にはなした。大地と風吹はどうしてそうなったのか理由を問うと、「実は・・・昨日引っ越しの手伝いをエリーゼとしておりして、ちょうど壁の真ん中にひびわれがありまして、興味を持った私はそのひび割れに触っていたらエリーゼがちょうど私の後ろで作業をしており、エリーゼが立ち上がった瞬間に私を押すような形で私はその壁に突っ込んでしまい穴が開いてしまったのです。実は昨日言おうと思ったのですが桜樹さんは出かけており、なかなか話す機会がなくなってしまいました。・・・本当にすみませんでした。」と頭を下げ、桜樹は「別にいいですから頭を上げてください」と慌てて、龍ヶ崎源人に言った。桜樹は悩みだし、「う~んでもどうしましょうか、穴が開いていたら問題ですね・・」と言いかけた時その場にいた波風楓花は急に、
「そっそうですよ!男女どうしが一緒の部屋にいたら問題ですよ!他に空いている部屋は無いんですか?」と必至に桜樹風吹に訪ね、大地は「いや、別に一緒の部屋ってわけでは・・」と言いかけた時、波風楓花は大地を睨みながら「ダイちゃんは黙ってて」と威嚇のある言い方で大地の言動を止めた。
桜樹風吹は悩みながら「困りましたね、部屋はもう空いて無いんですよ」と言った。その時、エリーゼは「別に私は大丈夫だよ。ね!おじいちゃん」と龍ヶ崎源人に話しかけ源人はエリーゼの言葉に戸惑いながらも、「ええ、もとの原因をいえば私にある。だから桜樹風吹さん私は別にかまいませんよ」と言うと。桜樹風吹はまるで解決したかの様に、「助かります。大地君はいい?」と大地に言うと大地は波風楓花の視線を感じながらも「僕は別にいいですよ」と返事をした瞬間。波風楓花からとんでもないオーラを感じ目線を合わせると波風楓花は大地を睨み付けるように
「風吹さん本当にいいんですか・・・」と言うと、桜樹風吹も察知したのかすぐに「だ、大丈夫ですよちゃんと壁には布か何かで柵のようにするから」と安心させるような言い方だったが、波風楓花は桜樹風吹に「鉄鋼でお願いします。」とまた大地を睨むように言った。さすがに風吹も「はい。」と返事をせざる得なかったのである。
「う~ん、まあこんなもんかな」とあれから時間が経ち、大地は部屋のベランダの手すりに手を置きながら外の景色を見ながら言った。外はもう夕方になっており大地は部屋の片づけのほとんどを終わらせていた。波風楓花はあのあと、この桜樹荘の大家である桜樹風吹といっしょに外に出かけた。そして龍ヶ崎源人とエリーゼはちょっと用事があるとの事で二人も外に出かけたのである。一人外の景色を観ながら少し休んでいると、部屋のドアからノックが聞こえ「ごめん。ちょっといい」と女性の声がしたので大地はドアの前まで行き、「はい」と返事をしながらドアを開けると、目の前には先ほど庭で出会った髪を後ろでまとめて眼鏡をかけてある水泉絵里奈立っていた。大地はとっさに「あっ!え~っと確か」と言いながら名前を思い出そうとすると絵里奈は感づいたのか、「あっごめんごめん水泉絵里奈、絵里奈でいいよ」と答えた。大地は安心しながらも「ごめん、水泉さんだよね。どうかしたの?」と言うと絵里奈は「ははっ、絵里奈でいいよ。それよりもさっきはごめんね驚かして」と言いながらも思い出したかのように
「あっそうだった。大地君庭に集まってくれる?これからみんなでバーベキューするから」とまるで友達かのような言い方で大地に話しかけたので大地の戸惑いながらも「あっうん、わかった。」とすぐにスリッパを履き、部屋の鍵を閉めて絵里奈と一緒に庭に向かった。
庭に向かう途中に大地は絵里奈に質問をした。
「水泉さんは、もしかして水属性のエンジニア?」と突然絵里奈に問うと、絵里奈は「えっ」と思いながらも「うんそうだよ、主に水属性の資源晶石を変換する能力だけど、そんな大したことじゃないよ。」となぜか悲しそうな言い方をしていた。その表情を見た大地はその後特に質問をしなかったが、絵里奈は逆に大地に質問をした。
「大地君は何の属性のエンジニア?」と言ったが大地はちょっと複雑そうな表情をすると絵里奈は更に「
もしかしてオリジナル?」と言った。大地は重い口を開けて絵里奈に「実はどちらでもないんだ、なぜかこの機関に紹介されてきただけなんだと」と複雑そうな感じで答え、絵里奈も「そんなんだ・・・まあ大丈夫だよこれからこれから」と明るく元気づける形で大地に言った。そんな話をする間に庭についた。
そこにはとても豪華な食事と大きなアップルパイがあり、そのアップルパイの上にはチョコで「入寮おめでとう」と手作り感満載で書かれており、そこには桜樹風吹をはじめ入寮生たちが大地に目線を送りながらも「よろしく」と言いながら歓迎会が繰り広げられ・・・エリーゼも桜樹風吹さん特製のアップルパイにくぎ付けになりながら口いっぱいにほおばり、昼に水谷さんに吹き飛ばされ池に落ちた豊田結城も季節違いな花火を手に持ちながらまるで子供みたいに楽しんでいた。そんなこんなで時間が流れ歓迎会は深夜にまで続いた・・・