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教室
神原は教室の隅の席に座り、静かに周囲を見回していた。
クラスメイトたちが「うわー!」「マジかよ」などと賑やかに笑う声が飛び交う中、彼はノートに軽くメモをとる。
(あの男子3人、どうやら同じ中学出身か。……あの女子2人は、完全に彼らを避けているな。)
休み時間になると立ち上がり、さりげなく教室を出た。誰も気づかない。
脚を運んだのは、掲示板。小さな補習案内の紙が貼られていた。
「……この学校、補習申請は本人の自由なんだな。ありがたい」
再び歩き出し、廊下から階段を上がる。
「情報は力だ。社会でも学校でも、それは変わらん」
神原の頭の中では、すでにクラスの“人間関係マップ”が仮設レベルで組み立てられつつあった。




