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入院

作者: 詩夜見

この小説は『夢中』のあとの話ですが、読む必要は特にありません

(目が覚めると、ベッドの上だった)


「お、目が覚めたか?」


う……、ここは、どこだ?


「ここは夢のなかじゃ」


ごめんそのくだりもうやったわ


「え、マジで?」


ついさっきね


「誰か先にお見舞いに来ていたのか?」


まぁ、そんな感じかな


「クソッ、せっかく三日三晩寝ずに考えていたのに……」


暇なんだなお前は


「褒めても持ってきた花しか出さねーぞ」


褒めてねーしそれ菊の花だし


「ちゃんと鉢植えに入れて持ってきたんだぜ」


……お前のせいであんな夢を見たのかもな


「ん? なんか言ったか?」


気にしたらゲーム・オーバーだ



「にしても、まさかお前が入院だなんて」


お前がやってきたほうが残念だわ


「確か二階から落っこちたんだっけ?」


もっと高いとこからだった気もするけどね


「まぁ、無事で何よりだ」


そりゃどーも


「これで来週までに借金返せる」


金づるかよ俺は


「一千万ぐらい貸してくれないか?」


どこで何をしたんだお前は


「実はこの前、親戚の人から電話があって……」


ほー


「急にお金が必要になったらしいんだ」


…………


「運悪く親は今旅行中でね、俺が払うことになったんだ」


あー


「確か、ワカサギ株式会社っていうとこに振り込まないといけないんだ」


……なんか、ごめん


「どして謝るんだお前が?」


とりあえずそれ詐欺だから払わなくていいよ


「詐欺?! マジ!?」



ところでお前、今日学校は?


「学校? あ」


え?


「忘れてたわ」


どんだけお前はノンキなんだよ……


「アハハー、元気でた?」


ああ、お陰様でな


「それならよかった。今日来たかいがあったわ」


なんだ、てっきりお見舞いのフルーツ目的で来たのかと思ったら


「…………」


……前言撤回、目を逸らすな


「べ、別にあんたのために来たんじゃ、ないんだからねっ!」


ツンデレじゃなくてただの本音だなそれ


「おっともうこんな時間かそろそろ行かなくては」


逃げるのか?


「まあね」


素直だな


「また来てやるからフルーツ用意しておけよ!」


バタン


(やつが帰ったらとても静かになった)

ワカサギ株式会社については『詐欺』に書かれていますが、特に読む必要はありません

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